キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

誤読

2008年01月13日 | Weblog
翻訳物の文章で疲れたので、「雪国あそび」に帰って国産文学者の文章を楽しみました。やはり文章に色香が漂い脳の違う部分が働いている感じがします。どちらかというとこの脳の部分が良くつかっている所とみえ、疲れませんが、論理的なことを組み立ててゆくときに使う脳は使い慣れていないせいか疲れるし早く飽きが来ます。まあ訓練によってシナプスの電気信号の速さが増し、同時に有効回路の発見が早くなるものと思われますので、徐々に訓練する事にいたします。

雪国は主人公の島村がヒロインの芸者駒子と、閉ざされた雪国の高半という旅館の二階の一室でしっぽりと情を交わす物語で、芸者と二人炬燵に入って差しつ差されつ雪見酒、酒がこの情交を盛り立てる一つの道具になっているとばかり思っていたのですが、この島村酒が行けない口と分り驚きました。そう指摘されて見ると、酔っ払った駒子が島村の部屋にやってきて酔いを醒ますことが多かったのかもしれません。三十年間ぐらい勘違いをしておりました。

ことはこれですめば良いのですが、私にとってのこの三十年は大きな意味があり、現在では望むべくもありませんが、私が若い頃には駒子のような芸者は少なくなっていたとはいえ存在し、出来得れば島村のような目に合ってみたいものだと思っておりました。私としては随分色々な機会に、芸者に勧められ杯を重ねつつ幸運が転がり込んでくるのを待っていたのですが、そのやり方はまったく間違っていて、芸者に杯を勧め先方が酔ってこちらに転がり込んで来るのを待たなければいけなかったのです。どうりで長い間待っても芸者が部屋に転がり込んでくる事は無く、酔っ払った同輩が転がり込んで来るのが関の山だったわけです。書物は正確に読まないといけません。







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