護国神社坂の下、高田屋嘉兵衛屋敷跡の側にある「ホテルWBFグランデ函館」。
建物はそのままに、何度かホテル名が変わっていて、かつては「函館グランドホテル」だったらしいのだが、私の知っているだけでも、「ホテルJALCITY函館」「チサングランド函館」と変わっていた。
私は「チサングランド函館」の印象が強いんだけど、いつの間にか今の名前に変わっていました。
って、今日の本題はそこではなく、実はこの場所も、函館の歴史上のエピソードに登場する施設の跡地なのです。
何があったかというと、1909年、北海道最初の活動映画館である「錦輝館(きんきかん)」がこの場所に開設されました。
「活動映画館」というのは、別に何のことはない、映画を上映する場所のことで、当時、「活動写真」と呼ばれていた映画を、広く大衆に見せるための施設のことです。
当時の映画は、映像と並行して「弁士」と呼ばれる人が解説を加えていた「無声映画」であり、函館でも大変な人気職業だったそうです。
ここを皮切りに、函館の映画館の数は、全盛期で19にも上っていたそうです。
今は市内の映画館は「シネマ太陽函館」と「シネマアイリス」の二館だけになりましたが、数多くの作品でロケが行われるなど、日本の映画史にとっても欠かせない場所になっている函館。
そんな映画にまつわる場所としても北海道初のものがあったんですね。これもまた貴重なエピソードだと思います。