能登半島に金蔵(かなくら)という地名の集落がある。標高150㍍ほどの山村で段々畑が連なっている。ここを訪れると、日本の農村の原風景に出会える。稲はざで干されたコシヒカリがいかにも黄金色に輝いて見える。
きょう26日、この集落を訪れたのは金沢大学が委嘱している研究員で、郷土史家の井池光夫さんに会うためだった。「新米を食べてみませんか。私もことし始めてです」と井池さんにすすめられた。金蔵の農家は米のブランド化に熱心だ。増産はせず、10㌃あたり450㌔以下の収穫、有機肥料、はざ干し、そして何より汚染されていないため池の水を使っての米作り。つまり、正直に丁寧に米をつくるのである。
井池さんが懇意にしているお寺の坊守りさん(住職の奥さん)が新米のご飯をたいてくれた。そして能登の天然塩を一つまみ入れたおにぎりを「お昼に」と出してくれた。
はざ干しに近づいてにおいをかぐと、光を吸収したなんともかぐわしい香りがするものだ。感覚で言えば、干した布団のぬくもりとでも言おうか…。おにぎりもそんな健康的なにおいがした。口にすると、ふっくらとして甘みがある。「うまい」という言葉が自然に出てきた。3個もいただいたせいか、終日腹持ちがした。
新しい総理の安倍晋三氏が就任後初めて記者会見する様子が26日夜、テレビでライブ中継されていた。財政再建の模範を示すため自らの給与の3割、閣僚の給与の1割をカットすることを明らかにした。国家公務員の給与をばっさり落としていくと宣言したとも取れる内容だった。
3割給与カットは並大抵の決意ではない。発表した組閣内容と会見内容を自分なりに読み解くと、内政的には、公務員改革、財政の見直し、社会保険庁の民営化、地方のリストラと裏腹の道州制への移行などがキーワードになろう。つまり、小泉政権を継承し、外交と防衛のみを担当する「小さな政府」を目指すと言葉に濃く滲ませた。
外交では、北朝鮮の拉致問題で得た経験を生かし、今後は人権外交を展開していく。そのために塩崎恭久氏に官房長官と拉致担当大臣を兼務させ、総理の直轄とした。さらに、アドバイザーとして拉致被害家族の人望が厚い中山恭子氏(元内閣官房参与)を起用した。また、国連安保理の常任理事国入りに再度挑戦するという意志表示もした。政治の命脈はいかに政策の鮮度を保つか、である。52歳、新米の総理の手腕は未知数だ。
きょうは「新米」という言葉を2度考えたのでそのまま「自在コラム」のタイトルとした。他意はない。
⇒26日(火)夜・金沢の天気 はれ
本当に新米は美味しいのだろうか?
水分含量が高いので、水を少なめにして炊かないとベタベタになる。京都の有名なカレーやんは、古米か古古米を使うと美味しいカレーができると自慢していた。
新米の総理も気をつけないと、水分が多いと炊き方により食べられないかも?
国民の生活を豊かにする役目が、内閣総理大臣にはある。そのためには国の方針がしっかりと示されないと、官僚もどうしたら良いかわからないのではないか?
「美しき国」とは、十分に文学的な表現であり、政治家としては落第であろう。
国歌の将来像を明確に結ばない、焦点の定まらない表現は、これからの国の命運が極めて危ないことを暗示しているように思われるのは、わたしひとりだろうか?
若者が、老人が、子供が安全で健康的な生活を過ごせる福祉国家こそが21世紀に求められているのではないか。
福祉を、追求する、できる力量のある政治家を切に望む!!!!
新米を収穫予定の田舎のおじさんより