ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月19日(金)~21日(日)]

2012-10-23 23:51:49 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 10月20日(土)「毎日新聞」の「悼む」という囲み記事で、映画評論家の松島利行さんが9月5日に亡くなった演出家・瓜生良介さんを悼む一文を寄せていました。瓜生さんは「発見の会」の創立者でもあります。「発見の会」は、→コチラの記事にあるように新しい演劇運動を提唱して設立されたアングラ創造集団ですが、私ヌルボがその名を知ったのは昨年だったか一昨年だったか、1980年代に日本で公開された映画について調べていた時です。松島さんも次のように記しています。
 (瓜生さんは)「韓国では朴正熙政権下で苦しんでいた作家や映画人と連帯し、イ・チャンホ監督の「風吹く良き日」「寡婦の舞」やペ・チャンホ監督の「鯨とり」などのフィルムを持ち帰り、83年ころから自主上映する。わが国での韓国映画劇場公開の突破口となった。」またこの記事には、彼が78年池袋に開いたウリウ治療室での鍼灸整体施療のことも書かれています。そして「発見の会」に集まり、巣立った人たちの名も。田口トモロオ、戸井十月、芝山幹郎等々とともに渋さ知らズもあげられていたのは意外でしたが、ウィキを見てナットク。

 今晩はコリアン・シネマ・ウィークの「合唱 (DureSori)」を韓国文化院で観たあと、六本木ヒルズに急遽移動して東京国際映画祭の「眠れぬ夜」をハシゴ鑑賞。これらについては来週書くかな。

          ★★★ Daumの人気順位(10月23日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①Mac Korea(韓国)  10.0(37)
②SEARCHING FOR SUGAR MAN  9.4(47)
③MBの思い出(韓国)  9.4(215)
④地上の星のように  9.2(130)
⑤ヤコブへの手紙  9.2(30)
⑥おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(234)
⑦フランケンウィニー  8.9(34)
⑧ピエタ(韓国)  8.9(1398)
⑨テイク・ディス・ワルツ  8.6(51)
⑩メリダとおそろしの森  8.6(1166)

 新登場は①と③の2作品。どちらも韓国の、李明博大統領批判のドキュンタリーです。
 ①「Mac Korea」は、投資会社Mac Koreaが投資の過程で特別な恩恵を受けたとの疑惑を扱ったドキュメンタリー。同社が恩恵を受けたとされるのはソウル地下鉄9号線、仁川大橋、仁川空港高速道路、牛眠山トンネル、昌原の馬昌大橋などへの投資。同社は李明博大統領の実兄で、あっせん収賄の罪に問われ目下公判中の李相得前国会議員の息子が一時代表を務めていた会社と関連しているとか。議員、ジャーナリスト、政治評論家の他、売却当事者である公企業の関係者等も証言している、のかな? キャッチコピーは「まさに、利益を得る者が犯人であるということ!」。8月にMac Korea社がこの映画の「上映禁止の仮処分検討」というニュースが流されましたが、そのまま予定通りに上映されています。原題は「맥코리아」。1分ちょっとの短いトレーラーは→コチラ
 ③「MBの思い出」の「MB」とは李明博大統領のこと。「ョンク」だからMBです。昨年グルメ番組の実状を暴露して話題を集めたドキュメンタリー「トゥルーマッ(味)ショー」のキム・ジェファン監督の2本目の作品です。<DAUM映画>の分類では「コメディ」となっていて、予告編(→コチラ)を見ると、たしかに「5年前の約束を確認する精算コメディ」と銘打たれてますが、2007年の大統領選挙当時から今に至るまでの彼の歩みを風刺してたどったドキュメンタリー、なんでしょうね。独立映画専用映画館のインディスペースで上映しています。→コチラの記事によると、4月の全州国際映画祭で上映された時には「会場は立ち見も出る超満員。20代から30代の男女が目立つ」とのことでしたが、この映画の公式サイトを見ると、「座席占有率1位を記録しているのに、上映館の拡大が容易ではない」とあります。原題は「MB의 추억(MBの追憶)」。

【専門家による順位】

①おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
②ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
③少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
④二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑤SEARCHING FOR SUGAR MAN  7.6(3)
⑥テイク・ディス・ワルツ  7.5(6)
⑦メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑧光海、王になった男(韓国)  7.2(8)
⑨ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑩フランケンウィニー  7.0(3)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月19日(金)~21日(日)] ★★★

         「光海、王になった男」6週連続1位、1千万人を超える

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・546,681 ・・・・・・・10,256,460 ・・・・・・・74,497・・・・・・・619
2(新)・・容疑者X(韓国)・・・・・・・・・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・535,778 ・・・・・・・・・・634,296 ・・・・・・・・4,643・・・・・・・553
3(2)・・会社員(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・176,849 ・・・・・・・・・・963,754 ・・・・・・・・7,260・・・・・・・399
4(3)・・LOOPER/ルーパー・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・105,083 ・・・・・・・・・・453,621・・・・・・・・・3,388・・・・・・・302
5(6)・・メリダとおそろしの森・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・・57,888 ・・・・・・・・1,139,054 ・・・・・・・・・8,421・・・・・・・248
6(4)・・占い師たち(韓国) ・・・・・・・・・・・・10/03・・・・・・・・・・・・・・・・・43,836 ・・・・・・・・・・935,822・・・・・・・・・6,613・・・・・・・219
7(33)・・銅雀台(The Assassins) ・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・・39,196 ・・・・・・・・・・・49,133・・・・・・・・・・・352・・・・・・・227
8(5)・・危険な関係(韓国) ・・・・・・・・・・・・10/11 ・・・・・・・・・・・・・・・・38,805 ・・・・・・・・・・255,227・・・・・・・・・1,833・・・・・・・248
9(新)・・Lawless・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・・30,905・・・・・・・・・・・・46,815 ・・・・・・・・・・332・・・・・・・275
10(新)・・INFINITE CONCERT 3D ・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・・25,313・・・・・・・・・・・・31,395 ・・・・・・・・・・325・・・・・・・・84
        SECOND INVASION EVOLUTION THE MOVIE 3D
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「泥棒たち」に続いて「光海、王になった男」も1000万人を超えました。あと100万は上積みされそう、かな?
 今回の新登場は、2・7・9・10位の4作品です。
 2位「容疑者X」は、東野圭吾原作のミステリー。というか、福山雅治、柴咲コウ、堤真一、松雪泰子主演の「容疑者Xの献身」のリメイクというか・・・。コチラは堤真一が演じた役をリュ・スンボム、松雪泰子が演じた役をイ・ヨウォン、そして福山雅治と柴咲コウを1人にして(!?)チョ・ジヌンってことは、物理学者湯川はどうなったの? 原題は「용의자X」。
 7位「銅雀台(The Assassins)」は、「三国志演義」にある216年の曹操暗殺計画を題材にした中国映画。銅雀台とは、魏の曹操が河北省邯鄲市に造営した宮殿です。主演は周潤發(チョウ・ユンファ)か。好きなんだけどこの頃見てないなー。余談。9月26日中国で公開されましたが、例の尖閣諸島問題のため、出演している玉木宏の姿がポスターなどからが削除されたそうです。蛇足。韓国題は「조조-황제의 반란(曹操-皇帝の反乱)」なのですが、「조조(ジョジョ)」という文字を見て私ヌルボ、荒木比呂彦の漫画かと思ってしまいました。(「曹操」と同じ綴り。) 今六本木で「ジョジョ展」開催してるしねー。この映画の日本公開は未定。
 9位「Lawless」は大恐慌下のヴァージニア州が舞台。禁酒法の時代に密造酒を扱った3兄弟と悪徳警察の戦いを描く実話ベースのクライム・サスペンス。主演は「ダークナイト ライジング」のトム・ハーディ。韓国題は「로우리스: 나쁜 영웅들」。日本公開は未定です。
 10位「INFINITE CONCERT SECOND INVASION EVOLUTION THE MOVIE 3D」は、韓国の7人組男性ヴォーカル・ダンスグループINFINITEが4月1日ソウルのオリンピック公園体操競技場で開いたコンサートのドキュメンタリー。あら、9月2日には横浜赤レンガでミニライブ&ハイタッチ会をやってたんですねー。韓国題は「인피니트 콘서트 세컨드 인베이전 에볼루션 더 무비 3D」、長いなー。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・4,422 ・・・・・・・・・・・・323,251 ・・・・・・2,232・・・・・・・・・・27
2(2)・・テイク・ディス・ワルツ ・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・・・4,020 ・・・・・・・・・・・・・37,936 ・・・・・・・・302 ・・・・・・・・・19
3(3)・・愛の沈黙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・2,056 ・・・・・・・・・・・・・10,516 ・・・・・・・・・72・・・・・・・・・・19
4(4)・・SEARCHING FOR SUGAR MAN・・10/11・・・・・・・・・・・・・・1,773・・・・・・・・・・・・・・・9,119 ・・・・・・・・・62・・・・・・・・・・18
5(7)・・エル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/11・・・・・・・・・・・・・・・・・・880・・・・・・・・・・・・・・・3,535 ・・・・・・・・・26・・・・・・・・・・11

 あれれ、また先週の順位と矛盾があるぞ・・・。火曜の17時以降の変更もあるようだなー・・・。
 で、初登場は5位「エル」だけ。フランス・ポーランド・ドイツの合作。フランス版「ELLE」の女性記者アンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、記事のため風俗嬢として働く2人の女子大生を取材するが、予想とは違う彼女たちの生活や意識にアンヌは動揺します。そしてそんな風俗嬢をめぐるアンヌと夫とのやりとり・・・。退屈な生活の中にある日突然訪れた彼女のスキャンダルを介して、現代を生きる30・40代の女性たちの逸脱と欲望の悩みををリアルに描いている、という作品だそうです。観た方が書いた詳しい記事によると、キーワードとして「愛情神話・結婚神話・貞操神話という3つの神話の破滅」と「男が悪い」(!)をあげ、「観た後心に残った衝撃の余韻は、とても大きかった」と記しています。原題は「Elles」、韓国題も「엘르」です。


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2 コメント

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振り返ってみると・・・ (ヌルボ)
2012-10-26 01:36:49
金泳三がYSと呼ばれたのが略称の最初でしょうか。
金大中がDJで・・・。しかし盧武鉉はMHといわれてなかったと思いますが、なぜでしょうね?

しかし今度の大選は間近に迫っているのに混沌とした情勢で、先が読めません。GHかCSかJIか? 誰が当選しても内政も大変なようだし、日本にとってもとくに誰なら良いとも思えないんですけどねー。(日本の国政選挙も、ほとんど選択肢がない状態になってますが・・・。)
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MB (yohnishi)
2012-10-26 01:04:26
李明博には2MBとという略称もありますね。

もちろん、コンピュータのメモリも2GB, 4GB、ハードディスクに至ってはTB単位のものも出ている時代に、おつむに2MBしか積んでいないという、揶揄的な略称かと思いますが。
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