五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

表現と開放「蔡國強展」

2015年07月21日 | 第2章 五感と体感
表現と開放「蔡國強展」2015年7月21日

横浜美術館にて10月まで開催されている展覧会「蔡國強展」を観覧しました。
久しぶりに骨太のアートを堪能。
横浜美術館のために制作された春夏秋冬については、熟していない物足りなさを感じましたが、美術館内で火薬を使い制作した過程の映像は大変見ごたえのあるもので、インスタレーションとしての完成度は高いものだと思います。
撫でるような、核の見えないふわふわした表現の多い昨今、物足りないものを感じていたのですが、久しぶりに身を糺すようなアートを体感させていただきました。
東西ドイツの隠喩を表現したオオカミの連鎖性のある作品は、20代の頃に私自身が体感してきたアートの再現の様な興奮を覚え、自分自身を育ててきた環境は、まさにこれだったのだ、と、懐古的ではありますが、自分の中にある審美の本質に触れたような体感を得たのです。

文章を書くにしても形で表現するにしても、自分の内とその表現にギャップがあることで表現の焦点付けがされてゆくわけですが、表現が体感的に満たされるものであれば、それは自分の内から外への開放と結び付いてゆきます。
そんな表現をしたいと願いながらも、他者の作品を自分の開放のためにアテにしていることへの限界を感じている中、蔡國強の核の強さに惹かれるものを感じました。
今の自分には、このくらい強いものが必要なのかもしれませんし、そういうものを欲している自分が内に存在しているのかもしれません。

与えられているものに入る、というのではなく、表現が自らを動かす、というような感覚の面白さをも久しぶりに体感した展覧会でした。
横浜美術館の本気度も感じ、嬉しくもありました。

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