ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国で公開中の映画 <NAVER映画>の人気順位 [3月30日(水)現在] ▶韓国映画「Bカット」=スマホ修理業者によるヒミツの写真など個人情報抜き取り、どこまでリアルなのか?

2022-04-03 23:12:36 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事中で注目の韓国映画は新登場の「Bカット」です。この<Bカット(B컷)>という言葉を私ヌルボ全然知りませんでした。「紙面やポスター等に用いられなかった写真」、いわゆる「NGショット」のことだそうです。そして本作に即して言えば「世間に流出したらマズい写真」のこと。そんな画像がスマホの中に入ってる人はフツーにたくさんいるのでは?と想います。ところがスマホが壊れてしまって修理業者にデータ復旧を依頼したら数日後に「アナタのスマホからちょっとヤバい写真が見つかりましてね・・・」とその写真をネタにゆすられる(?)が・・・、という話なのですが、この設定はどこまで現実味があるのか?私ヌルボよくわかりません。21年9月の韓国MBCのニュース記事(→コチラ.自動翻訳)を見ると<探偵割り(탐정 까기)>という言葉が見出し冒頭にありますが、<探偵取り分>とでも訳すのがベターかも。(※記事本文に<鮎>とあるのは<은어>の同音異義語の<隠語>のこと。) つまり、返却された携帯電話から顧客の秘密の個人情報を引き抜く行為を指す言葉です。それが韓国ではKTの代理店の従業員の間でも公々然のことになっているとか、一部の代理店の従業員はこれを犯罪に使用することもあるとか、対象は主に20代前半の女性だとか・・・、っていったい何なんだ!?(怒)
 ひるがえって日本ではどうなんたろ? これまた全然わからず。どなたかご存知?
 で、本作の場合。壊れたスマホの修理を依頼したのが有名女優で、個人情報というのが彼女の夫の有力な大統領候補で・・・という私事どころか国政をも左右しそうなヤバい写真。三者三様の利害と思惑がからんで・・・というヤヤコシイ話。
 ▶韓国映画以外の注目作はイギリス映画の「アフター・ラヴ」です。後述のようにパキスタン人の夫に突然先立たれることになったイギリス人女性が遺品等から夫にはフランスに隠された家族がいることを知り、フランスに行ってその<彼女>の家を訪ねて自分の知らなかった夫の顔を知って・・・という話。日本でも<第33回東京国際映画祭(2020)>で上映されましたが一般劇場公開はなく、
 本作が長編第1作目というアリーム・カーン監督自身パキスタン人の父とイギリス人の母の間に生まれ、イギリスで生まれ育ちながらも「人種の交わった家庭で育ったために、自分が社会のどこに適合するのかわからなかった。自分自身のアイデンティティについて何かを探りたいというところから着想した」と語っています。そして「私の母は父と生きていくためにイスラム教に改宗した。彼女は白人のムスリムだ。私は自分のアイデンティティとセクシュアリティに葛藤していたし、母もきっと父のためにした選択に葛藤していた。私が19歳くらいだった頃、それらが交錯する瞬間があったと思う」とも・・・。
 世界のボーダーレス化が進む中、こういうアイデンティティの揺らぎの事例が増えていることはフツーに考えられますね。一方で(プーチン氏に限らず)自身の民族的アイデンティティに過剰に固執するのも、そんな世界の趨勢に対する危機感の表れかもしれません。

    ★★★ NAVERの人気順位(3月30日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
 ※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
  「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) Bカット(韓国)  9.46(24)
②(2) SING/シング:ネクストステージ  9.41(2,620)
③(4) 僕のヒーローアカデミア THE MOVIE
       ワールド ヒーローズ ミッション(日本)  9.30(161)
④(3) 劇場版 呪術廻戦 0(日本)  9.28(1,268)
⑤(-) BanG Dream! Episode of Roselia II:Song I am.(日本)  9.18(40)
⑥(-) コーダ あいのうた  9.16(821
⑦(新) BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!(日本)  9.14(28)
⑧(6) 幸せの答え合わせ  9.13(89)
⑨(9) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  8.83(19,799)
⑩(-) BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage(日本)  8.75(89)

 ①⑦の2作品が新登場です。
 ①「Bカット」は韓国の犯罪&アクション。主演は男性アイドルグループ神話のキム・ドンワンです。まず原題の「B컷(Bカット)」の意味なんですが、→<Kpedia>によると「紙面やポスター等に掲載されなかった写真のことをいう。いわゆる「NGショット」「ボツになった写真」のこと」とあります。本作に即していえば「世間に流出したらマズい写真」のことです。
 スマホ修理・データ復旧業者を運営するスンヒョン(キム・ドンワン)は顧客たちのBカット、すなわち隠したくて削除していたデータまで復旧させ脅迫して金を取っています。ある日、一時期最高の女優だったミニョン(チョン・セヒョン)から壊れたスマホの修理を任されますが、その中から見つかったミニョンのBカットには彼女の夫で有力な大統領候補のテサン(キム・ビョンオク)の衝撃的な真実が入っていました・・・。誰かにとっては生きるために必ず公開しなければならず、また 誰かにとっては必ず隠さなければならない大統領候補のスマホ内のBカットがロック解除されることに・・・なるるか否か? 原題は「B컷」です。
 ⑦「BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!」については1つ前の記事でも書いたように、私ヌルボ「書く資格ナシ」なので内容の紹介等スルーしちゃいます。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(2) パワー・オブ・ザ・ドッグ  7.75(4)
③(新) アフター・ラヴ  7.67(3)
④(4) ドント・ルック・アップ  7.60(5)
⑤(5) DUNE/デューン 砂の惑星  7.56(9)
⑥(8) ベルファスト  7.50(10)
⑦(6) リコリス・ピザ  7.43(7)
⑧(3) 8月のエバ  7.40(5)
⑨(7) スペンサー ダイアナの決意  7.38(8)
⑩(9) THE BATMAN-ザ・バットマン-  7.30(10)

 ③「アフター・ラヴ」が新登場です。イギリスのドラマ。<第73回カンヌ国際映画祭(2020)>の批評家週間選出作。<第33回東京国際映画祭(2020)>でも上映されました。
 イギリス人女性メアリー(ジョアンナ・スキャンラン)は愛のために宗教まで変え、すべてを信じてパキスタン人のアーメド(タリッド・アリス)と結婚します。航海士だった夫の突然の死以後、メアリーは悲しみを克服する前に偶然彼の遺品や携帯電話の履歴から彼に隠された家族がいるという秘密を知り、大きな衝撃を受けます。それはフランス人女性ジュヌヴィエーヴ(ナタリー・リシャール)のこと。彼女はアーメドへの愛のために結婚を放棄し、すべてを捧げてきました。
 メアリーはジュヌヴィエーヴに会って真実を明らかにしようとフランスに行き、ジュヌの家を訪ねます。ところが清掃スタッフと勘違いされてしまい、メアリーはそのままそこで働き始めますが、ジュヌヴィエーヴからさまざまな話を聞く中で自分の知らない夫の顔を知ることとなります・・・。韓国題は「사랑 후의 두 여자(愛の後の2人の女性)」です。
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