五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

源氏物語 御法(みのり)

2015年02月17日 | 第2章 五感と体感
某講座で、源氏物語の中で、誰が一番孤独だった?という問い掛けを話題に進めるための準備をしています。
数週間つらつらと源氏物語を想い浮かべていましたが、何と言っても一番孤独っぽいのは光源氏です。でも、それでは面白くありません。皆さんが解っていることですので。

私自身、源氏物語の中で一番好きなのが「御法(みのり)」です。この帖の主人公は「紫上」。鞍馬寺に預けられていた紫上は、光源氏が自ら育てたいと申し出て、幼い頃から光源氏を父と思い、いつしか妻となり、諸々の孤独な思いを重ねながら人生を過ごします。
六条の御息所の怨霊事件以来、思わしくない体調の中で、紫上は自ら法要を行います。それが、或る意味、生前葬とも思える内容で描かれています。尼になりたいと光源氏に申し出ても、彼の独占欲が先行し、常に却下される中での決断でした。
それから暫くして、明石君と光源氏に見守られて命を閉じるのです。

切ない内容なのですが、紫上の自己実現を思うと、彼女にとっての悔いの無い人生が、この御法の帖に表現されているように思います。

孤独感の中から生まれた最大限の自己表現が法要によって成された素敵な帖なのです。

この帖によって、紫上に想い描いていた抑圧的な切なさが読み手の私自身すっきりとした気持になったことを未だに覚えています。

そのようなわけで、2月18日の某講座の私の役目はそんな話題を提供して愉しみたいと思い巡らしています。


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