自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★梅雨入り警報級の大雨か 山崩れ、土砂ダムなど警戒

2024年06月22日 | ⇒ドキュメント回廊

  きょう北陸は梅雨入り、あすは警報級の大雨だ。金沢地方気象台によると、日本海を北上する梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発になるため、石川県内は今夜から雨が降り出し、あす23日には加賀地方・能登地方ともに1時間に30㍉の警報級の激しい雨となる。同日夕方までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで加賀・能登ともに150㍉と予想している。そして、能登半島地震の影響により地盤の緩んでいるところがあり、土砂災害の危険度が高まるおそれがあると注意を呼びかけている。

  梅雨の大雨で、案じるのは能登の被災地だ。震源近くの珠洲市や輪島市の中山間地をめぐると、山のがけ崩れ現場があちらこちらにあり、落ちてきた巨大な岩石が民家に迫っているところもある。あす予想される大雨でさらに土砂崩れによる二次災害が起きるのはないかと、被災地の人たちは懸念していることだろう。(※写真・上は、元日の地震で民家の裏山が崩れた輪島市内の中山間地)

  また、川べりの民家の場合、下流で山の土砂崩れが起きた場合は「土砂ダム」が出来て住宅が水没することにもなる。山のふもとにある集落では、このようなリスクを背負った状態がところどころにある。(※写真・下は、土砂ダムで孤立した輪島市内の民家=1月4日、国土交通省TEC-FORCE緊急災害対策派遣隊がドローンで撮影)

  そしてもう一つ、大雨で危惧されるのがため池の決壊だ。能登半島は中山間地での水田が多く、その上方にため池が造成されている。半島全体で2000ものため池があると言われている。地震でため池の土手に亀裂などが入っていると、急に雨量が増すことでため池が決壊する可能性がある。こうなると、下流にある集落に水害が起きる。

  ため池の管理でよく指摘されるのが、所有者そものが分からないという問題だ。延長された用水から田んぼに水を引くがケースが多くなっていて、ため池が使われなくなっている。個人所有の場合だと、世代替わりでため池の存在すら忘れ去られていることが多い。こうしたため池のリスクについて、総務省は21日、決壊などにより人的被害をおよぼす恐れがあるため池の防災対策が不十分だとして農水省に対応を要請した(21日付・日経新聞)。ため池を放置すれば土砂崩れや水害のリスク、「ため池ハザード」が広がる。これは能登だけの問題ではなく、総務省の要請で国内の問題として位置づけされたと言えるだろう。

⇒22日(土)午後・金沢の天気   くもり


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