裏磐梯 秋元湖にほど近い森の中から・・・

裏磐梯の森の中の家、薪ストーブ、庭、山、酒、音楽を愛する独居老人の日常生活の記録、綴り続ける備忘録。

 

ミヤマオダマキ

2014年03月23日 | 若き日の思い出

しつこい春の雪が昼過ぎやっと止んだ。

雲間から強い春の日差し、一週間ほど前に福島の園芸店で買った窓辺のミヤマオダマキが花開く。

咲いた花は純白、見つけた瞬間、うれしさのあまりよく見ないで選んでしまった。

すぐに青花を買いに行くことになるだろう。

庭にはいろいろの種類の園芸種のオダマキがある。だがいずれもミヤマオダマキの美しさには遠く及ばない。

この花には強い思い入れがある、忘れがたき遠い日の思い出がある。

私のもっとも愛する山、白馬岳。信州、越中、越後側から、その頂に立った回数は数え切れない。

社会人になってからの休暇は3日、山中2泊がやっと。夏休みは決まって白馬、雪倉、朝日岳のコースを歩いていた。

そんな中のいつの日か、霧の深い日があった。大雪渓を登りきった時、霧に見え隠れする杓子菱目指し、そのまま直登してしまおう、そんな気分になる。

霧の流れる中に展開した天上のお花畑、どこまで続くか、広大、今までに出会ったことのない美しき高嶺の花々、夢心地、まさに天国をさまよい歩いている思い・・・

霧にまぎれて不法に迷い込んだお花畑、とりわけ美しい一叢、それがミヤマオダマキの一叢だった・・・

40年、白馬岳に登っていない、花々咲き乱れる初夏、今年は是非と思う。

白馬岳から旭岳裾野を回り込み、ダイレクトに長池を目指して彷徨う。それは山々に囲まれた信じられないほど見事な秘密の花園を彷徨うということだ、そしてコマクサ咲き乱れる雪倉岳。

夕暮れの朝日岳、日本海に沈む太陽、浮かぶ漁火のきらめき、薄暗いランプの灯火の下、薪ストーブを囲み寡黙にウイスキーを啜る。

そんな世界、今でもあるだろうか・・・

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