今、どこ?

日々思いついたことをちょこちょこ書き込む備忘録的な何か。

Borat!

2008年04月14日 | Weblog
週末、旦那の知り合いのカザフ人の自宅へ招かれ、夕食をごちそうになりました。

そこで話題になったのは映画「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」について。

カザフではもちろんこの映画は上映禁止。今まで数人のカザフ人に、この映画を見たことがあるか聞いてみたのですが、みな「ウワサには聞いたことあるけど、実際に見たことはない」ということでした。しかし、この、旦那の知り合いは実際に映画を観たことがあり、非常に憤慨していました。

映画の内容は実に「おバカ」な行動のオンパレード。

中には「ぐえーっ」と思うことをしたりするのですが、実はその中にアメリカに対する非常~にきっつい皮肉とジョークがたっぷり込められているのです。アメリカへの皮肉と批判がテーマの映画なのですが、これの設定がちょっとマズイ。

主人公の「ボラット」はカザフスタン共和国のTVレポーターがカザフスタン情報局の依頼でアメリカの文化を紹介する、という内容。情報局などは存在しないのですが、カザフスタンという実際に存在する国をとりあげ、その中でそこに住む人を非常に馬鹿にした内容のことを言ったりするのです。

アメリカに対する批判とか皮肉なら実在しない国を名乗れば良かったのでしょうが、カザフという実際の国名を使い、それを「サシャ・バロン・コーエン」という「ユダヤ系イギリス人」の俳優がジョークに使ったというのはカザフ人にとっては許せないかも。たとえそれがジョークのわかる人だとしてもちょっとやりすぎの感はぬぐえないでしょう。

ということで、この映画を観た、聞いたことがある、というカザフ人の意見は「カザフを馬鹿にしたひどい映画だ。」の一言です。

しかし、アメリカ生活の長い旦那の主張は、「この映画のテーマは、アメリカへ対するの痛烈な批判だ!」ということ。そこでその夕食会では、「ボラット」について、その内容に対する意見の相違から、旦那と友人とで大バトルが繰り広げられました。

「あーでもない。こーでもない。」と大きな声を張り上げて喧嘩していました。あまりにも雰囲気が険悪になってきたので、私は「このままではまずいなぁ・・・。どうしよっかなあ・・・。もう帰ろうかなあ・・・。」とはらはらしつつも二人のやり取りを見守っていました。

しかし、結局、最後はこういうことに・・・




「でもさー、ほら。なんだかんだ言っても、あの映画のおかげでカザフが有名になったし。ハハハハハ。じゃ、ボラットにかんぱ~い!」

ということで、酔っ払いの喧嘩も幕を引いたのでした。



なんだかな~。

まあ、観た事ない人は一度観てみるといいんじゃないかな~、っと・・・。