裏磐梯 秋元湖にほど近い森の中から・・・

裏磐梯の森の中の家、薪ストーブ、庭、山、酒、音楽を愛する独居老人の日常生活の記録、綴り続ける備忘録。

 

田渕義雄氏

2020年03月25日 | 若き日の思い出

1月30日死去された彼について一度はどうしても書かねばならない。

できるだけ簡潔に、と思うものの、とりとめなく書いてしまうこと、お許しあれ。

初めて彼を知ったのはごま書房の新書。『車で楽しむファミリーキャンプ』

容易くインスパイヤーされた私はすぐ『フライフィッシング教書』という本を買った。

当時、彼は既に『アウト・オブ・ライフ入門』という書籍も出版しており、世はバブル、その反動的アウトドアブーム、黎明期。

時勢に乗りベストセラー、テレビのモーニングショーにも出演するほどの時の人になっていた。

私は何故かそのベストセラーを買う気になれなかった。その後発行された月刊誌、『BE-PAL』も一度も読んだことがない。

なぜか?世の流れに乗る、時代に擦り寄る、マジョリティーに属してしまうのが嫌、ということなのか。

彼も同じ方向を向く人間、彼の出版物が彼の意に反し、勝手に流れに乗ってしまった、という独断的思いがあった。

近年彼の出版物を目にすることが極端に少なくなった。彼の意志なのか推し量れぬが、出版が彼の生業の一つ。彼とて仙人では過ごせぬ。

時は過ぎゆき、下界の人種が変わり、思想が変わり、潮流が変わり、価値観が変わり、諸々変わり、が、ブレず、変わらずは彼の思想、人生哲学。

川上村の彼の家を見ず知らずの人間が勝手に訪問したり、彼のアルカディアを訪ねる団体旅行如き企画を目にするたび、

長年の時を費やし、築き上げてきたアルカディアに安易にドカドカと踏み込んでくる、ジレンマ、彼の心中はいかに、と想像する。

私は彼が川上村に住み始めてから一度たりとて足を踏み入れたことはない。そこは近づいてはならぬ聖地と思っているから。

彼の根本思想、聖地での生活から生まれる瞑想、思想、彼から発せられるメッセイジ(書籍を買うこと)をじっと待てばいい。

彼の信奉者ならそれが礼儀というもの。

田渕義雄氏のプロフィールで知れる、 fireside森からの便りから引用

(1944年東京生まれ。作家。1982年、八ヶ岳に程近い金峰山北麓の山里に居を移し、作家活動を続ける。

自給自足的田園生活を実践して孤立無援をおそれず、自分らしく生きたいと願う人々に幅広い支持を得ている。

また園芸家、薪ストーブ研究家、家具製作者でもある)

40年以上前の最後のファミリーキャンプは田淵氏が家を建てる前、川上村、彼が年中キャンプしていた、最も愛してた場所だろう、ところで。

そして朝食は彼推薦のトースターでトースト。多分子供たちもてい覚えていることだろう。

その後、彼がBE-PALに連載した随筆をまとめた単行本、森からの手紙を読み、益々宮使いが嫌になった。

思わぬチャンスが訪れ、家族を説得し、1991年、孤立無援をおそれず、転職、転居した。

フライロッドを握り始めたのは無論のことであた。店の名前は迷いなくCurtis Creek。

当時はまだこの名前を使った企業、店名はなかったと思う。

語りたいことたくさんあれど、もうその彼はこの世にいない。

老人の取り留めない話、やめよう、長話になってしまった。

いずれにせよ、語る私自信、彼を追ってあの世に行く日もそう遠くない。

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