夜行列車の旅はいやが応でも旅情をそそる。
車窓に流れる灯りを見ていると、自然と涙がこぼれてくる。
しかも一人旅となると、感傷的にならないわけにはいかない。
この延長線上に、ボクの世界一周の旅は待っているのだ。
そう思うとなぜか不安が過(よ)ぎった。
ビールを買い込んで待合室でじっと待つ。
以前、山岳地帯のサパに行くときもここから寝台車に乗ったことがある。
50年ぶりに、そのベトナムのサパに雪が降ったと聞く。
まだまだ列車はオーソドクッスだ。
通路も狭い。
まずは飲まなきゃ。
同室のスエーデンから来た老夫婦。
ベトナムは3度目という。
旅慣れした感じがまたいい。
会話は少ないが、お互いを思いやりながら生きているさまが覗い知れて微笑ましい。
願わくばこういう夫婦でありたかったと思う。
というか、こういう夫婦の形を望んでいたのだ。
だが今はその形と引き変えに、自由を満喫している。
そして、出会いと別れを繰り返しながら、
少しでも誰かの役に立つ足跡さえ残せたらと願う。
珍しく午後7時定刻こ汽車は出た。
しばらく車窓から風景を眺めたあと、
飲んで寝るだけ。
9時頃には消灯となった。
お陰で約9時間ほどぐっすりと眠れた。
フエの町は4度目だが、列車で入るのは初めてだ。
なかなか風情があっていい。
誰も無口で出口へと向かう。
そういえば日本人の姿を見ないなー。
旅を忘れた日本人はどこへ向かおうとしているのか。
いや、引きこもってしまったのかもしれない。
あるいは、羊のようにどこかで群れをなして潜んでいるのだろうか。
駅からホテルまでタクシーで。
このホテルも利用するのは3度目だ。
フロントの主任は相好を崩してボクにこういってくれた。
「えー、あなたのことは覚えていますとも。
あなたはムービースターのようだもの」と。
そして朝早いにもかかわらず部屋に入れてくれた。
しかもグレードアップしてスイートに。
これでは一人で寝るわけにはいかないだろう。
(To be continued)
車窓に流れる灯りを見ていると、自然と涙がこぼれてくる。
しかも一人旅となると、感傷的にならないわけにはいかない。
この延長線上に、ボクの世界一周の旅は待っているのだ。
そう思うとなぜか不安が過(よ)ぎった。
ビールを買い込んで待合室でじっと待つ。
以前、山岳地帯のサパに行くときもここから寝台車に乗ったことがある。
50年ぶりに、そのベトナムのサパに雪が降ったと聞く。
まだまだ列車はオーソドクッスだ。
通路も狭い。
まずは飲まなきゃ。
同室のスエーデンから来た老夫婦。
ベトナムは3度目という。
旅慣れした感じがまたいい。
会話は少ないが、お互いを思いやりながら生きているさまが覗い知れて微笑ましい。
願わくばこういう夫婦でありたかったと思う。
というか、こういう夫婦の形を望んでいたのだ。
だが今はその形と引き変えに、自由を満喫している。
そして、出会いと別れを繰り返しながら、
少しでも誰かの役に立つ足跡さえ残せたらと願う。
珍しく午後7時定刻こ汽車は出た。
しばらく車窓から風景を眺めたあと、
飲んで寝るだけ。
9時頃には消灯となった。
お陰で約9時間ほどぐっすりと眠れた。
フエの町は4度目だが、列車で入るのは初めてだ。
なかなか風情があっていい。
誰も無口で出口へと向かう。
そういえば日本人の姿を見ないなー。
旅を忘れた日本人はどこへ向かおうとしているのか。
いや、引きこもってしまったのかもしれない。
あるいは、羊のようにどこかで群れをなして潜んでいるのだろうか。
駅からホテルまでタクシーで。
このホテルも利用するのは3度目だ。
フロントの主任は相好を崩してボクにこういってくれた。
「えー、あなたのことは覚えていますとも。
あなたはムービースターのようだもの」と。
そして朝早いにもかかわらず部屋に入れてくれた。
しかもグレードアップしてスイートに。
これでは一人で寝るわけにはいかないだろう。
(To be continued)