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経済小説

2009-06-20 07:02:00 | 

 映画「ハゲタカ」を見た。日本の自動車メーカーの買収を巡る、アメリカ、中国ファンドの闘いがテーマだった。面白かったので、本屋で原作者真山仁の同名の文庫本「ハゲタカⅡ」を買って読んでみた。
NHK-TVでドラマ化されているので見られた方も多いと思う。(TVも映画も「ハゲタカⅡ」とは別の題材である)

 この本の内容は日本の名門企業、鈴紡(カネボウがモデル)、曙電気(富士通がモデル?)が舞台で、アメリカの複数のファンド、政府系金融機関、新興企業(キャノンがモデル)、銀行などが、いろいろな思惑から企業買収合戦を繰り広げるというものだ。

 現実の世界でほんの数年前、ホリエモンや村上ファンドがこうしたマネーゲームで一時期巨額の利益を上げていたのは耳に新しい。資本主義の最先端の部分だろう。

 しかし三河人の私から見ると、こうしたマネーゲーム(或いは企業の売買)でモノ作りを支配していいのだろうか?という素朴な疑問を持ってしまう。直接には付加価値を生まない金融機関が、付加価値を生むメーカーを支配するというのは健全だろうか?今回のリーマンブラザーズ,AIGなどの破綻もマネーゲームの延長線上にあるのではないか。

 堀江貴文や村上某の逮捕はこのことへの警告にはなったが、抜本的なルールの改正はなかった。とすれば、再発は防げないだろう。

 多分こんな事をいう私の頭の中は、依然として古くさい「士農工商」の秩序のままなのであろう。しかしこの秩序は、冷静に考えると、身分制度としてではなく、社会での重要性の順序としてみれば、現代にも生きてくるのではないか。徳川家康の知恵も捨てたものではない。

 小説はとても面白かった。思わず夜半の3時過ぎまで読みふけってしまったほどである。