mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

ディーラーの交渉術

2014-06-14 11:41:17 | 日記

 車を買い替えようと思案している。いまの車の調子が悪いわけではない。もう15年乗った。最近は、むかしのように頻繁に乗らない。山へ行くのも、できるだけ電車を使う。登山口近くの駅からレンタカーを借りることも、頻繁になった。つまり長距離長時間運転するのが、ちょっと苦になり始めたのだね。

 

 そこへもってきて、車検に出すと、13年目、15年目と、重量税が上がる。以前に比べて1万円も高くなる。どうしてと思うだろうが、政府は産業政策として古いものを捨てて新しいものを買わせようと躍起なのだ。アベノミクスの何本かの矢は、いつも産業会社の利益の方を向いている。もちろん、環境にいいということばも添えてはいるが、これもその矢の口先のひとつなのだろう。

 

 買い換えようと思っているのは、小さいやつ。長距離乗るには(たぶん)疲れるだろうが、小回りが利く。燃費も悪くない。維持費が格段に少なくなる。でも、冬場、雪のあるところにも使えるようにと考える。もちろんスタッドレスタイヤに付け替えることもできるようにしておきたい。ほぼ日常の実用と、遠くないところへの遊びに用いるという算段。

 

 ところが、ディーラーに聞くと、長ければ6か月先の引き渡しになるというから、いまから準備しないと、間に合わなくなる。そこで、広告を見て、これという車を見に行く。試乗するほどこだわってはいない。

 

 だが当然、見ているだけでは済まない。いくらくらいかかるか、試算してくれるのだ。そのやり方に、大雑把に言って二通りあることに気づいた。

 

 ひとつは、何種類かある本体価格の(こちらが選んだ)ひとつに、naviをつけるか、etcは必要ですよね、ドア・バイザーはつけますか、フロアマットはどちらがお好みですか、と聞きながら、付け加えていく。そうして、いま乗っている車を下取りするとしたらいくらになると計算に加えて、概算額をはじき出す。そこから「交渉」がはじまるというわけだ。

 

 ところが別のディーラーに行くと、まったく違った方向から概算額を出して攻めてくるので、驚いた。

 

 こちらが選んだ本体に、「お見積書」の書式にある種々の項目を勝手にどんどん入れて、ポンと高値の概算額をはじき出した。これって何? とこちらも聞かねばならない。「ああ、それは、保証期間が過ぎた後、2年とか3年の間エンジンやエアコンの故障を無料で保障する保険です」という。こちらは何? と聞くと、「そちらは3年目の車検までの法定点検やオイル交換、オイルフィルターの交換などのメンテナンスをするための費用です」と説明する。どうしてそれを今から徴収するのかと尋ねると、「お安くなっています」と屈託がない。ふと見ると、「道路サービス関連費用」というのも、よくわからない。これは何? と尋ねるとJAFへの加入と年会費だという。

 

 やりとりをしていると、「あ、それが不要でしたら、費用が安くなります」と、あたかも値引きしたみたいに「交渉」に乗り出すのだ。なんてこった。ディーラーが保険会社やJAFと契約していて、顧客紹介分を手に入れようという魂胆なのだろうが、それは値引きとは言わないよ。

 

 車を買うのに、故障やメンテナンスの保障期間を過ぎた保険を勧誘するというのは、私の自動車観には合わない。いかにも、この車のエンジンは3年の保障期間を過ぎたら何があるかわかりません、と言っているようではないか。JAFのやっている事業や保険に外国企業が参入して市場を荒らしているのはわかるが、こんな手を使って年寄りをカモにしているのかと思うと、このディーラーは信用できないと決めつけたくなる。

 

 ところで、私のいま乗っている車はいくらで下取りしてくれるか。行きがかりで見てくれた。

 

 1社は「1円」に「下取りリサイクル預託金相当額 13610円」とある。15年目の車は、四輪駆動で冬タイヤ付でも、この程度の評価なのだ。もう1社は、2万円相当の値引きで引き取りますが、「ネットで見積もりしている中古車会社に売った方が、少しは高く売れますよ、この車は」とアドバイスしてくれた。後者の「2万円相当の値引き」というのは、「リサイクル預託金相当額」を念頭に置いているのであろう。

 

 なんだか、エコだ、アベノミクスだという時流に乗せられるのは癪なのだが、年金生活者は削れる支出を抑えることでやりくりしなければならない。商業ベースを無視して生きていけるほど、田舎暮らしではない上に、なにより税金でふんだくられるのは、腹が立つ。

 

 そういうわけで、12月に車を交換するための最終期限あたりまでに腹をくくらなければならないと、思うようになった。さて、どの車、どのディーラーにするか。