蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『駕籠町・藪そば@千石』さんの卵入り「わさびいも」

2013-09-21 23:17:46 | 東京23区(文京区)

都営地下鉄三田線・千石駅の真上にある『駕籠町・藪そば』さん。

創業明治13年の「かんだやぶそば」さんから暖簾分けしたお蕎麦屋さんで、「かんだやぶそば」さんを中心として結成されている「藪」一門の暖簾会「藪睦会」(やぶむつみかい)の中でも古いお店とのことです。

ちなみに、「駕籠町」(かごまち)とは昭和41年まで文京区に存在ししていた旧町名で、現在の文京区本駒込になります。また、「駕籠町」という名称は、江戸時代に籠を担ぐ人が住んでいたことに由来するそうです。

『駕籠町・藪そば』さんには開店時間の午前11時半に到着し、暖簾が掛けられていたことから外観の写真を撮り、早速暖簾を潜ってガラガラと引き戸を開けます。
外観はどこにでもありそうなごくごく普通の「町のお蕎麦屋さん」で、店内も堅苦しい雰囲気は無く、気軽にふらりと立ち寄ることのできる「大衆蕎麦屋」といった雰囲気です。

そんな馴染みやすい雰囲気を感じながらテーブルの上に置かれているメニューに目を通します。
メニューは冊子になっておらず、料理の数も限られてはいますが、お蕎麦屋さんは割烹料亭でも居酒屋でもないので、特に問題は無く、かつお蕎麦屋さんらしいメニューと思います。

今回は、そんなメニューの中から「焼鳥」と「わさびいも」を瓶ビールと一緒にお願いします。


汗を拭いながらビールをグッと1杯いただいているうちに運ばれて来た「わさびいも」。
今までは、「砂場で玉子焼」というのがお気に入りの蕎麦前でしたが、いつしかそれに「藪でわさびいも」というのが加わったように思います。

ということで、楽しみにしていた『駕籠町・藪そば』さんの「わさびいも」ですが、鶉の卵と思われる黄身が1つ乗っていて、海苔も多めに振り掛けられています。まぁ、別に問題は無いので、まず海苔の下にある芋をつまんでいただいてみると、「並木藪蕎麦」さんや「吾妻橋やぶそば」さんでいただいた「わさびいも」に比べると「やや柔らかいかな?。」という印象ではありますが、美味しいです。


そして、「わさびいも」を半分程いただいたところで時間が掛かるかな?と思った「焼鳥」の登場です。
「お好みでどうぞ。」と言われて山椒が運ばれてきたので、山椒を振り掛けたり、テーブルに置かれている七味を振り掛けてみたりしながらいただきましたが、お蕎麦屋さんの「焼鳥」はかえしを使ったタレが掛けられているのでそのままでも十分美味しくいただくことが出来るように思います。
なお、お蕎麦屋さんの「焼鳥」は色の濃いトロミのあるタレが掛けられているという印象でしたが、いただいた「焼鳥」は色味も味わいもトロミも控え目な感じです。


さて、お昼時の12時になりましたが、後から来たお客さんは、1人で土曜日限定の「あらびきそば」を食べただけでスッと帰っていった男性1名と、12時少し前に来店した年配の大人3人組(こちらも蕎麦のみを注文)1組のみで、その他にお客さんがいない事から天ぷらでもお願いしてお酒を1本いただこうかと思いましたが、飲み始めたところで昼食を取るサラリーマンが多数訪れると気まずい雰囲気になってしまうので、今日はお酒を頼まず「小柱のかき揚もり」を締めにいただくことにしました。

ちなみに、メニューには「御酒」としか書かれていない日本酒ですが、「菊姫」、「美稲」、「天の戸」という地酒の銘柄が書かれた紙が壁に貼ってあるので、「御酒」以外の日本酒をいただくこともできるようです。また、もう一つ「今月のお勧め」という紙も貼られていましたが、何と書いてあったのか判別できませんでした。

残っていた料理とビールが無くなったところで「小柱のかき揚もり」が運ばれてきました。
まずは湯気の立っている温かい天つゆ兼蕎麦汁。
「藪」らしく辛さの感じられる蕎麦汁ですが、出汁が効いていて美味しいです。
また、麺は「極細麺」という表現を使っても良いかな?と思うほど細い面で、ツルツルッと口の中にすすり入れた時に感じる太さの感覚は記憶に無いほど細いです。
なお、「小柱のかき揚げ」は油っぽくもベタベタ感も無く、まずまずの天婦羅です。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『駕籠町・藪そば』さんは、「木鉢会」と「藪睦会」に所属する歴史のあるお蕎麦屋さんではありますが、外観を見てもお店の中を見ても特別なものは何一つ無く、更には白衣を着たおばちゃん(失礼しました。)が一人で接客に当たっているごくごく普通の「町のお蕎麦屋さん」でした。

きっと、『駕籠町・藪そば』さんは、日頃から蕎麦を食べている多くのお客さんにとっては昔からそこにある少々古めかしい普通のお蕎麦屋さんでしかないのだろうと思いますが、それで良いのだと思います。
いつまでも変わらず、今のままでいてほしいです。

ごちそうさまでした。



最新の画像もっと見る