ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [3月31日(金)~4月2日(日)]

2017-04-04 22:26:16 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 昨夜、懸案だった「ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン」を観てきました。韓国でも日本でも観た人の評価はずいぶん高く、<ぴあ映画生活>では15人の平均評点は95点。韓国の<NAVER映画>でも平均9.45です。私ヌルボも「しちめんどうくさいこと」を考えなければ、これらの高評価も十分うなずけると思いました。音楽も大がかりなダンス等も魅力的で、たとえば「ラ・ラ・ランド」と比べても料金の差(一律2500円)はむしろ妥当なところです。俳優ではなんといっても17歳でヒロイン役に抜擢されたエバ・ノブルザダがとてもチャーミングで伸びのある声も◎。アメリカ生まれとのことですが、エンジニアという狂言回し的役柄を達者に演じたジョン・ジョン・ブリオネスとともにフィリピン系とのこと。また準主役級のベトナム人男性トゥイ役が韓国人ミュージカル俳優のスター的存在ホン・グァンホ。(→参考記事。) <NAVER映画>では彼に対する賛辞で溢れています。ただ、その役柄を準主役でなく主役に据えて物語をアタマの中で再構成するとずいぶん違った作品になることは間違いなし。つまり、「しちめんどうくさいこと」の領域になるわけですが、<ウィキペディア>の「ミス・サイゴン」の項目(→コチラ)にも記されているような「オリエンタリズム、人種および女性差別」等の問題。兵士(とくに外国人)と現地の売春婦との恋愛や、その間の子供のこととなると、もちろん例の慰安婦問題とも関わってくるし、またご都合主義的とはいえアメリカ側の「良心」らしきものもないではないし等々と考えると、何が何だかわからなくなってしまいます。(笑)

 さて、3時間一律2500円の「ミス・サイゴン」を観た次は、4時間一律2200円の「牯嶺街少年殺人事件」を観なくては・・・。
    
「朝鮮日報」3月31日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「怒り」
  各瞬間が極限かつ絶頂 ★★★★
 「ミス・スローン」
  毒蛇の如くハトの如く ★★★
 「ゴースト・イン・ザ・シェル」
  哲学を脱し現在を纏う ★★★
 「ワンライン」
  「タチャ」を「未生」風に描く ★★☆
 このリストの4作品はすべて下の記事中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(4月4日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(2) 謝罪  9.59(87)
②(3) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.45(207)
③(-) 僕たちの家に帰ろう  9.44(9)
④(4) ヒドゥン・フィギュアズ  9.40(1,663)
⑤(-) ミス・スローン  9.38(183)
⑥(1) 隠れ家に戻る  9.38(26)
⑦(7) わたしは、ダニエル・ブレイク  9.24(1,459)
⑧(8) ウィークエンド(韓国)  9.23(164)
⑨(9) ハクソー・リッジ  9.21(2,155)
⑩(10)LION/ライオン ~25年目のただいま~  9.10(634)

 今回の新登場③と⑤の2作品です。
 ③「僕たちの家に帰ろう」は中国映画。日本では2015年に公開されています。韓国題は「리버 로드」です。
 ⑤「ミス・スローン」については後述します。

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) わたしは、ダニエル・ブレイク  8.40(15)
②(2) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(3) ムーンライト  7.83(6)
③(3) 夜に海岸で独り(韓国)  7.83(6)
⑤(5) マンチェスター・バイ・ザ・シー  7.75(8)
⑥(6) ジョン・ウィック チャプター2  7.67(3)
⑦(7) ありがとう、トニ・エルドマン  7,63(8)
⑧(9) 謝罪  7.33(3)
⑨(10) LOGAN/ローガン  7.29(7)
⑩(-) ズッキーニと呼ばれて  7.25(4)

 今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月31日(金)~4月2日(日) ★★★

         「美女と野獣」が3週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・美女と野獣・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/16・・・・・・・・・・・651,884 ・・・・・・・・・・4,095,805 ・・・・・・・33,726・・・・・・・1,123
2(2)・・プリズン(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・3/23・・・・・・・・・・・513,872 ・・・・・・・・・・2,214,687 ・・・・・・・17,996 ・・・・・・・・906
3(新)・・ゴースト・イン・ザ・シェル・・・・・3/29・・・・・・・・・・・392,297・・・・・・・・・・・・569,695・・・・・・・・・4,708 ・・・・・・・・806
4(15)・・ワンライン(韓国)・・・・・・・・・・・・3/29・・・・・・・・・・・197,237・・・・・・・・・・・・290,971・・・・・・・・・2,225 ・・・・・・・・588
5(4)・・ヒドゥン・フィギュアズ・・・・・・・・・3/23 ・・・・・・・・・・・・78,588・・・・・・・・・・・・287,201・・・・・・・・・2,289 ・・・・・・・・351
6(3)・・普通の人(韓国) ・・・・・・・・・・・・・3/23 ・・・・・・・・・・・・36,575・・・・・・・・・・・・366,013・・・・・・・・・2,833 ・・・・・・・・389
7(42)・・デスノート・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/29 ・・・・・・・・・・・・13,750・・・・・・・・・・・・・22,822・・・・・・・・・・・175 ・・・・・・・・290
        Light up the NEW world(日本)
8(78)・・ミス・スローン ・・・・・・・・・・・・・・3/29 ・・・・・・・・・・・・12,533・・・・・・・・・・・・・22,194・・・・・・・・・・・173・・・・・・・・・104
9(9)・・子豚3兄弟とマジックランプ ・・3/23 ・・・・・・・・・・・・・8,070 ・・・・・・・・・・・・・22,930・・・・・・・・・・・180 ・・・・・・・・・90
10(8)・・夜の海辺で独り(韓国)・・・・・・3/23 ・・・・・・・・・・・・・7,991 ・・・・・・・・・・・・・40,514・・・・・・・・・・・313 ・・・・・・・・・71
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 このところ、これというような注目すべき韓国映画は見当たらないような・・・。今後の公開予定作では万年課長お父さんと女子高生の娘の体が入れ替わる(!)というコメディ「パパは娘」(4/12~)の前評判が高いようです。あるいはチェ・ミンシク主演の「特別市民」とか。→関連記事)
 今回の新登場は3・4・7・8位の4作品です。
 3位「ゴースト・イン・ザ・シェル」はアメリカのアクション、といっても、あの「攻殻機動隊」の実写映画化作品で、主演はスカーレット・ヨハンソン。荒巻大輔役でビートたけしが共演しているとか。日本でも4月7日公開で、諸情報が流されているので委細省略。韓国題は「원라인」です。
 4位「ワンライン」は韓国の犯罪ドラマ。平凡な大学生だったミンジェ(イム・シワン)は、すべてのことを偽って銀行からお金を引き出す別名「作業貸出」系の伝説のベテラン・チャン課長に会って、業界の新星として生まれ変わります。幻の「ケミ(케미)」=化学反応的チームワークを誇り、金という金をすべてかっさらう5人の新型犯罪詐欺団でしたが、決してお互いを信じられない詐欺師たちは、徐々に異なる内心を見せていきます・・・。原題は「원라인」です。
 7位「デスノート Light up the NEW world」は、人気シリーズの、第何作目? 私ヌルボ、この原作漫画が登場するかなり前から「週刊少年ジャンプ」から遠ざかってるし、TVドラマ&アニメも映画も見てないから直接的には何も知らず現在に至っているのでコメントはパスするしかありません。韓国題は「데스노트:더 뉴 월드」です。
 8位「ミス・スローン」は、アメリカのドラマ&スリラー。勝率100%を誇るロビイストのエリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は、銃規制法案で国全体が騒々しい中で、自分の信念に基づいて、皆が放棄した戦いに飛び込むことになります。勝利のためなら手段と方法を選ばない彼女は優れた戦略で巨大権力に立ち向かいますが、同時に、自分と周りの人すべてを危険に陥れることになってしまいます・・・。今一つ具体的な内容が見えてきませんが、彼女は「銃規制法を通そうとする強力なロビー団体と対峙する」という立場?? は「미스 슬로운」。日本公開は今年秋です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(32)・・ミス・スローン・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/29 ・・・・・・・・・・・12,533・・・・・・・・・・・・22,194 ・・・・・・・・・・・・173 ・・・・・・・・104
2(1)・・夜の海辺で独り(韓国) ・・・・・・・・・・3/23・・・・・・・・・・・・・7,991・・・・・・・・・・・・40,514 ・・・・・・・・・・・・313 ・・・・・・・・・71
3(32)・・怒り(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/30・・・・・・・・・・・・・5,962・・・・・・・・・・・・・9,775 ・・・・・・・・・・・・・79 ・・・・・・・・・97
4(4)・・湯を沸かすほどの熱い愛(日本)・・3/23 ・・・・・・・・・・・・3,033・・・・・・・・・・・・16,313 ・・・・・・・・・・・・128 ・・・・・・・・・43
5(3)・・カエル王国2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/23・・・・・・・・・・・・2,824 ・・・・・・・・・・・・13,979 ・・・・・・・・・・・・・98 ・・・・・・・・・60

 1・3位の2作品が今回の新登場です。
 1位「ミス・スローン」については上述しました。
 3位「怒り」は昨年の日本映画中の話題作でありヒット作ですが、ヌルボは見逃し続けて観ずじまい。今週中(~7日)早稲田松竹でやってるのか。観に行くかな? 朝鮮日報の10字評でも高評価だしなー。韓国題は「분노(憤怒)」です。
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