世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

リバース・イノベーション

2014年01月27日 | 国際
国や人には誇りがあって然るべきだ。


だが、いつしか誇りが奢りに変わるとき

その誇りがアダ(wastefulness、uselessness、falsehood)となる。


アメリカがそのいい例だ。

アメリカは誇りと奢りの狭間で揺れ続けている。


今、日本もその域に達している。

”Made in Japan” という技術に溺れたのだ。

”Made in Japan”といえば、世界に誇れる響きがある。


家電や自動車、造船技術や道路、トンネル、橋などの製造は世界に誇れるものがある。


ところがいつしか、

”Japan as No,1” という言葉に踊らされ、

お山の大将になってしまった。


情報社会の今、技術は驚く程の速さで世界に流れ

追いつけ追い越せとばかりに新興国が頭角を現した。


追われるものの立場として、

日本は負けじとさらなる技術革新に走る。


そしてあとを振り返った時、

誰もついて来ていない事に気づく。


みんな違う道を走っていたのだ。

日本を横目で見ながら、並行した別の道を走っていた。

あるものは日本を追い越してしまった。



技術力こそ最高と勘違いした日本は併走する他国を尻目に

ますます独自の技術革新に溺れていく。


そしてその度に、世界の流れから取り残されてしまうのだ。


日本の人口が増加し、経済成長の真っ只中にあるときはそれでよかった。

だが、今、人口は減少し、極端な高齢化社会を迎えた。


一度知った甘い蜜の味はなかなか忘れられない。

バブルの夢よ再びと期待する愚か者も後を絶たない。


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日本は目覚めなければならない。

謙虚になって全く違う目線から物事を見なければならない。


薄く、軽く、便利さの追求はほどほどで良いのだ。

日本は多くの革新的情報の多くをアメリカから仕入れてきた。


そして、アメリカより優れた技術やサービスを編み出してきた。

コンビニ然り、ディズニーランド然り。


日本独自のサービス精神でアメリカを抜きん出た。

だが、何事も行き過ぎは禁物だ。


そして、奢りに溺れては本末転倒だろう。



日本人はもっと謙虚になって耳を澄ますべきではないか。

もっともっと世界に目を向けるべきではないだろうか。


一部の日本人はそうしてまだ世界に残っている。

だが、まだほとんどの日本人はぬるま湯に浸かり、

コンフォートゾーンから抜け出そうとはしない。


日本の技術は世界最高だという過去の亡霊にとりつかれたままだ。


ボクはかつて日本をダメにした三要素を上げた。

塾と保育園とパチンコだ。

(この議論は、過去嫌というほどしてきた)



そして今、新たな脅威が日本を席巻している。

それは、


それは、


コンビニだ。

その空間で、生活の大半が完結する。

恐ろしいくらいだ。


コンビニエンスとは便利さを意味する。

人類の進化は便利さの追求にあった。

そして一度手に入れた便利さはもう手放すことができなくなる。


それはアダムとイブ以来一貫して変わらぬ原理だ。


つまり便利さ、快感の裏には苦悩が控えている。

日本人はそこに早く気づくべきだろう。


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話を元に戻そう。


日本は未だ、「良いものは売れる」という「日本神話」に取り憑かれている。


だが、世界の流れは、


「そこそこ良くて、安いもの」が主流となっている。


「日本製品は優れている」 ことは今でも世界中が認めるところだ。


だけど、「高くて無駄が多い」ということも世界の常識となっていることを忘れてはならない。

スマホの機能をどれだけ駆使しているか、

テレビやエアコンの機能を全部使っているか、を考えれば一目瞭然だ。


"Simple is the best" こそが世界の主流なのだ。



日本人は、誇りを保ったままもっと素直に、謙虚になって

物事を考える必要があるのではないか。



世界を旅すれば、不便なことがいっぱいある。

水も電気も道路も整備されていないところがまだいっぱい残されている。


それでも人々は逞(たくま)しく生きている。

必死で生きている。


そこまで戻る必要なないが(また戻れないし)

少しは便利さという無駄を削ぎ落として生きてみないか。


少しは不便さを味わって暮らしてみないか。

世界の声に耳を傾けてみないか。



日本人はあまりに優れた民族であるからして

ややもすると独りよがりに陥ることがある。


それがかつての戦争をもたらしたことは否めない。

今また、いつかきた道を歩もうとしている危険が迫っている。


もっと謙虚に、素直になって世界を見渡してみよう。


そこには日本人が見習うべき姿がある。

日本人が置き忘れた大切なものがあるはずだ。