ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

[最近の韓国語の新語・流行語①]シャネル+財テク →<シャテク>

2012-01-27 23:41:48 | 韓国語あれこれ
 一昨日久しぶりに横浜市立図書館で「朝鮮日報」のまとめ読み、といっても、1月19~21日の3日分だけで2時間近くかかってしまいました。そして今日はその続きの25・26日の分を読むのにやはり1時間以上。
 22日は韓国紙は日曜休刊。23~24日は旧正月の連休のため、3日連続で休刊になりました。

 私ヌルボのような昭和の人間にとっては、やっぱり紙の新聞の方がインターネットよりも自然に読めます。そして新聞を読んでいて、よく目にとびこんでくるのが新語・流行語。この5日分の紙面だけでもいくつもありました。その中からいくつか紹介します。

 今回は샤테크(シャテク)という言葉。
 샤넬(シャネル)」재테크(ジェテク.財テク)の合成語です。ネット検索すると、昨年5月頃から見られるようになった言葉のようです。

 あ、「재테크(財テク)」の方はもっと前からよく使われています。日本の1980年代の新語「財テク」がそのまま韓国に入ってきたもので、<radioseoulkorea>中の記事によると、1990年代後半から韓国のメディアで、突然乱用されるようになった言葉ということです。これもふつうの辞書には載っていないし、また新語といえるかもしれませんね。日本語に由来する言葉ということを知らない韓国人も多いようです。

 さて、なぜシャネルと財テクが結びつくのかというと、1月20日の記事「シャネルにとっては・・・韓国はホントにいい国」という記事(韓国語)を読めばわかります。
 →日本語版の同記事。コチラの見出しは「韓国の消費者はシャネルの「カモ」!?」

 下の数字が示すように、韓国では近年シャネルのバッグの価格が急激に高騰しています。

       
    【日本ではいくらくらいするのかな? 20万円? 全然ブランド品には疎いヌルボ・・・ 】

 2009年に入って為替レートが1ユーロ=1700ウォン台に上がった際引き上げられた価格が、1ユーロ1400ウォン台まで下がった今もさらに高くなっている理由は、高くても売れるから。一部の富裕層や女性は、結婚のための必須アイテムだと言って「'묻지마'식 소비 행태」を見せているとのことです。
※日本語版では「'묻지마'식 소비 행태(「訊くな」式の消費行態)」を「問答無用の消費スタイル」と訳しています。この묻지마というのもいろんなところで用いられるおもしろい言葉です。2002年
「ムッチマ・ファミリー」というオムニバス・コメディ映画が公開されました。リンク先のシネマコリアの説明文中に「不倫旅行のことを、「その関係を聞かないで」という意味で「ムッチマ旅行(묻지마 여행)」と呼んでいる」と書かれていますね。この語については、ALCの<辞書にない韓国語>も参照されたし。

 上記の「朝鮮日報」の記事は、「1年に数回の価格を上げるシャネルも問題だが、虚栄心のために合理的な購入ができない消費者が、より根本的な問題」という業界関係者の言葉でこの記事は結ばれています。
 さらに21日付のコラム「萬物相」では「명품백이 뭐길래」と題して関連記事を載せています。韓国ではブランド品のことを명품(銘品)といいます。「ブランド品のバッグがなんで」。
 日本語版の同記事は→コチラ。見出しは「ブランド品中毒」となっています。

 これらの記事を読むと、上記のように価格が高騰していく中、購入して何年か後に中古市場に出しても差益を受け取ることができるということで財テクの手段となるということのようですね。すなわちシャネルで財テク、すなわちシャテクなんですね。
 また、それとともに女性の「ブランド品中毒」をオジサンっぽい筆致で指摘している点はやっぱり「萬物相」らしいところです。

 ※この「萬物相」の記事中に「昨年、あるデパートに入店したシャネルが、オープン初日に4億6千万ウォン(約3120万円)の売り上げを記録した。オープン初日の売り上げとしては、全世界のシャネルの中でも記録的な金額となった」とあります。
この「あるデパート」というのはソウル・新世界百貨店江南店のこと。そこのシャネルがオープンしたのが7月。
 ところがその後11月17日の「聯合通信」は、「ユニクロが1月11日にソウルの明洞にオープンした明洞中央店の初日の売上高が20億ウォン(約1億3500万円)に上り、1日の売上高としては、上記のシャネル新世界百貨店江南店を抜いて韓国内の衣料品店の中で最高記録となった」と伝えています。