自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★北からの「クリスマスプレゼント」

2019年12月24日 | ⇒キャンパス見聞

    北朝鮮がアメリカに対し、「クリスマスプレゼント」を贈るようだ。韓国・朝鮮日報(日本語、24日付)によると、北朝鮮の外務次官(アメリカ担当)は今月3日に出した談話で、「今残っているのはアメリカの選択であり、近づくクリスマスのプレゼントに何を選ぶかは全面的にアメリカの決心にかかっている」と表明し、クリスマス前後に衛星を搭載した長距離ロケットか、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射する可能性があるとの見方が出ている、と報じている。これに対し、韓国軍当局者は「韓米の連携の下、北の状況を鋭意注視している」と明らかにした。アメリカ軍と連携し、北朝鮮の主な核・ミサイル施設などを監視しているという。

    北の矛先はアメリカだけではない。北朝鮮の国営メディアは、先月発射した超大型ロケット砲を日本政府が弾道ミサイルの発射だとの見解を示していることについて、「海を越えた島国には脅威にならない。日本はわが国に対する国際的な圧迫を扇動している」と主張した(24日付・NHKニュースWeb版)。河野防衛大臣が今月21日の防衛庁での訓示で、「北朝鮮は相次いで弾道ミサイルなどの発射を行い、わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威だ」と述べたことを、「国際的な圧迫を扇動」と誇張したようだ。

           北朝鮮の激しい言葉が交錯すると、つい気になるのが東証一部の石川製作所(石川県白山市)の株価だ。きょうも値上がりして2015円に。1ヵ月前の11月25日は1338円だった。この急騰の背景となっているのが同社が防衛関連株だからだ。同社は段ボール印刷機、繊維機械を生産しているが、追尾型の機雷も製造する防衛産業も担っている。

    同社の株価は長らく1000円を割り込んでいたが、一転注目され始めたのは2017年7月だった。北朝鮮が打ち上げたICBMはアメリカ西海岸のロサンゼルスなどが射程に入るものだった=記事は7月29日付=。これを受けて、トランプ大統領は9月の国連総会の演説で金正恩・朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼び、双方の言葉の応酬が過熱した。このころから株価は上昇し、10月16日には4205円の最高値を記録した。が、翌年2018年の韓国・平昌オリンピックへの北朝鮮の参加による平和ムードが広がり、徐々に株価は下がり、3月29日に韓国と北朝鮮による南北首脳会談(4月27日)が決定すると1943円に下がった。その後は、「平和の演出」のにおいが感じられるようになると下落、米朝首脳会談の「中止」「延期」のメッセージが発せられると上向きに転じた。

    ちょうど1年前の2018年12月26日は1010円だった。今年に入り1400円台が続いていたが、このところの北朝鮮のホットな「口撃」で再び上昇が始まり、きょうは2015円になった。投資家にとっては、北からの「クリスマスプレゼント」だろうか。

⇒24日(火)夜・金沢の天気     くもり


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