mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

秩父往還の里山・大霧山

2020-12-18 06:15:16 | 日記

 一昨日(12/16)朝ゆっくりと、車で家を出る。比企の名山と言われる外秩父の大霧山に上る。その途中、鶴ヶ島ICで降りるルートをインターネットは示していた。それなら、足を痛めているkwrさんの顔だけでも見ていこうかと車を走らせる。彼の家の住所「字××***番地」を入れるが、私の車のnaviはそれを表示しない。地番が新しくなったのか? まあ良かろう、近くへ行って電話をすればわかるだろうと思ったが、大違いであった。naviにいれた「字××○丁目*番地」は、大きく離れたところにあった。とりあえず市役所の駐車場で落ち合おうということにして、そちらに向かう。賑やかな鶴ヶ島の町は、すっかり様子が変わっていてわからない。kwmさんも一緒。ご挨拶だけして、お見舞いを渡した。案外元気でそうであった。「来年になったら、また行きましょう」とkwrさん。
 そこから一般道を行こうとしたが、naviは高速道へ乗せたがる。「一般道優先」の「ルート選択」を選ぶのに、やはり高速道へ向かわせる。とうとう根負けして、高速に乗って登山口へ向かった。
 下山口まで車で向かい、そこから4kmほど下の登山口まで自転車で戻る。自転車をバス停脇広場の車止めに縛り付けて、歩き始めたのは9時15分。昔の、秩父と小川・川越を結んで江戸に向かう粥仁田峠へ行く。立派な舗装車道が走っている。登山ルートはその間をショートカットして、山道を歩く。25年前発行のガイドブックには舗装車道から登山道への入口がわかりにくいと書いてあったが、今はきちんと方向表示板が設えられていて、迷う心配はない。
 畑の隅に立つ庚申塚の向こうに大霧山がなだらかな姿を見せる。空気の澄んだ青空に映えてすっくと立つ。連なる稜線の広い放牧場が里山の気配を湛えている。50分で粥仁田峠に着く。コースタイムより10分も早い。ちょっとペースが速いか。でも、今日は全体で4時間10分のルートだから、後半草臥れてもさほどの影響はないであろう。そう考えて、体の趣くままに歩く。
 ここから大霧山までが「急坂」とガイドブックは記していたが、さほどの傾斜はない。上っていると木々の間から秩父市の街並みの広がりが見える。遠方に両神山の独特の山稜の連なりが際立つ。冬の山は木の葉が落ちて見晴らしの利くところがいい。30分程で大霧山に着く。見晴らしがよい。高さ2000mほどの雲が南西の空にあるが、あとは青空。武甲山の中ほどが台地上になっているのがよくわかる。
 山頂から見える山の名前を連ねた案内板がある。南西の蕎麦粒山にはじまり、大持山、小持山、武甲山と今年歩いた山々が名を連ねる。雲取山や甲武信岳もあの辺りかと見える。両神山や二子山の右にあるはずの浅間山は雲に隠れて見えない。つい先日のぼった諏訪山なども見えているはずだが、名前はない。妙義山から榛名山と確認できるが、谷川岳や武尊山は、大体の見当しかつかない。赤城山、日光白根山、男体山や女峰山は本当に小さく見える。いや、一望できると言っていい。
 松平という中間ポイントに着いた。このあたりでお昼かと算段していたが、まだ11時。旧定峰峠まで行けそうだ。と思ったが、ほんの10分で旧定峰峠に差し掛かる。暗く狭い分岐点だ。これじゃあお昼を食べる気にならない。ガイドブックではここから定峰峠まで1時間とあった。12時を過ぎるが、まあいいかと先へ向かう。
 「ダイダラボッチの伝説」と書いた看板がある。大きな体のお坊さんが定峰峠に腰かけて笠を置いたところが笠山、粥を煮たところが粥仁田峠などなどと民話を記す。何だろうこれは。民話は何を表象しているのだろうか。
 標高でいうと150mほど下って100m上るというふうに凸凹しているが、踏み跡はしっかりしていて歩きやすい。おや、45分で定峰峠についてしまった。あのガイドブックのコースタイム1時間は何だったんだろう。舗装車道がここで行き止まりとなっているが、茶店もある。ラーメンとかうどんの幟がはためいているが人影はない。駐車場の隅の大石にもたれて弁当を広げる。ここまでに出合った人は一人もいない。
 食べていると若い人が自転車で上ってきた。標高550mほどを下から登って来たか。自転車と茶店をスマホカメラに収めている。食べていると後から二人、また自転車で上ってくる。ヘルメットをとると還暦ほどの年寄りだとわかる。
 20分程で食事を済ませ、下山にかかる。12時10分発。舗装車道を20mほど行くと、「白石車庫→」と小さな手書きの標識があった。山道に入る。下の方で車道をまた横切る。「車に注意」と書いてある。車高の低い赤いセダンがぶろろろと、何か憂さを晴らすような大きな音を立てて下ってくる。どこから来たのだろう。また山道に入る。最後は車道を500mくらい歩き白石車庫に着いた。12時40分。行動時間は3時間55分。歩行時間は3時間半。なんだかコースタイムが違っていたように感じた。
 でもおかげで半日ハイクのようなもの。帰宅してから月刊の「ささらほうさら・無冠」をコピーし、封書に入れる作業に取りかかったところで、プリンタがうまく作動しないことに気づいた。後のことは、昨日のこの欄に記した通り。