五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

日の名残りを再度観る

2017年11月02日 | 第2章 五感と体感


ラ・トゥール 銅版画

日の名残りを再度観る   2017年11月2日

本日は、死者の日。
ハロウィンは、日本でいえば、お盆のようなものです。10月31日にあの世からの死者をお迎えし、11月2日は、静かに死者を想い祈ります。ミサの中でメメントモリ「死を想う」日でもありましょう。

今日は死を胸に留め、心を鎮めた一日を過ごしたいものです。

さて、昨日映画「日の名残り」を再度借りて観ました。今年のノーベル文学賞受賞者カズオ・イシグロの小説「日の名残り」を映画化したものです。
アンソニー・ホプキンズが主役で、イギリスの貴族の屋敷に仕える執事を演じています。
同じく屋敷に仕えるエマ・トンプソンとの対照的な心情を1936年あたりからおそよ20数年間の時を超えた二つの時間を照らし合わせながら話が進んでいきます。



映画を見終えて、ノーベル文学賞を受賞した意味を、改めて感じ取ることができました。
日本で、受賞後の話題が薄いことに、日本の現状が映し出されている事にも気づき、今まで忠実な執事と豊かな心情を大事にする同僚の物語の中に第二次世界大戦のときに起こっていたドイツとの関係を観方を変えて巧みに表現しているのです。
小説を読んでいないので、これ以上語ることはできませんが、この時期にノーベル文学賞を受賞したことは、大きく深い意味があるのだと頷いたのです。
ノーベル賞が、紳士を貫き通していることを流石だとも思いました。

日本での話題が薄い事には、何か意味があるのかしら。
と、昨今の日本社会の事象を心巡らしつつ、それが搾取でないことを祈るばかりです。

名優アンソニー・ホプキンズの演ずる執事が、家族のようにお付き合いしているスロベニア人のK神父さんの表情と喋り方がたいそう似ている事に気付き、とても嬉しい気分になりながら彼の紡ぐセリフを聴いたのでした。
待降節に入ったら、ケーキを持って修道院を訪ねよう、と、思った秋の夜長でありました。

カズオ・イシグロの小説をちゃんと読まなくては。。。

////

2017年公開講座のご案内

ユースフルライフ研究所


11月7日 鎌倉腰越講座


NPOキュール東急セミナーBE講座

10月27日10:30~12:30たまプラーザ校
11月17日13:30~15:30雪谷校
11月24日10:30~12:30たまプラーザ校


(NPOキュール会報もしくは東急セミナーBEのホームページをご覧ください)





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする