蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『鶴岡@横浜・根岸』さんの分厚い「鴨くんせい」

2013-05-25 13:25:00 | 横浜市(磯子区)

所用で外出した帰り道、昼食を取ろうと思い、JR根岸線・根岸駅から徒歩7~8分程度のところにある、「匠蕎麦切り会」所属の『そば処・鶴岡』さんへ行ってみました。

お店に到着したのは午後1時半頃で、約半分程のテーブルが埋まっている状態だったことから、「こちらの席でお願いします。」と相席の出来る大きなテーブルに案内されるかと思いましたが、「どちらでもどうぞ。」とのこと。

店内を見渡すと4人掛けのテーブル席がいくつか空いていたので端っこの4人席に座ろうかと思いましたが、座る直前にお店の扉が開いて次のお客さん(サラリーマンらしき男性4人組)が顔を出します。
お昼のピークを過ぎた午後1時半過ぎではありますが、まだまだお客さんが来そうな気配を感じたことから、4人席に着くのはやめ、お店の奥に1つだけポツンと空いていた2人席に着くことにしました。

席に着いて早速メニューを広げると、まず目に止まったのが日本酒のラインナップ。
種類が多いとか銘酒が並んでいるとかではなく、新潟県の地酒「久保田」の「百寿」、「千寿」、「紅寿」、「碧寿」、「万寿」がズラリと並んでいます。「百寿」、「千寿」は普通にあるにしても、「万寿」まであると「へ~!。」って感じですが、さすがに「万寿」は(高額で)飲めません。

さて、何をいただこうかと考えていると、その間にもお客さんが入れ替わり、アッと言う間にほとんどの席が埋まってしまう盛況ぶりです。
「長居は迷惑かな?。」という状況だったことから、「おつまみ、頼んでも大丈夫ですか?。」と愛想の良い女性店員さんに確認したところ、当たり前のように笑顔で「大丈夫ですよ。」とのこと。
ということで、瓶ビール(小)と一緒に「玉子焼」と「鴨くんせい」をお願いします。

まず冷えた瓶ビールがお通し(「しば漬けとたくあんの盛り合わせ」と「枝豆」の2品)と一緒に出てきます。


そして、久しぶりにいただく枝豆をつまみ始めたところで「鴨くんせい」が登場です。

目の前に置かれた肉が鴨肉であることは明らかですが、まるで厚切りハムのような厚みで驚きです。
早速、その肉厚の「鴨くんせい」を1ついただいてみると・・・。
「んっ!、美味いです。」
満足感の感じられる歯応えとレモンの風味がいい感じで、おまけにビールとの相性が良く、「(ビールは)大瓶にすれば良かった。」と後悔です。


続いて「ドンッ!」と登場したアツアツの「玉子焼」。
目の前に置かれた「玉子焼」は2~3人前程の大きさで、これもまた驚きのサイズです。
早速1ついただいてみると・・・。
「うっ!、美味いです。」
甘さ加減(やや甘いです)、硬さ具合(歯応え)、ボリューム感ともに納得の「玉子焼」です。
いや~、「鴨くんせい」といい「玉子焼」といい、実に美味しいです。


席に着いてからここまで約20分、その間もポツポツとお客さんが来店していて常に混雑しているという状態ですが、お酒を飲んでいるお客さんはほとんどおらず、多くのお客さんは食事をしてサッと席を立つという感じです。

そんな状況を背中越しに感じていると、「長居をせずさっさと帰った方が良いのだろうか?。」という気分になってしまいますが、「鴨くんせい」がまだ残っているので、混雑していることを承知しながらも「もう1杯くらい良いだろう。」と思い、山形県の地酒「出羽桜・吟醸」をお願いします。

「出羽桜・吟醸」をお願いした時、空になった「玉子焼」の皿を下げてくれましたが、「(食べるのが)早いですね。」とお店の女性店員さんに言われます。
「食べるのが早い。」と言うより、お店が混雑しているので「少し急いで食べている。」というのが本音ですが、これだけ混雑しているにも関わらず「急がずゆっくりしていって良いんですよ。」って言われているようで、何となく複雑な感じです。確かに、次から次へと来店するお客さんに席を指定することも無く「どうぞお好きな所に。」と言っているので、お客さんを回転させることを最優先には考えていないようです。
ならば遠慮せず、もう1品いただこうかと思い、テーブルの上に置いてあった別のメニューの中から、価格が安いので量も少ないだろうと思った「さしみこんにゃく」をお願いします。

そして時間もかからず登場した「さしみこんにゃく」は・・・。
「どうしよう。鴨も残っているし、最後に蕎麦も食べるんだけど・・・。」
思っていた以上に量が多く、一生懸命食べないと食べ終えない感じです。
その「さしみこんにゃく」を試しにそのまま食べてみると、こんにゃくなので味はほとんど感じませんが、少々ピリ辛の酢味噌を多目にタップリ付けていただくと、とても美味しいです。


良く冷えた出羽桜を飲みながら「さしみこんにゃく」をいただいている最中に午後2時を迎えましたが、お客さんの出入が落ち着き、活気ある空間がゆったりした空間に変わります。
いや~、なんか居心地が良いです。

同時に、「飲むならこれから。」という雰囲気になりましたが、腹も満腹になり始めていたので蕎麦をお願いすることにします。いつもなら迷わず「もり」をお願いするところですが、「信州戸隠より取寄せ大辛み大根・辛みそば」という蕎麦が気になったことから、その「辛みそば」をいただくことにしました。

まずは徳利で提供された蕎麦汁。
カツオ出汁を前面に出している蕎麦汁とは異なり、また、いただく機会の多いキリッとした辛口の蕎麦汁とも異なり、蕎麦をしっかりくぐらせても美味しくいただけそうなマイルドな蕎麦汁で、なかなか美味しいです。

蕎麦は細麺で盛りも良く(量が多い)、見た目も綺麗で食べる前に美味しくいただける気分にしてくれる蕎麦です。
そして早速いただいてみると、誰もが普通に抵抗感無く食べることの出来る「食べやすい」蕎麦という印象です。

最後にいただいた蕎麦湯ですが、そのままいただいても美味しくいただける蕎麦湯で、マイルドな味わいの蕎麦汁との相性も良く、満足感を崩すことなく今日の昼食をしっかり締めてくれる蕎麦湯でした。


さて、満足感タップリで席を立ちましたが、支払いをする時、「たくさん食べていただいて・・・。」なんてお礼まで言われてしまい、単純ではありますが、気分良くお店を後にしました。

今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば処・鶴岡』さんは、以前からその存在を知っていたものの、特に理由も無く足を運んでいなかったお蕎麦屋さんです。しかし、いざ訪れてみると、料理良し、お酒良し、接客はとっても良しの、気取らず飾らずの親しみやすく居心地の良いお蕎麦屋さんで、「もっと早く訪れれば良かった!。」と少々良い意味で後悔を感じさせてくれた町のお蕎麦屋さんでした。

営業時間を確認すると夜8時までとのこと。
今度はぜひ、お客さんの出入の少ないゆったりした時間にのんびり過ごさせていただきたいと思います。

ごちそうさまでした。
腹も気分もとっても満足です。