デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

サーカスアートコレクション展

2022-05-12 21:09:39 | 観覧雑記帳
六本木ヒルズ52階に、サーカス資料館のコレクションが集合、素敵な展覧会だった。ここに展示された、群馬県東村にあるサーカス資料館に所蔵されているポスターや人形には、いわゆるコレクターが収集だけを目的するものとは違い、館長である西田さんのサーカス愛が込められているように思えてきた。規模は大きいとは言えないが、絵画を中心とした美術館主催のサーカス展と比べて、暖かい雰囲気が漂ってくるのは、ひとつひとつの作品にサーカスを愛する人たちの思いが込められているからなのだろう。中央にサーカスの道具を中心にしたサーカスグッズをまとめる展示の仕方もよかったと思う。中央には大きなスクリーンが設置され、かなりレアなサーカス映像が流されている、これがなかなかの迫力である。椅子などがあれば、ずっと座って見たくなってくる。都会のど真ん中、しかもヒルズの最上階で、こうしたサーカスと出会えるとは・・・素敵な企画である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ルコネサンス

2022-05-12 18:50:45 | 買った本・読んだ本
書名「ルコネサンス」
著者 有吉玉青  出版社 集英社 出版年 2022

家族という縁を見直すこと、それがこの小説のテーマである。父と20数年ぶりに再会したのち、いままで母と祖母という小さな家庭しか知らなかった主人公が、その後結婚、父と夫の家族と繋がるなかで、その関係を見直していく、それが主軸になっている。しかしかつて『虚業成れり』という神彰の評伝を書いた私にとっては、この物語は、神彰が生まれてすぐに別れざるを得なかった愛する娘と出会い、失われた時間を懸命に取り戻し、そして自らの波瀾万丈の生涯を閉じるのを見守ってもらい、人生を終えたという話だった。どうしても神さん(小説の中では陣さん)の目線からこの小説を読まざるを得なかった。そんな長いとはいえないだろうが、神さんと一緒の時間を過ごした玉青さんとの間にあったさまざまな出来事がきっとこの小説の中にも織りこまれていると思う。その中にはもしかしたら神さんの三人目の奥さんとなった女性との間で起こった実話なども入っているのかもしれない。(他に好きな人ができたと神さんのもとを去った妻が、神さんが入院、手術しなければならないときに、病院にやってくる、それをもの凄い勢いで主人公が追い返す場面は、実際あったことではないかかもしれないが、その時の玉青さんの思いがこめられた鬼気せまるものだった)「虚業成れり」を書くときに玉青さんからもいろいろお話を聞かせてもらった。その話の中の神さん、そして娘とツーショットの中の神さんのなんともいえない柔和な、そして幸福そうな姿がとても印象に残っている。人生の晩年で、いままでずっと会えなかった愛娘と一緒に食事したり、旅したことがどれだけ愛おしいものだったか。その愛おしさが伝わってきて、自分は会ってもいない神さんの気持になり、何度も涙を流してしまった。ふたりの娘の父親でもある私には、娘が結婚を許してもらうためにフィアンセを連れて挨拶にくる場面に、思わず自分にもあった同じシーンを重ねて、ほろっとしてしまった。涙を流すたびに、「神さんよかったですね」ともつぶやいていた。
最初、これはもちろん創作ではあると思うが、父と知って陣さんと会っていくうちに、付き合っている恋人にはないものに見出し、恋心にも似たものを抱いていくというところはさすがにどきどきしてしまった。しかしこれは神彰という男の持つ魅力を浮きあがらせるために見事に練られた仕掛けだったと思う。取材するなかで、ひとつわかったこと、それは神さんがとても魅力的な男性であったことである。かつて働いていた女子社員たちや晩年神さんから熊谷守一の書をもらったという女性が、神さんとのことを振り返るときの、あの夢を思い出すような語り口から、どれだけ男として神彰が魅力的だったかが浮かびあがってくる。結婚を半ば約して男性がいた有吉佐和子の心を奪ってしまう、男性として魅力、それを玉青さんも感じたのではないかと思う。
晩年ガンが転移して、鎌倉に転居してからの話も切なかった。取材の最後に神さんが晩年を過ごしたという鎌倉の家を訪ねたことがあった。坂の上にあって、海を望めるところだった。この話をしたら、玉青さんが「あそこに行かれたのですね」と言っておられた。療養していた神さんを見舞いによく通ったとも。
この鎌倉の家に一時的に帰宅して、娘と一緒に桜を見るラストは、号泣ものだった。そして最後にまた出てきたことば、「神さんよかったですね」だった。とうとう愛する娘が、作家の娘が俺のことを書いてくれたか、きっと天国で神さんはそう言っているはずである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

六本木へ

2022-05-12 05:31:52 | デラシネ日誌
冨岡総合公園へウォーキング。あじさい坂のあじさいがずいぶん大きくなり、蕾もでてきた。まもなく咲き始めるだろう。

慌ただしく家を出る。ライオン君小屋の前で寝ていたが、ちょっと心配になってくるようなぐったりした姿。妻がドキドキするよねと言っていたが、まさにそんな感じだった。

六本木のヒルズへ。葉加瀬さんの番組に出演したとき以来になる、あの時はもうコロナ禍であったと思う、一年以上ぶりになるのでは。小一時間お話したことを録音してもらう、あとで編集してもらうとのこと。
せっかくここまで来たので、52階でやっているサーカス展を見に行く。森美術館には来たことがあるが、東京シティービューという観覧コースを見るのは初めて。この前通った明治神宮の森がかなりの大きさであったことにちょっと驚く。サーカス展会場の手前にこんな楽しいインスタ映えするような場所もあった。
サーカス展、楽しかった。懐かしいサーカスに再会できたなのがなにより。阿久根さんの奥さんチカコさんがつくった人形、懐かしかったな。
横浜のポルタで坦々麺を食べてから帰宅。
ライオン君今度は道の真ん中でどこか遠くを見つめていた。声をかけるとしばらく一緒についてきた。

帰宅後、今日配信の記事の最終校正が送られてきたので、その確認。最後の最後で登場していただいた人の名前が間違っていたことに気づきあわてて連絡。その話を妻にすると、「恐い、恐い、自分を信用しちゃダメ」といつも聞かされる話を今日はたっぷりと強い調子で言われる。まったくもって面目ない。
明日の準備、取材を兼ねて50年ぶりに気仙沼に行くことになっている。案内していただくことになっている方と待ち合わせの場所をFAXで確認。荷物をまとめる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カレンダー

2022年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

バックナンバー