糖尿病と診断されて、病院の食事が一変したという。味がなく、食えたものではない、と文句を言う。薬の関係で、口のなかが苦いということもあるのかもしれない。自覚症状がないだけに、美食に慣れた味覚は、不満でいっぱいになる。
そこで、あえて言う。その食べ物を作るのに、どれだけの人の手がかかっているか。何のために、手のかかる「まずい料理」をつくっているのか。どれだけの命をもらっているのか。
そう思えば、素材の味を、感謝の心をもって味わうならば、そこには必ず味があって、「おいしいはずだ。」と説教をたれた。一度目は、聞いている風であった。そして、しばらくしての訪問の際、相変わらず不満の言を繰り返している。
全然入っていない。話を聞いていないのである。忘れているのだろう。そこで、また繰り返した。もう少し丁寧に。相手には、入っていないということを前提にして、そのことを含めて言った。
その当のあいての、連れ合いから、「叱られた」と言ってたと、電話できいた。ああ、入ったのだな、と思った。はたして、その次の時には、もう、食べ物の不満は言わなかった。話題は、そこにはいかない。
本当に味わったら、うまかった、とでも言うようになれば、最高だが、そうは簡単ではないのかもしれない。それでも、ありがたい環境を、あたりまえと考えて、不満を鳴らしている姿は、みっともない。言わなくなっただけでも、よしとするか。
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