ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [6月23日(金)~6月25日(日)]

2017-06-28 00:29:55 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶先週22日初めてユナイテッド・シネマお台場に行ってきました。ポン・ジュノ監督の話題作「オクジャ/okja」の「日本では最初にして最後の劇場上映」というプレミア試写会です。考えてみればずいぶんラッキーでした。
 まず、この映画自体については娯楽作品として「一応は」期待通り。ただ、鋭く訴えかけるもの、つきつけてくるものがあったかというと・・・。一般的に、無名の頃小ぢんまりとした作品を作っていた監督がその後評価が高まってくるにつれ資金面に恵まれてきて、人気俳優を起用し、大がかりな作品を手がけるようになるわけですが、そのことは必ずしも<作品性>の向上とは必ずしも関係せず、むしろ初期の作品の方が監督本来の持ち味が出てたなーと思うことがしばしばあります。チャン・イーモウ監督の「古井戸」とかアン・リー監督の「推手」とか。で、ポン・ジュノ監督の場合は「ほえる犬は噛まない」。私ヌルボ、ポン・ジュノ監督にはここらへんでそんな原点に回帰してほしいなという気もします。

▶「オクジャ/okja」をめぐって大きな話題になっているのは、ネット配信と劇場公開の兼ね合いの問題。私ヌルボ個人としては「映画は原則的に映画館で観たい」という旧派の人間なので、この作品のように一般の劇場公開はナシということだと困ります。韓国では一般劇場公開されたアカデミー賞候補作「ヘル・オア・ハイ・ウォーター」はぜひ観たいと思っていたところ、日本では劇場公開がなく、「最後の追跡」という邦題になってNetflixでしか観られないとはすごく残念。結局観ていません。そういえば、米仏に別々に海外養子に出されていた韓国人姉妹の奇跡のような再会を扱ったドキュメンタリー「双子物語」もNetflix限定だったな。(→関係記事。)
 とはいうものの、「映画のストリーミング配信は劇場公開開始から36カ月後とする」というフランスの規定も期間が長すぎるような気がします。
 また、この作品を観て思ったのは、ポン・ジュノ監督はネット配信による家庭でのディスプレイではなく、逆に大スクリーンを念頭に置いて撮ったのでは?ということ。その当否は別として、今後ネット配信が比重を増すと、映画の撮り方・作り方にも影響が出てくるかも、と思いました。

▶映画上映の前のイベントでポン・ジュノ監督、主演のアン・ソヒョンが登場。そして特別ゲストとして香川照之、続いて子役の小林星蘭も登壇。イベントの概容や香川照之とポン・ジュノ監督との縁については→コチラ参照。それにしても香川のトークは達者。監督でなく自分が主役になっちゃう手前の寸止めレベル。
 なお、この作品についての<連合ニュース>のインタビュー記事は→コチラ

▶韓国映画「殺人の告白」(2013年日本公開)はなかなかおもしろかったという印象があります。そのリメイク版の「22年目の告白-私が殺人犯です-」が観客動員数3週連続1位。「殺人の告白」は事件から15年後。その他、違いもいろいろあるようですが、ストーリーの骨格は共通・・・ってまだ観てません。近日中に観に行くとするか。

         ★★★ NAVERの人気順位(6月27日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) 謝罪[アポロジー]  9.54(123)
②(-) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.50(228)
③(3) 風の踊り手(韓国)  9.50(34)
④(1) マリアンヌとマーガレット(韓国)  9.48(81)
⑤(4) 吾輩は猫である(韓国)  9.45(160)
⑥(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.43(212)
⑦(5) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.24(498)
⑧(9) ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣  9.15(632)
⑨(10) パレードへようこそ  9.07(197)
⑩(8) 従妹(韓国)  9.05(57)

 今回の新登場作品はありません。

     【記者・評論家による順位】
             
①(1) 風の踊り手(韓国)  10.00(1)
②(3) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(4) エル ELLE  8.00(8)
④(-) 謝罪[アポロジー]  7.33(3)
⑤(-) 君の名は。(日本)  7.17(6)
⑤(7) ゲット・アウト  7.17(6)
⑦(-) エイリアン:コヴェナント  7.13(8)
⑧(9) ネルーダ  7.00(5)
⑨(10) 沈黙-サイレンス  7.00(4)
⑨(10) 吾輩は猫である(韓国)  7.00(4)

 コチラのランキングも新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月23日(金)~6月25日(日) ★★★

         日本では8月公開の「トランスフォーマー/最後の騎士王」が校長な出足で1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・トランスフォーマー ・・・・・・・・・6/21 ・・・・・・・・・1,265,952・・・・・・・・・1,750,480・・・・・・・・14,655 ・・・・・・・1,727
        /最後の騎士王
2(2)・・一日(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・6/15・・・・・・・・・・・226,489 ・・・・・・・・・・・989,117・・・・・・・・・8,016 ・・・・・・・・・666
3(1)・・ザ・マミー/呪われた砂漠の王女・・6/06・・・・・161,894 ・・・・・・・・・3,562,375・・・・・・・・29,550 ・・・・・・・・・591
4(3)・・悪女(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・6/08・・・・・・・・・・・・95,453 ・・・・・・・・・1,127,462 ・・・・・・・・・9,132 ・・・・・・・・・465
5(64)・・ザ・サークル ・・・・・・・・・・・・・・6/22・・・・・・・・・・・・38,687 ・・・・・・・・・・・・50,118・・・・・・・・・・・420 ・・・・・・・・・169
6(5)・・盧武鉉です(韓国) ・・・・・・・・・・5/25・・・・・・・・・・・・36,353・・・・・・・・・・1,798,025・・・・・・・・14,149 ・・・・・・・・・300
7(4)・・ワンダーウーマン・・・・・・・・・・・5/31・・・・・・・・・・・・23,526・・・・・・・・・・2,141,539・・・・・・・・17,291 ・・・・・・・・・168
8(新)・・フィッシュテイルズ ・・・・・・・・・6/22 ・・・・・・・・・・・21,153・・・・・・・・・・・・・22,351・・・・・・・・・・・173・・・・・・・・・・163
9(新)・・ホーンテッド・サイト ・・・・・・・・6/22 ・・・・・・・・・・・20,242・・・・・・・・・・・・・28,960・・・・・・・・・・・239・・・・・・・・・・271
10(8)・・リチャード・ザ・ストーク ・・・・・6/15 ・・・・・・・・・・・18,978・・・・・・・・・・・・・55,524・・・・・・・・・・・417・・・・・・・・・・158
        飛べないワタリドリ
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」は案の定2週連続トップが関の山でした。代わって1位は日本より1ヵ月あまり早く公開の「トランスフォーマー/最後の騎士王」。今年これまでトップに立ったアメリカ映画中でも数字的には上々のレベル。しかしネチズンの平均評点は目下のところ6.72止まりだし、これまた中ヒットがいいところか?
 今回の新登場は1・5・8・9位の4作品です。
 1位「トランスフォーマー/最後の騎士王」は、大ヒットSFアクションシリーズの第5作。トランスフォーマーと人類との1000年に及ぶ歴史のすべてが明かされていく・・・とのことですが、「“新3部作”の第1弾として登場」ということはまだまだ続くということか。日本公開は8月4日で、→公式サイトで予告編観ましたがすごいすごい(笑)。韓国題は「트랜스포머: 최후의 기사」です。
 5位「ザ・サークル」はデイブ・エガーズの同名小説(早川書房刊)が原作のアメリカの社会派SFスリラー。誰もがうらやむ神のような職場で、世界最大のソーシャルメディア企業<サークル>に就職して夢一杯のメイ(エマ・ワトソン)は、すべてのものを共有する透明な社会を作ろうとするCEOのイーモン(トム・ハンクス)の哲学に魅了されます。全世界で2億人に24時間、自分を生中継するプログラムに志願した彼女は、誰もが注目するSNSスターとして浮上し、サークルの中心人物で成功街道を走り始めます。一方、メイの選択は周囲の人々の生活に予期せぬ影響を及ぼし、開発者タイ(ジョン・ボヤーガ)は、彼女を訪ねてサークルが隠しているシステムの危険性について警告しますが・・・。この社名はあの巨大検索サイトと似ているのは決して偶然ではないですよね。(採用面接で奇妙な質問をするのも・・・。) 韓国題は「더 서클」。日本公開は年内。
 8位「フィッシュテイルズ」(仮)はアメリカのアニメ。深い海の中の世界。明るく賢いアンコウのエンジー、内気なフグのポポ、トラブルメーカーのタコのオーリーは好奇心いっぱいでかくれんぼ好きななかよし仲間。ところがある日恐ろしいサメが出現し、遊んでいたはずのオーリーが消えてしまいます。オーリーを救うため、勇敢なエイのレイの助けを受けて一緒に広い海の中を冒険に出る仲間たち。のろのろウミガメにゆらゆらクラゲ、色とりどりのサンゴに何千年も眠っている宝物船まで・・・。果たして彼らは初めての冒険の中で仲間を見つけて無事帰ってこられるでしょうか? 韓国題は「언더더씨」。日本公開は未定というか不明というか・・・。
 9位「ホーンテッド・サイト」はアメリカのホラー。監督はあの「ソウ」シリーズのダーレン・リン・バウズマン監督で、日本ではヒューマントラストシネマ渋谷等で開催の<未体験ゾーンの映画たち2017>で上映されました。理由不明の連続殺人で姉と甥を惨殺された不動産記者ジュリア(ジェシカ・ロウンズ)は、証拠不足で事件が迷宮入りした後、1人で調査を開始します。事件があった姉の家を訪れた彼女は、殺人現場の部屋が丸ごと消えてしまったことにショックを受けます。なんと他の殺人事件の現場もまた同様でした。殺人現場のみを収集する誰かがいる!? 彼女はやがて深い森の中にある奇妙な屋敷へとたどり着きます。そこは殺人現場を延々と繋げて作られた邪悪な場所でした。そしてその屋敷に待ち受けていたものは・・・。韓国題は「다크 하우스(ダーク・ハウス)」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(31)・・ザ・サークル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/22 ・・・・・・・・・・・38,687 ・・・・・・・・・・・50,118・・・・・・・・・・・・・420・・・・・・・・・169
2(2)・・リチャード・ザ・ストーク ・・・・・・・・・・6/15 ・・・・・・・・・・・18,978 ・・・・・・・・・・・55,524・・・・・・・・・・・・・417・・・・・・・・・158
        飛べないワタリドリ
3(53)・・子ブタ ベイブの大冒険・・・・・・・・・6/15 ・・・・・・・・・・・・8,384 ・・・・・・・・・・・33,606・・・・・・・・・・・・・236・・・・・・・・・119
4(1)・・大魚とベゴニア・・・・・・・・・・・・・・・・・6/15 ・・・・・・・・・・・・3,071 ・・・・・・・・・・・56,062 ・・・・・・・・・・・・・432・・・・・・・・・・55
5(4)・・続・深夜食堂(日本)・・・・・・・・・・・・・6/08 ・・・・・・・・・・・・2,613 ・・・・・・・・・・・44,291 ・・・・・・・・・・・・・348・・・・・・・・・・25

 今回の新登場は1位「ザ・サークル」だけですが、この作品については上述しました。
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