mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

道学者みたいなことを口にするご時世

2014-06-15 20:02:09 | 日記

 明日から旅に出るので天気予報をみようと、朝TVをつけたら、[イングランドvsイタリア]のサッカー試合を中継している。天気予報の時間になっても、そのまんまだ。NHKのBS1じゃない、通常放送の番組だよ、それが。とうとう朝7時にニュースもやらない。なんということ。サッカーの試合に放送権を得たからであろうが、サッカーファンばかりじゃないんだよ、NHKの受信料をふんだくられているのは。腹が立った。

 

 伊佐沼にレンカクが来ていると、鳥情報がカミサンのケイタイに入った。ではというので、見に行った。沼の北側に蓮のいっぱい生えたところあたりに、百人を超える人たちが三脚を据えて、あるいは望遠鏡で、あるいは望遠レンズで沼の方を見ている群れがあった。そちらへ行くと、カミサンは顔見知りが何人かいて、ご挨拶をして、先ほどまでいた、人の数に驚いてか飛び立ってどこかへ行ってしまった、とレンカク情報を仕入れてくる。

 

 日差しは強くなる。何羽ものアジサシが飛び回っている。ときどき上空から垂直に水面に向けて飛び込む。魚を狙っているのであろう。鳴き交わしているのもいる。つがいをつくっているのであろうか、沼の中に立てた杭に止まって同じ方向を向いた2羽が休んでいる。

 

 別の鳴き声が聞こえる。あれは何の声? と尋ねる。カイツブリらしい。ピョコと湖面に顔を出す。ずいぶん離れているがヒナだという。双眼鏡を覗かせてもらう。一カ所に固まってはいないが、沼の中に何羽もいることに気づく。ハスの葉陰で営巣でもしているかと探してみたが、見つからなかった。

 

 大きな鯉が跳ねる。ボーッ、ボーッとウシガエルの声が響く。ツバメが飛び交う。カルガモが大きな体を重そうにして上空を飛んでいる。レンカクは戻ってこない。

 

 1時間近く待って、帰ることにした。車に乗るとちょうどサッカーの[日本vsコートジボアール]戦がはじまったばかりだ。TBSラジオはサッカー試合を放送していない。やるじゃないかって、褒めるようなことではないか。ただ単に放送権料が払えなかっただけかもしれない。でも、放送の担当者は、サッカーの試合に食われないように懸命にしゃべっている。

 

 途中コーヒー屋に寄って、今月分のコーヒーを買い求める。NHK浦和放送局のすぐそばにお店がある。日本の試合中というのに、コーヒーを買いに来ている人がたくさんいる。浦和レッズのおひざ元とは言え、わしゃ知らんよという人も、けっこういるんだ。そう思うと、朝の番組変更は、やはりNHKがヘンだということかもしれないと、思う。ブラジルでだって、デモや抗議集会が行われている。別に私らがW杯に反対しているというのではないが、半国営放送がお祭り騒ぎをすることはないじゃないか。

 

 帰宅してTVをつけると、試合の実況中継をしている。あっという間に、2点をとられ、救世主のように名前を呼び続けてきたホンダという選手が、くたびれてか、ボールを取られたり、パスを雑にしたりして、ああ、これでは逆転はムツカシイなと思う。戦後にオシム監督が「コートジボアールの動きがよく、思うように攻めさせてもらえなかった」と言っているのを聞いて、疲れとか雑なパスとかいうのではなく、動きを封じられていたのだと分かる。コートジボアールも、それが戦術なのかもしれないが、リードしてからは、うずくまったり、倒れて起き上がらなかったりして、試合の流れの中で休憩をとろうとしているように見える。彼らも懸命なのだと思うと、降っている雨が無情に思える。

 

 TVのTBSに切り替える。次のギリシャ戦の予想をしている。ギリシャ・チームは宿泊している宿が安いホテルで、一次リーグの期間しか宿を確保していないとアナウンサーが解説する。ワダアキコが勝ち進んだらどうするんだろうと心配している。国家財政逼迫の折から、ギリシャは勝ち進まないことにしているのだと思うと、彼らもまた、不憫だなと思う。日本選手は豪勢なリゾート地を借り切っているそうだと聞くと、そちらに泊めてやればいいものをと、まったく余計なことを考えたりしていた。

 

 マスメディアのW杯一色には閉口です。何か肝心のことから目をそらしたい願望なのでしょうかね。集団的自衛権にせよ、イラクの緊迫した状況にせよ、両方がリンクすると、思いもよらないところへ転がっていくような気配を感じさせます。W杯に現を抜かしていていいのかと、道学者みたいなことを言ってみたくなるのも、齢のせいだとばかりは言えないと思うのですがね。

 

 さて、しばらく旅に出ます。20日にお会いしましょう。