投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 1月14日(月)18時34分48秒
>筆綾丸さん
アンローダー、いいですよね。
何故あんな複雑な形状をしているのか、未だに理解できないのですが。
>『表徴の帝国』
私、一時期、猪瀬直樹にちょっと凝っていて、『天皇の影法師』『ミカドの肖像』『土地の神話』『昭和16年夏の敗戦』など、初期の作品はけっこう読んでいます。
『土地の神話』に少し疑問を抱いたことがあって、返信など全く期待せずに出版社宛てにかなり失礼な文面の手紙を送ったら、ご本人直筆の丁寧な葉書が来て驚いたこともあります。
そして、この人は幅広く取材源を確保するために地味な努力を重ねているんだなと感心もしました。
そういうマメさは政治家にも向いているんでしょうね。
猪瀬氏はロラン・バルトの皇居=空虚な中心の話が好きで、いろんな作品に引用していますが、元ネタの『表象の帝国』自体が雑な旅行記ですから、あまり有難がる必要もないように思いますね。
※筆綾丸さんの以下の投稿へのレスです。
無と空と零 2013/01/14(月) 13:29:43
小太郎さん
http://www.shinchosha.co.jp/book/111707/アンローダー(揚炭機)の写真から吉村昭『陸奥爆沈』を思い浮かべ、戦艦陸奥の艦橋が柱島泊地で引き揚げられているような錯覚にとらわれました。
http://www.inose.gr.jp/news/post520/http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%A8%E5%BE%B4%E3%81%AE%E5%B8%9D%E5%9B%BD過日、テレビを見ていると、猪瀬知事がロンドンの記者会見で、ロラン・バルト『表徴の帝国』を引用して、東京の中心には皇居という無がある、と言っていたので、ちょっと驚きました。バルトは、le palais impérial de Tokyo qui est un centre vacant と、vacant という単語を使っていますが、知事の公式サイトによれば、無(rien,néant)と空虚(vacance)は同義のようですね。バルトの真意はよくわかりませんが。
通訳者が「無」をどう訳したのか不明ながら、ロンドンの記者団が『表徴の帝国』を知っているとも思えず、?というような妙な雰囲気になったのではないか、という気がします。会場がロンドンではなくパリなら、ああ、なるほどね、となったかもしれません。
オリンピックを招致するのに、東京の中心は皇居という無だ、などという宣伝文句は、知事の衒学趣味はともかく、はたして有効なんだろうか、と疑問に思いました。無からブラックホールをイメージして、東京は止めたほうがいい、となるんじゃないか。
ロンドン・オリンピックでは、女王陛下が007にエスコートされてメイン・スタジアムにあらわれるというシーンがありましたが、天皇を代々木スタジアムにエスコートするのは、無か空か零か、はたまた、ニンジャかサムライかピカチュウか。