ダンポポの種

備忘録です

うちのクラスだけ…

2008年02月23日 22時07分34秒 | 備忘録
西宮で過ごした小学生時代の思い出。

 ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

T小学校に転校して、一年が経過した。
めでたく、私は4年生に進級した。
前年度の3年5組メンバーがそのまま4年5組に進級する形となり、クラスメートには変動がなかった。

4月始業式の日、4年5組の教室には、前年度から慣れ親しんだ〝いつもの顔ぶれ〟がそろっていた。

ただし、担任の先生だけが、交替されることになった。

ほかのクラス(4年1組~4年4組)は、前年度(3年生の時)の担任がそのまま持ち上がったのに、どういうわけか、4年5組だけ担任が交替になった。
クラスメート(児童)の構成は変わらないのに、担任の先生だけが交替される、というのは珍しいことのように思う。先生が産休に入られる場合などは有り得ることだろうが、このときはそういう事情はなく、どうして4年5組だけ先生が交替するのか不可解だった。


とにかく、私のクラスだけ、担任の先生が交替された。
4年5組の新学期(4月)は、クラス全員で新しい先生を迎える、ことから始まった。

『新しい先生は、恐いのかな? 優しいのかな?』

まだ見ぬ先生を想像して、4年5組の児童たちは不安と緊張に包まれていた。
この緊張感を「クラス全員で共有しなければならない」のが、このケースの特徴だろう。
児童も先生もシャッフルされる〝クラス替え〟の場合とはまた異なる、独特な緊張感だった。

新しい先生は、T先生という男の先生だった。

私の場合は、広島時代を含めた小学校6年間で、担任が男の先生だったのはこの年だけである。

この先生は、厳しかった。
児童の感覚で表現するところの〝恐い先生〟に属することは間違いない。

「おまえは、なにをやっとるんだぁ…、バカタレェ!」

が、先生が怒ったときの口癖で、約束を守らなかったり宿題を忘れたりすると確実に注意を受けた。

「なにをやっとるんだぁ…」のあとに一瞬の〝間〟があり、「バカタレェ!」で頭を叩かれる(=落雷)システムだった。この雷は、男女かまわず落とされた。相当な迫力があって、泣き出す子もいた。
当人に非があって、怒られても仕方ない場面だと、児童本人あるいは周囲も納得できていたが、とにかく、叩かれる直前のあの〝間〟は…、恐ろしかった。