きょう久しぶりに金沢城公園を散歩した。コロナ禍を経て観光客が戻っているようで、団体やインバウンド観光客の姿が多く見られた。休憩所に入ると、「トンビに注意!」のポスターが数枚貼ってあった。
休憩所にいたボランティアガイドの男性に尋ねた。「トンビに注意とありますが、どんな被害があるのですか」と。すると、ガイド氏は困ったような顔つきでこう話してくれた。公園の広場で弁当などを食べていると、トンビが空から降りて来て、人に危害を与えないが食べ物を取っていくという事例が目立っているという。これまでも、サンドイッチやおにぎりなどが狙われた被害があったそうだ。確かに、注意書きの下には、「食べ物をねらって、空から急降下してくることがあります」と記してある。
タカ科の猛禽類のトンビはピーヒョロヒョロと鳴きながら、空でくるりと輪を描いているイメージだが、地上の獲物を狙っている。ヘビやカエルなどが好物のようだが、以前、能登の千里浜海岸で打ち上げられたの魚の死骸を突いている様子を見たことがある。雑食性の鳥だ。「トンビに油揚げをさらわれる」という言葉もある。自分のものになると思っていたものや、大切にしていたものが不意に横取りされることのたとえで使われる。このようなことわざがあるくらい油断ならない生き物なのだろう。
悪いイメージだけではない。「トンビがタカをうむ」という言葉もある。平凡な親が優れた子を生むことのたとえ。そして、「トンビも居ずまいからタカに見える」という言葉もある。普通の人間であっても、立ち居振る舞いによって立派な人に見えるというたとえだ。
前回のブログの続きになるが、ロシアのプリゴジンをトンビにたとえてみる。タカ(将軍)になりたかったトンビが軍勢を引きいてモスクワに進軍したが、ベラルーシのルカシェンコ大統領にトンビはトンビと諭されておじけづいた。しょせんトンビはトンビ、タカにはなれない、と。
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