冬型にもどり、気温が下がり始めている、夕方から雪、夕食後、薪ストーブ前でグレンリベットを啜りながら
久しぶり『山のパンセ』を読んでいる、外気温-7°c、偶然「穂高」が出てくる、井上靖の『氷壁』の新聞連載が終わり、
単行本が出版されたころのことが書かれている(1962年7月とある、出版5年後だろうか)
「穂高を知らない人が山によく行くという人に向かって、小坂が落ちたあそこを登ったことがありますかと尋ねる、
軽蔑されては一大事と、ついついあんなところは簡単に登ったと言ってしまう、
こういうことから前穂東壁は実際以上に多くの人たちによって登られた・・・」(山のパンセ、穂高)
氷壁を読み、魚津、小坂、そして私も八代美那子に、小坂かおるに憧れ、東壁に登らなければならない、
との思いに至った若き日、そのための訓練に岸壁に挑む、だが、いつも岸壁を前に怖気、克服する勇気がない、
と言って一緒に励んだ後輩、大野にトップは譲れない、手始めに北岳、バットレスを登ろう、
という計画はそんなことから頓挫、1月の一般ルート北岳で終わった、大野は意気地なしの私から去っていった、
そんなほろ苦い若き日の思い出にしたりながら・・・