キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ミシュランガイド東京

2008年01月15日 | Weblog
ミシュランガイド東京の売れ行きが好調で売り切れ続出、時代遅れの私としても事食に関する書籍については一応押さえておくのが通例のため、伊勢佐木町有隣堂で初版二刷を昨年暮にどうにか入手し、デスクの後ろの本棚に飾っておきました。手に入れると内容を見ずに安心してしまう何時もの悪癖で、業界の友人知人から三ッ星レストランのあれこれについて聞かれると、いい加減に応えていたのですが、これほど反響が大きいとずっといい加減いしておくことも出来ないなあと、昨日山本益博さんの“「3つ星ガイド」をガイドする”を平塚の書店で見つけざっと目を通してみました。

山本さんは青森の取引先がディナーパーティーを行なった席で、イチローについての講演をされ、その後津軽三味線を聴きながら郷土料理をご一緒した事が有ります。朝から晩までハイカロリーの高級料理を食されているにしては小柄な方で、何処からその力が出てくるのだろうかと恐れ入った次第です。

著書を読んでみますと世界中のこれといったレストランをお若い頃から長い間食べ歩き、フランス、スペイン、イタリアのヨーロッパから、アメリカ、中国まで美味いといわれるレストランを制覇し、すきやばし次郎の著書もあるとおり、寿司和食にまで造詣が深く、特にミッシェラン東京で和食レストランに星がつく事を切に要望されております。事実、すきやばし次郎、水谷、神田、小十、濱田屋と五件のお店が三ッ星となりました。フランス人シェフのロブション、ロオジエに加えて日本人フレンチシェフの岸田周三さんのカンテサンスが三ッ星になった事も画期的で、パリの平松宏之さん、吉野建さん、ニースの三浦賢彦さんが一つ星ですから、三段跳びの快挙という事らしいです。

フレンチについて山本さんがマスコミ御用達有名フレンチシェフに対して苦言を呈しているのは、料理にエスプリや哲学が無い事で、私それほどこの業界に詳しくも無く、もちろんビンボーでマスコミ御用達有名フレンチシェフがものする料理を食した事もございませんが、フランスで1980年代に一つ星を獲得した中村勝宏さんの料理でディナーパーティーをした折、白ワインから赤ワインへと流れるステレオタイプのワインの流れに、白赤白赤という捻りを加えて料理を合わせていただいた事があり、エスプリとはこの事かと感心した事がございます。ちなみにカンテサンスは山本さんが二つ星に適うと予想したお店ですから、その上を行った岸田周三さんはエスプリの権化といった方なのかもしれません。美味しい料理に加えて驚きが想定されるわけですから、胃の腑と脳に刺激を与えるため、今から三ッ星貯金を始めることにいたします。この狂乱の時期が過ぎれば予約も可能になり、貯金も満期を迎える事でしょう。
コメント
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