8日に能登半島の七尾市に所要で出かけた。金沢もそうだったが、どんよりと空がかすんでいた。一時雨が降ったが、雨が上がってもどんよりとした土色のかすみが空を覆い、晴れ上がることはなかった=写真=。黄砂がやってきた、と直感した。毎年この季節はかすむのである。ただ、ことしの黄砂は目と鼻に刺激が強いのだ。
その後、金沢地方気象台は今年初めて金沢市で黄砂を観測したと発表した(9日)。健康への影響が問題視されている微小粒子状物質(PM2・5)の大気中濃度は、石川県内の5観測地点のうち4ヵ所で国の環境基準値を上回った。PM2・5は金沢に隣接する野々市市の観測地点で7日にも、国の基準を超えた1日平均で1立方㍍当たり35.2マイクロ㌘が観測されている。「ただちに健康に影響を及ぼすものではない」と石川県も発表しているが、PM2・5と黄砂がダブルでやってきたので、思いは複雑だ。
きょう10日は大安の吉日。午後から友人の結婚式がJR金沢駅前のホテルであり、出席する。念のために金沢地方気象台の予報(午前7時58分発表)をチェックすると、「寒冷前線が通過し、冬型の気圧配置となる見込みです。このため、石川県では、雨で昼過ぎから次第に曇りとなるでしょう。また、昼過ぎまで雷を伴う所があるでしょう」と。確かにきょうは朝から強い風雨と、そして黄砂のせいか土色で空はかすんでいる。荒れ模様での結婚式になりそう。こんなお天気でのお祝いのスピーチはだいたい決まっていて、「雨降って、地固まると昔から申しまして…」となる。めでたい。
金沢の冬は「雪吊り」に始まり、「雪吊り外し」で終わる。北陸の雪は湿気を含んで重い。庭木の枝に雪が積もると折れてしまう。そこで、木の幹に高い竹棒をくくりつけ、てっぺんからパラソル状にわら縄を下して枝に結び、折れないように補強するのだ。ことしの積雪は例年に比べ少ないが、それでも通算20回は雪かきに出ただろうか。例年と違ったのは、しんしんと積もるというパターンではなく、ゲリラ的に積もるという日が多かった。3月に入って、北海道ではきょうも防風雪だそうだ。それにしても、今月2日、北海道湧別町で地吹雪で乗用車が雪にはまり動けなくなった父親(53)が長女(9)をかばい凍死した事故があった。痛ましい。
今月に入り、近所では「雪吊り外し」が始まっている。植木職人たちが竹棒を外すパタン、パタンという音が聞こえる。さまざまな冬の思い出と出来事を人々の記憶に残し、季節は春へと確実に移ろっている。
⇒10日(日)朝・金沢の天気 風雨
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