ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[4月19日(金)~21日(日)]

2013-04-23 23:17:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 今、この監督の作品なら観るゾ、と決めているのが邦画だと中島哲也と内田けんじ、洋画ではイーストウッド、ポランスキー、クストリッツァ、アン・リー、そして今日観てきたケン・ローチ。その「天使の分け前」の上映館の銀座テアトルシネマはいつも以上に込んでいて、14:30の回なのにほとんど満席。
 この銀座テアトルシネマは、館内の見た感じもラインナップも客層も上品なフンイキで、私ヌルボとしては居心地の良さとその逆という相反する印象を共に抱いてきた映画館です。しかし5月一杯で閉館。この込みようは往年のファンがどっと来てるのかな? 私ヌルボの隣席は品の良いオバサマ3人連れ、「セデック・バレ」とか「愛、アムール」等の話題に続いて、この映画館の「1987~2013 27年の軌跡」というパンフを見ながら過去に観た映画のお話。「「さよなら子供たち」は良かったわねー」とか、そして「「せいべんせい」も良かったなー」。
 ん? そうか、「風の丘を越えて/西便制」か。歴代興行収入ランクで9位になってるんですね。94年6月25日公開、ということはヌルボもここで観たのか? うーむ、思い出せない。もしかして、このオバサマ方も19年前ここで同じ映画を観ていたかも・・・。
   
 あ、韓国映画で必ず観るゾの監督はポン・ジュノ。当たり前すぎか。イム・スルレ監督は3作観てハズレなしなので今後も期待。キム・ギドクへの期待度は「まあね」レベルですが、今日予告編ではじめて「嘆きのピエタ」の予告編を観ました。これは予告編としては上出来だと思います。物語はよくわからないのにドキドキ感があります。音楽もなんか「深い」です。
 実はこの予告編、4月8日にYouTubeにupされていたんですね。(→コチラ。) 知らんかったわ。公開日は6月、渋谷のル・シネマ。何日かは未定、のようです。

          ★★★ Daumの人気順位(4月23日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①レオン 9.4(568)
②パパロッティ(韓国)  9.3(1513)
③シュガーマン 奇跡に愛された男  9.2(130)
④チスル – 終わらない歳月 2(韓国)  9.2(490)
⑤アンコール!!  9.2(183)
⑥砂が流れる川(韓国)  9.1(22)
⑦かぞくのくに(日本)  9.1(67)
⑧偽りなき者  9.1(174)
⑨カルテット!人生のオペラハウス  9.1(35)
⑩ビューティフル・ミス・ジン(韓国)  9.0(20)

 新登場は⑤「アンコール!!」だけです。病身の妻に代わって合唱団に参加した気難しい初老の男が、さまざまな出来事を通して人生の新たなスタートを切る姿を描いたイギリス映画です。涙あり笑いありの人情味あふれる物語に加え、劇中で合唱団が歌うシンディ・ローパーやビリー・ジョエル等々のヒット曲(もうナツメロか・・・)も大きな魅力、とのことです。韓国題は原題そのままの「송 포 유(ソング・フォー・ユー)」。日本公開は6月28日です。

【専門家による順位】

①チスル – 終わらない歳月 2(韓国)  9.0(5)
②愛、アムール  8.7(7)
③ホーリー・モーターズ  8.7(4)
④ジャンゴ 繋がれざる者 7.8(7)
④テイク・シェルター  7.8(7)
⑥リンカーン  7.7(8)
⑦シュガーマン 奇跡に愛された男  7.7(4)
⑧ストーカー  7.6(6)
⑨偽らざる者  7.6(3)
⑩かぞくのくに  7.4(5)

 ⑤「テイク・シェルター」だけが新登場です。日本では2012年3月公開されました。それほど話題にならなかったと思いますが・・・。ヌルボも未見。韓国題は「테이크 쉘터」。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月19日(金)~21日(日)] ★★★

         「オブリビオン」が2週連続1位。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・オブリビオン・・・・・・・・・・・・・・・・・4/11 ・・・・・・・・・・・・・366,997・・・・・・・・・・1,204,421 ・・・・・・・・8,976・・・・・・・563
2(2)・・伝説の拳(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/10 ・・・・・・・・・・・・・334,587・・・・・・・・・・1,243,292 ・・・・・・・・9,200・・・・・・・638
3(3)・・ランニングマン(韓国) ・・・・・・・・・4/04 ・・・・・・・・・・・・・143,619・・・・・・・・・・1,280,107 ・・・・・・・・9,107・・・・・・・331
4(新)・・ノリゲ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・4/18 ・・・・・・・・・・・・・・80,337 ・・・・・・・・・・・103,691・・・・・・・・・・776・・・・・・・278
5(新)・・アンコール!! ・・・・・・・・・・・・・・・・4/18・・・・・・・・・・・・・・・79,218 ・・・・・・・・・・・・94,669・・・・・・・・・・684・・・・・・・317
6(17)・・ローマでアモーレ ・・・・・・・・・・・4/18・・・・・・・・・・・・・・・47,169 ・・・・・・・・・・・・60,540・・・・・・・・・・458・・・・・・・201
7(新)・・ビューティフル・クリーチャーズ・・4/18 ・・・・・・・・・・・・・47,055 ・・・・・・・・・・・・56,897・・・・・・・・・・407・・・・・・・278
8(4)・・G.I.ジョー バック2リベンジ・・・・・3/28・・・・・・・・・・・・・・・26,597・・・・・・・・・・1,842,434 ・・・・・・・14,360・・・・・・・214
9(5)・・恋愛の温度(韓国)・・・・・・・・・・・・3/21・・・・・・・・・・・・・・・23,673・・・・・・・・・・1,847,778 ・・・・・・・13,681・・・・・・・165
10(7)・・プロディ・ザ・ポリスカー・・・・・・・4/11・・・・・・・・・・・・・・・18,885 ・・・・・・・・・・・・50,617 ・・・・・・・・・・335・・・・・・・175
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「オブリビオン」が連続1位、といっても、人数自体はなんということのない数字です。新登場もどれも今ひとつ。たまたま端境期なのかな?
 今回の新登場は4・5・6・7位の4作品だす。
 4位「ノリゲ」は、原題「노리개」の音読。意味は「慰み者」なんですけどねー。各記事であえて訳さず音読のままにしているのは「慰み者」だとちょっと抵抗があるから? この映画は、2009年自殺した女優チャン・ジャヨンをめぐる「性上納」事件(→コチラ参照)を題材に、芸能界の性接待の問題を扱った社会悪を告発する作品で、その点「トガニ」と共通するところがあります。事件の真実を追及するのは熱血記者(マ・ドンソク)と女性検事(イ・スンヨン)ですが、肝心の「ノリゲ」とされる女優(ミン・ジヒョン)役は断った女優も少なからずいたとか・・・。しかし、あの事件は真相がよくわからないまま幕が引かれてしまいましたが、真相やその後の状況はどうなっているのでしょうか? 今後の展開は、どうも「トガニ」のようにはいかないかもなー・・・。
 5位「アンコール!!」については上述しました。
 6位「ローマでアモーレ」は、ウディ・アレン監督によるラブコメ。アメリカ・スペイン・イタリアの合作ですが、ほぼ全編がローマで撮影され、さまざまなローマ人の生活を客観的に映した恋愛群像劇。監督自身もアメリカから来た元オペラ演出家約で出演しています。観光名所もいろいろ映されているとか。日本公開は6月8日で、公式サイトも当然できてます。(→コチラ。) 韓国題は「로마 위드 러브(ローマ・ウィズ・ラブ)。
 7位「ビューティフル・クリーチャーズ」はカミ・ガルシア&マーガレット・ストールによる同名ファンタジー小説(日本語未訳)の映画化。アメリカ南部の小さな町に住む高校生イーサンは転校生の少女レナと親しくなるが、彼女の家系は呪いに支配されていて、一族の少女が16歳になると隠されていた恐ろしい力が覚醒されるという宿命を背負っているのです。恐ろしい力といっても、Witch(魔女)ではなくて、念じるだけで気象や植物を操ったりできるCasterというのだそうです。2人は周囲の反対を押しきってその呪いを解こうとするのですが・・・。韓国題は「뷰티풀 크리처스」、日本公開は未定です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・チスル - 終わらない歳月 2(韓国) ・・3/21 ・・・・・・・・・・・・5,314・・・・・・・・・・・・・122,360 ・・・・・・・・・850・・・・・・・・・・69
2(18)・・公正な社会(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・4/18・・・・・・・・・・・・・3,083 ・・・・・・・・・・・・・・・5,359 ・・・・・・・・・・36・・・・・・・・・・36
3(新)・・テイク・シェルター ・・・・・・・・・・・・・・・4/18・・・・・・・・・・・・・1,136 ・・・・・・・・・・・・・・・1,654 ・・・・・・・・・・12・・・・・・・・・・17
4(2)・・ホーリー・モーターズ・・・・・・・・・・・・・・4/04・・・・・・・・・・・・・1,061 ・・・・・・・・・・・・・・14,441 ・・・・・・・・・112・・・・・・・・・・22
5(3)・・ベルセルク 黄金時代篇III 降臨(日本)・・4/11 ・・・・・・・・・・・970 ・・・・・・・・・・・・・・・5,594 ・・・・・・・・・・42・・・・・・・・・・13

 2・3位が新登場です。
 2位「公正な社会」は犯罪映画。「アジュマ(おばさん)」(チャン・ヨンナム)は保険会社に勤めながら10歳の娘を女手一つで育てています。ところが帰宅が遅れたある日、娘は帰って来ませんでした。警察に駆け込んでもただの家出だとつき返されてしまいます。娘は2日後に傷だらけで帰ってきます。性暴行を受けて・・・。捜査は行われますが、、担当刑事は手続き上の問題を並べてさらに過酷な精神的苦痛を娘に与えます。別居中の歯科医である夫は、自身の名誉に傷が付くことを恐れて事件をひた隠しにします。しかし「アジュマ」はそんな困難や妨害を乗り越え、40日間の追跡の末直接犯人を捜し出して捕まえるのです。この映画も実話を元に作られたということです。ひどい事件が、何度となく繰り返されています。「韓国ほどひどくない」からと、韓国を貶めるほど日本も「立派」ではいえません。ただ、先の「ノリゲ」同様、韓国社会の醜い一面を追及した映画が作られるということは、ようやくこれまでのような「泣き寝入り」はもうごめんだ!という時代になってきた、と肯定的に捉えていいのでしょうか? 主演のチャン・ヨンナムはノーギャラ出演を買ってでたそうです。原題は「공정사회」。
 3位「テイク・シェルター」は上述しました。