世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

夜行列車の旅

2014年01月05日 | 
夜行列車の旅はいやが応でも旅情をそそる。

車窓に流れる灯りを見ていると、自然と涙がこぼれてくる。


しかも一人旅となると、感傷的にならないわけにはいかない。


この延長線上に、ボクの世界一周の旅は待っているのだ。

そう思うとなぜか不安が過(よ)ぎった。


ビールを買い込んで待合室でじっと待つ。




以前、山岳地帯のサパに行くときもここから寝台車に乗ったことがある。


50年ぶりに、そのベトナムのサパに雪が降ったと聞く。



まだまだ列車はオーソドクッスだ。



通路も狭い。




まずは飲まなきゃ。


      




同室のスエーデンから来た老夫婦。




ベトナムは3度目という。

旅慣れした感じがまたいい。


会話は少ないが、お互いを思いやりながら生きているさまが覗い知れて微笑ましい。

願わくばこういう夫婦でありたかったと思う。


というか、こういう夫婦の形を望んでいたのだ。


だが今はその形と引き変えに、自由を満喫している。


そして、出会いと別れを繰り返しながら、

少しでも誰かの役に立つ足跡さえ残せたらと願う。




珍しく午後7時定刻こ汽車は出た。

しばらく車窓から風景を眺めたあと、



飲んで寝るだけ。


9時頃には消灯となった。


お陰で約9時間ほどぐっすりと眠れた。



フエの町は4度目だが、列車で入るのは初めてだ。



なかなか風情があっていい。

誰も無口で出口へと向かう。



そういえば日本人の姿を見ないなー。


旅を忘れた日本人はどこへ向かおうとしているのか。

いや、引きこもってしまったのかもしれない。


あるいは、羊のようにどこかで群れをなして潜んでいるのだろうか。






駅からホテルまでタクシーで。


このホテルも利用するのは3度目だ。


フロントの主任は相好を崩してボクにこういってくれた。


「えー、あなたのことは覚えていますとも。

あなたはムービースターのようだもの」と。


そして朝早いにもかかわらず部屋に入れてくれた。

しかもグレードアップしてスイートに。



これでは一人で寝るわけにはいかないだろう。


(To be continued)