自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆世界を惑わせ、さらに混沌、米朝とブレグジット

2019年03月13日 | ⇒ニュース走査

   ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談が終って2週間経つ。会談の物別れは世界を惑わせ、今でもその謎解きにマスメディアが騒がしい。もう一つ、世界を惑わせているのが、ブレグジット(Brexit)ではないだろうか。イギリスのBritainと「出る」のExitの造語だが、EUからの離脱のタイムリミットは「3月29日」と決まっているだけに「合意なき離脱」か「離脱延期」か、世界が成り行きを見守っている。

   識者の方々からいろいろなメールマガジンをいただいている。そのメルマガでも、物別れ首脳会談やブレグジットにまつわるコメントがいろいろあって面白く、勉強にもなる。いくつか紹介したい。日本財団の笹川陽平氏からのメルマガ(3月11日付)。「中国の小話」のコーナーで、「米朝会談決裂の真相」と題してこんな記事が紹介されていた。以下本文を引用する。

   「トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩委員長の第二回の会談は、合意文書の締結も宣言の発表もなく、物別れに終わりました。その理由について諸説があるなか、中国の巷間では、次のような推測が流れました。会談で金委員長は、『我々は強大な新しい朝鮮を作らなければならない』と発言しました。英語に訳せば、『We will build a strong new Korea !』になります。ところが、北朝鮮側の通訳の発音が正確を欠き、トランプ大統領の耳には次のように聞こえました。『We will build a strong nuclear !』  訳すと、『我々は強大な核戦力を作らなければならない』という意味になります。これを聞いた途端、トランプ大統領は机を叩き、会場を後にしました。」

    もちろん「小話」なのでジョークだ。試しに、new Korea を何度か発音を繰り返すとニュークリアに聞こえてくる。嘘か真か読む側が判断に戸惑うほどリアリティさがある話ではある。

    経営コンサルタント、経済評論家として著名な大前研一氏のメルマガ『 大前研一 ニュースの視点 』を愛読している。3月1日付は、ホンダのイギリス工場閉鎖についての論評だった。以下、引用する。「実はホンダの車はあまり欧州では売れていません。ホンダにしては珍しく買収なども仕掛けて、積極的に欧州市場の開拓を試みましたが、英国での生産台数はわずか年間16万台でトップのジャガー・ランドローバーが約44万台、2位の日産もほぼ同じくらいの数字ですから、半分以下の水準です。ホンダが、発表のタイミングをずらして、英国のEU離脱が何かしらの形で落ち着く3月29日以降にしていたら、報じられているほど“衝撃”として受け止められることはなかったでしょう。」

    ホンダがイギリス国工場を2022年までに閉鎖すると発表したニュースは、おそらく誰もがEU離脱による経営の影響を懸念してのホンダの決断と理解しただろう。大前氏は、撤退はあくまでも工場の稼働率低迷がもたらした経営判断であって、離脱の影響ではない、発表のタイミングが悪い、と一刀両断で述べた。

    けさ(13日)のニュースでは、今度は日産が販売不振を理由にことし中にイギリス工場での高級車の生産を停止すると発表した。そして、離脱をめぐり、イギリス議会下院は、離脱条件を定めた協定案を反対多数で再び否決した。与党・保守党の強硬離脱派がEUの関税ルールに縛られる可能性があるとして反対に回った。この迷走状況ではもう内閣は持たないのではないか。(※写真・上はアメリカ「ホワイトハウス」ツイッターから、写真・下はイギリスBBC放送Web版から)

⇒13日(水)朝・金沢の天気    あめ

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