自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆季節は移ろう

2006年02月25日 | ⇒キャンパス見聞

  私のオフィスがある金沢大学創立五十周年記念館「角間の里」は春めいたとは言え、上の写真でご覧の通り、大屋根にまだ雪を頂いている。

   その上に見えるアベマキの枝の先端が赤みを帯びているふうには見えないだろうか。実物に目を凝らすと、枝先が赤紫色にけむっている。これまで堅く締まっていた冬芽が少しずつ膨らみ始めているのだ。まだ2月。でも、角間キャンパスの山々は冬の険しい表情から、優しい表情に変わりつつある。季節の移ろいを、木々の表情から実感するこの頃ではある。

   そしてきょう25日、人々の心は春を待ちきれないかのような光景があった。「角間の里」を拠点にボランティア活動をしている女性たちが七段飾りの雛(ひな)人形を組み立て始めたのだ。ワイワイとにぎやかな弾む声がすると思ったら、あっという間に組み上がっていた。

   階段を上り切って、ちょうど2階の正面に位置する。周囲の太い柱や梁(はり)とマッチしてどこかお城に飾られた雛人形のようにも見える。雛祭りは3月3日。ところで、金沢ではモモの花が咲く4月の旧暦まで雛人形を飾っておく習慣がある。そのことを聞いた関東出身の女性は「えっ、 3月3日過ぎても雛飾りを飾る女性はお嫁にいけないという言い伝えが関東にはありますが…」と雛人形を飾る時期に話題が弾んでいた。

  木々の芽が膨らみ、雛の心が騒ぎ出せば、三寒四温で春が来る。

⇒25日(土)午前・金沢の天気  はれ

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