自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆パールハーバーとソウル

2016年12月06日 | ⇒メディア時評

      昨夜(5日)午後6時50分ごろだったと思う、ニュース速報に感動した。安倍総理が今月26、27日にハワイのパールハーバー(真珠湾)をオバマ大統領と訪れ慰霊するというニュースだった。このニュースに接した多くの日本人は、5月に被爆地・広島を訪れたオバマ氏への返礼の訪問と感じたのではないだろうか。

  日本の現職総理がパールハーバーを訪れるのは初めてで、オバマ氏とともに犠牲者を慰霊し、これが最後となる首脳会談も行うという。総理は「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないという未来に向けた決意を示したい」と首相官邸で記者団に語っていた。謝罪ではなく、あくまでも未来志向なのだ。

  画期的な訪問だと思ったのは、安倍総理がオバマ氏とのこれまでの外交の集大成と位置付けている点だ。去年4月にアメリカ議会上下両院合同会議で、安倍総理は戦後70年の節目を踏まえて演説した。こえを踏まえて、オバマ氏は今年5月に伊勢志摩で開催されたG7の帰りに、現職のアメリカ大統領として初めて、アメリカが原子爆弾を投下した広島市を訪問し、犠牲者を慰霊した。オバマ氏とのこれまでの外交は、ある意味で日本とアメリカの戦後に終止符を打つとともに、同盟関係の深化を内外にアピールしたきたことだ。

  日本による奇襲作戦は1941年12月8日未明。その12月に総理がパールハーバーを訪れることで、「日米の未来へのレガシー」が完成するのだと思う。  

  一方で分かりにくいニュースがお隣・韓国だ。パク・クネ大統領の外部の取り巻きによる国政介入事件で、大統領退陣を求める大規模デモが6週連続におよび、3日は各地で最大規模となる42万人(警察推計、主催者推計212万人)が参加したと報じられている。ソウルでのデモが大統領府から100㍍の地点まで接近することが初めて許可されたというから、大統領府としては気が気ではなかったろう。

  日本でも現地リポートを交えて報道されるこのデモ、日本から見えれば、パク氏は退陣を表明しており、なぜここまで毎週熱くデモを繰り広げなければならないだろうかと思ってる日本人が多いと思う。辞任する時期に関して、大統領は与野党が退陣日程で合意すれば従うと表明している。そこで、与党は来年4月の退陣を求めているが、野党は与党との協議を拒否し、合意成立の見通しは立っておらず、弾劾案が浮上している。つまり、退陣要求の舞台はデモから国会に移ったと思うのだが、統領府周辺へのデモは止みそうもない。このデモへの執着、一体何が国民の心に火をつけているのか。現地リポートやコメンテーターの解説を何度聴いても腑に落ちないのは私だけだろうか。

⇒6日(火)朝・金沢の天気   あめ

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