Hindmarsh Stadium は日本サッカーにとっては鬼門なのかもしれない。2000年シドニー五輪のアメリカ戦、2006年の FIFA Women’s World Cup アジア地区予選。そして今回の Asia Champions League……
別に鹿島のサポーターでは無いがやはりここまで来てこの試合を観戦出来なかったのは残念だった。商用で豪州を巡回中だったが生憎9月20日から見本市の準備やら出展参加でこの試合のあった日は Melbourne に滞在中。ちょっと抜け出して…..と言う距離ではなかった………
キックオフは現地時間午後7時半。 Melbourne は+30分なので午後8時だ。ありがたい事にホテルは FOX SPORTS が映ったのでテレビ観戦が出来た。キックオフ前から中継は始まっており Vidmar 監督に続いて鹿島のオリヴェイラ監督のインタビューが。地元局向けなので英語でインタビューに答えている。小笠原の離脱に就いてまっさきに尋ねられたが “昨シーズンも小笠原抜きで試合をしたことがある….” と答えていた。 インタビューが終わってもアナウンサーも解説者も小笠原の離脱の話をしていた。そして注意すべき選手として FW マルキーニョス、DF中田、内田そして本山を挙げていた。中田浩二、本山は The 1st Leg には出場していない。そして二人ともシドニー五輪時にここを訪れている。本山は最後まで出番が無く当時何故トルシエ監督は本山を入れなかったのか….と物議を醸した。でも小笠原がいないのは厳しかっただろうな…. 鹿島のサポーター席には“小笠原の分まで”と大きく書かれたのぼりを持つ人も。遠路はるばる訪れたサポーター達は選手達の力になったに違いない………
鹿島のスタメンは GK 曽我端、CBに岩政と大岩で左サイドに中田浩二が入り右サイドに北京五輪メンバーの内田。大岩は9月20日の柏戦に伊野波に替って途中交代出場しこの試合はそのままCBに入り中田浩二が新井場に替って左サイドに入った。ボランチには青木と本山。 MF は右に中後雅喜が左にはダニーロが起用された。中後は20日の柏戦、負傷した小笠原に替って投入されそのままこの試合のスタメンに。 FWはマルキーニョスと興梠。目下Jリーグ得点王争いを独走するマルキーニョスのマークに就いて Vidmar 監督はどういう指示を出したのだろう?興梠は惜しくも北京五輪には選ばれなかったが7月20日の横浜FM戦から9月13日の川崎F戦までスタメン出場。そして柏戦は78分にマルシーニョに替って途中出場だった。
一方の Adelaide United 4日前の Sydney FC 戦に出場した選手途中出場選手を含めてもGK Galekovic DF Sasa Agostino, MF Cassio Kristiano Sarkies そして FW の Paul Neid の5人のみ。アウェーでの鹿島戦からは MF Pantelis Lukas とBarbiero Fabiano のMF選手を二人下げ Sarkies と Cassio がスタメン起用された。 GK Galekovic, DFは4バックで左サイドが Scot Jamieson , 2005年FIFA U-17 ペルー大会では3試合に出場。右サイドバックは Robert Cornthwaite あの痛恨のオウンゴールを献上した選手だ。A-League デビューイヤァーから Adelaide United に所属する選手、昨年のACL にも出場した。北京五輪予選にも選ばれはしたが最終予選では出場機会が無かった。CBはAgostino と Angelo Constanzo。Constanzo もA-League 発足時から Adelaide の選手。既に32歳で代表経歴もある。ボランチ、と言うよりも CHFには Sarkies と ブラジル人のDiego。今年のACLの浦項スティーラーズ戦では貴重な決勝ゴールを決めた。2列目左サイドには Cassio。Sydney FC 戦では左サイドバックを務めたが本来はここのポジション。右は Travis Dodd 。彼も A-League 発足時から Adelaide の選手。昨シーズンは21試合すべてにスタメン出場。技術の高い要注意選手だ。 FWは Paul Reid と Paul Agostino Agostino は Adelaide 生まれの33歳のベテラン選手。昨年より Adelaide United 入りしたがそれまでは 1860 Munchen に所属。1991年 FIFA U-17 イタリア大会、1993年 FIFA U-20 オーストラリア大会そしてアテネ五輪にも出場し 2001年のワールドカップ予選のウルグアイ戦にも出場した経歴がある。 Adelaide 出身や A-League 発足時代から Adelaide の選手が多く、ACL のタイトルには他の A-League チームに負けないくらい意気込みが高いかもしれない。でもこうやってみると私は鹿島のサポーターでは無いので Adelaide の選手達の方がよく解かるなぁ…….
試合はキックオフ直後から鹿島サポーターの大声援がよく聞こえる。Jリーグデビューイヤー、ジーコ、アルシド、黒崎、本田、大野・・彼らもサポーター達の大声援に何度も勇気づけられたことだろう…….しかしピッチ上ではAdelaide が押し込む展開が続く。1分には早くもAgostino の中央突破で崩され抜け出してフリーになったDodd に渡るがここは中田浩二がカバー。4分、5分と連続して右サイドにスルーパスを入れられピンチを招く。6分にはまたも右サイドを崩され Agostino がゴール前に迫るがここは大岩がマークにはいる。鹿島は8分にようやく中後からのロブに興梠が走り込んでそのままボレーシュートを放つテクニックを見せて鹿島サポーター達を沸かせる。しかし9分には今度は左サイドを突破され Cassio が入れたクロスに Agostino が走り込むがここは中田浩二が体を入れたので Agostino のシュートはファーポストの右に外れて行った。8分56秒にテレビに映し出されたボールポゼッションは Adelaide 62 に対し鹿島 38 。10分を過ぎると“Very Very Impressive until 10 minutes “ とアナウンサーが叫ぶ。それだけAdelaide が押しまくる展開だった。だが11分30秒、鹿島が決定的なチャンスを創る。カウンターから本山がドリブルで中央を上がり右サイドを攻撃参加した内田に。そして内田から中央から走り込んだ興梠に渡りGKと1対1でシュートを放つ。さぁ先制ゴールと思ったが興梠のシュートは Galenkovic にナイスセーブで阻まれた。ゴール裏に陣取るAdelaide サポーター達からは大歓声が……..
その後はまたも Adelaide の攻勢が目立つ。16分55秒、 Diego からのスルーパスが左サイドを上がった Cassiaに渡りドリブルで突破し中にセンタリングを送る。そこには走り込んだDodd がフリーになっていた、マークに戻る中田浩二ははるか後方。しかし Dodd はそのゴロのセンタリングを空振り、逆サイドにボールは流れ折り返されるがヘッドに飛んだ Dodd の位置はオフサイドだった。試合開始から20分程度を過ぎてもスコアレスであったが両チームのゴール前でのシーンが多くまた決定的なチャンスも1度ずつ。それにスタンドのサポーター達も自軍の攻撃シーンで歓声が沸きその大歓声がシンクロナイズドし国際試合の雰囲気を一気に盛り上げる。アナウンサーも Very entertaining game !! と表現。 20分56秒。またも Adelaide が決定的な好機を掴む。Dodd が右サイドを中田浩二、大岩をかわしてドリブル突破。そしてゴール前に走り込みフリーになった Agostino にゴロのセンタリングが送られるがまたも空振り。逆サイドに流れたボールを今度は Sarkies が中に折り返すが青木がクリアーでピンチを逃れた。2度の決定機をミスしてくれたので鹿島に幸運があると思ったがこの試合はスコアレスでは Adelaide が準決勝に進出する事となる。鹿島にとってはまず1点が欲しい試合であった。 Adelaide は右の Cassio 左のDodd 両サイドのMFがよく上がってくるそして最終ラインの押し上げも早くコンパクトに前線と最終ラインを保っているのでこぼれ球を拾いやすく常に数的優位を造れている。そして中田浩二が振り切られるシーンが目立つのが気になる。
こうなるとマルキーニョス、興梠の2トップのテクニック頼りか?? 35分にはダニーロが左サイドを突破しクロスを上げると Adelaide DF にそのクロスが当たりマルキーニョスの足もとに。Cornthwaite をかわして放ったシュートは大きくクロスバーを越え、42分40秒には本山のドリブル突破、 Constanzo, Ognenovski の間を走り抜けた興梠にボールが渡るがシュートを放つ前に Cornthwaite が戻ってマーク。前半はスコアレスのまま終わった。
Stats が映し出されたがボールポゼッションは Adelaide が46 に対し鹿島が54 となっており10分以降支配率は鹿島がかなり挽回した事になるが決定機の多かった Adelaide の方が優勢だった様な印象の残る前半であった。
エンドが変わった後半、最初に交代カードを切ったのは Adelaide ベンチ。 Agostino に替って4日前にSydney戦で1トップを務めた Cristiano が投入される。彼のキープ力を生かす方策か? その Cristiano は63分に鹿島PA付近でドリブル突破、岩政をかわして放ったシュートは鹿島ゴールネットを揺らしたが岩政をかわす前に大岩を押してファールのホイッスルが既に吹かれておりこの Cristiano のプレーに対してイエローカードが提示された。鹿島ベンチも62分10秒に本山に替えて野沢拓也を投入。テレビのアナウンサーに Zico Academy 出身と紹介されるがよく調べているなぁ…. と思った。 野沢は柏戦ではスタメン出場を果たしたが18節の横浜FM戦からスタメンを外れて途中出場でプレーする程度だった。丁度興梠と入れ替わる様に……野沢の投入でフォーメーションが特に中後の位置がどうなるのかと思っていると65分17秒 Diego からボールを受けた Cassio が左サイドを突破、内田をかわしてGK曽我端の位置をよく見て中に走り込む Paul Reid にセンタリングを送る。曽我端は完全につり出された形、Reid の前には無人のゴールが広がっていたがここでも何と Reid が空振り。 Adelaide 攻撃陣はゴール前の絶好機にボールも触れない…… 66分45秒、Sarkies に替えて Jason Spaguolo が投入さえる。 Spaguoloも攻撃的な選手。 Vidmar 監督は1点を取りに行くのか……. そしてついに均衡が破れる。71分58秒、Diego のミドルシュートを曽我端がナイスセーブで弾き出すがそのこぼれ球を Cristiano に拾われ Cassio に繋がれる。 Cassio が今度はクロスをゴール前に飛ばすと岩政と大岩の間に走り込んだ Cornthwaite が頭で合わせるとそのシュートは曽我端の右脇を通り抜けゴールラインを割った。大歓声が Hindmarsh Stadium を包む。前の週に痛恨のオウンゴールを献上してしまった Cornthwaite が殊勲の先制ゴールを決めた。アナウンサーも “ Dream Comes True “ と叫ぶ。
しかしまだ残り時間は18分はあった。鹿島にとっては 0-1 も1-1も同じなのだからここは切り替えてゴールを目指すと思った。74分56秒には中後が下がって増田が、79分21秒には中田浩二が下がって田代が投入される。 81分42秒スルーパスが左サイドの増田に渡りクロスが入り田代に渡るがシュートが撃てない。84分16秒には内田が右から入れたクロスが Constanzo にヘッドでクリアーされるがそのこぼれ球が直接マルキーニョスの足もとに飛ぶがマルキーニョスはトラップミス。85分2秒 Cassio が下がり DF の Daniel Mullen が投入され守備固めに入る。鹿島は攻撃時に岩政、大岩を前線に上げて来る。87分50秒にはCKから大岩が飛び込むがGK Galekovich がキャッチ。89分1秒、カウンターから鹿島側のゴールライン上で Cristiano が粘ってCKを取る。こう言うときにボールキープが出来る選手は有用だ。CKを取った Cristiano はすぐ後ろの観客席に両手を挙げて声援を煽ると大歓声が。しかしロスタイムが4分と表示される。鹿島には充分な時間だ。しかしゴールが遠い。91分40秒内田が右サイドから上げたクロスに大岩がヘッドで合わせるが力なくGKに。93分18秒には左サイドから入ったクロスに興梠が体をかがめてヘッドで合わすがこれもGlaekovich の正面。 Adelaide サポーター達はほとんど立ち上がっている。それは鹿島サポーター達も同じだった。93分40秒、リスタートからカウンターで一気に鹿島ゴール前に迫った Adelaide が最後は Cristiano が中央からフリーでドリブル突破。曽我端がエリア外に出て手を使ってボールを止める。完全なファールでレッドカードが出てもおかしくないシーンだった。交替枠は使い切っている。しかしクウェート人のSaad Kameel Al Fadhli 主審はイエローを提示したのみ。 Definitely Red Card と解説者は不満を露わに。
だがもう時間がなくなって来た。 Cristiano はゆっくりとボールをセットしその直接FKを大きく外に蹴り出すと主審の試合終了のホイッスルが鳴り響いた。アナウンサーは何度も Historic と叫ぶ。 ピッチ上は大騒ぎだ。そしてスタンドも。
この試合の立役者は何と言っても Adelaide の Vidmar 監督だ。前週の鹿島戦そして4日前の Sydney 戦。この試合に向けての選手起用が功を奏した。Sydney 戦では主力を休ませ、使った選手でも Cassio をサイドバックで使うなど無理をさせなかった。
一方の鹿島のオリヴェイラ監督は小笠原の離脱で選手起用に少し誤算が生じたかもしれない。敗れた鹿島は過密スケジュールの中よく戦ったが鹿島にとっては遠い遠いゴールだった。ここでFW力の差が出たのかもしれない…….しかし過密スケジュールは Adelaide も同じだった。 4日前にSydney で試合観戦後空港で偶然 Adelaide の選手一行と遭遇した。 Vidmar 監督にサインをもらい前日の Sydney 戦を観戦した事と次の鹿島戦には “ Please do’t give us hard time “ と言うと“カシマのサポーターですか?そちらこそお手柔らかに….” ってな紳士的なあいさつを返され握手をしてくれた………. あの時の私のお願いが届かなかったなぁ…..途中交代出場のDaniel Mullen にもお願いしたのだけど……..
試合の二日後に発売された準決勝戦の Bunyodokor 戦のホームゲームのチケット(10月8日)はあっという間に10,000 枚売れたそうだ。そして9月27日ホームで行われた A-League のNewcastle Jets 戦は 2-0 で快勝した。チームは A-League にACL の準決勝戦の為に日程変更を申し入れたらしい。
敗れた鹿島。サポーター達はガンバと浦和が準決勝戦に残ったので少し肩身が狭いか?それでもACLに出られるのは羨ましい。9月28日の清水戦は 2-0 で快勝だった。既に次のアジア制覇の機会を視野に入れているか……
次の準決勝戦は2試合とも非常に楽しみだなぁ……..
別に鹿島のサポーターでは無いがやはりここまで来てこの試合を観戦出来なかったのは残念だった。商用で豪州を巡回中だったが生憎9月20日から見本市の準備やら出展参加でこの試合のあった日は Melbourne に滞在中。ちょっと抜け出して…..と言う距離ではなかった………
キックオフは現地時間午後7時半。 Melbourne は+30分なので午後8時だ。ありがたい事にホテルは FOX SPORTS が映ったのでテレビ観戦が出来た。キックオフ前から中継は始まっており Vidmar 監督に続いて鹿島のオリヴェイラ監督のインタビューが。地元局向けなので英語でインタビューに答えている。小笠原の離脱に就いてまっさきに尋ねられたが “昨シーズンも小笠原抜きで試合をしたことがある….” と答えていた。 インタビューが終わってもアナウンサーも解説者も小笠原の離脱の話をしていた。そして注意すべき選手として FW マルキーニョス、DF中田、内田そして本山を挙げていた。中田浩二、本山は The 1st Leg には出場していない。そして二人ともシドニー五輪時にここを訪れている。本山は最後まで出番が無く当時何故トルシエ監督は本山を入れなかったのか….と物議を醸した。でも小笠原がいないのは厳しかっただろうな…. 鹿島のサポーター席には“小笠原の分まで”と大きく書かれたのぼりを持つ人も。遠路はるばる訪れたサポーター達は選手達の力になったに違いない………
鹿島のスタメンは GK 曽我端、CBに岩政と大岩で左サイドに中田浩二が入り右サイドに北京五輪メンバーの内田。大岩は9月20日の柏戦に伊野波に替って途中交代出場しこの試合はそのままCBに入り中田浩二が新井場に替って左サイドに入った。ボランチには青木と本山。 MF は右に中後雅喜が左にはダニーロが起用された。中後は20日の柏戦、負傷した小笠原に替って投入されそのままこの試合のスタメンに。 FWはマルキーニョスと興梠。目下Jリーグ得点王争いを独走するマルキーニョスのマークに就いて Vidmar 監督はどういう指示を出したのだろう?興梠は惜しくも北京五輪には選ばれなかったが7月20日の横浜FM戦から9月13日の川崎F戦までスタメン出場。そして柏戦は78分にマルシーニョに替って途中出場だった。
一方の Adelaide United 4日前の Sydney FC 戦に出場した選手途中出場選手を含めてもGK Galekovic DF Sasa Agostino, MF Cassio Kristiano Sarkies そして FW の Paul Neid の5人のみ。アウェーでの鹿島戦からは MF Pantelis Lukas とBarbiero Fabiano のMF選手を二人下げ Sarkies と Cassio がスタメン起用された。 GK Galekovic, DFは4バックで左サイドが Scot Jamieson , 2005年FIFA U-17 ペルー大会では3試合に出場。右サイドバックは Robert Cornthwaite あの痛恨のオウンゴールを献上した選手だ。A-League デビューイヤァーから Adelaide United に所属する選手、昨年のACL にも出場した。北京五輪予選にも選ばれはしたが最終予選では出場機会が無かった。CBはAgostino と Angelo Constanzo。Constanzo もA-League 発足時から Adelaide の選手。既に32歳で代表経歴もある。ボランチ、と言うよりも CHFには Sarkies と ブラジル人のDiego。今年のACLの浦項スティーラーズ戦では貴重な決勝ゴールを決めた。2列目左サイドには Cassio。Sydney FC 戦では左サイドバックを務めたが本来はここのポジション。右は Travis Dodd 。彼も A-League 発足時から Adelaide の選手。昨シーズンは21試合すべてにスタメン出場。技術の高い要注意選手だ。 FWは Paul Reid と Paul Agostino Agostino は Adelaide 生まれの33歳のベテラン選手。昨年より Adelaide United 入りしたがそれまでは 1860 Munchen に所属。1991年 FIFA U-17 イタリア大会、1993年 FIFA U-20 オーストラリア大会そしてアテネ五輪にも出場し 2001年のワールドカップ予選のウルグアイ戦にも出場した経歴がある。 Adelaide 出身や A-League 発足時代から Adelaide の選手が多く、ACL のタイトルには他の A-League チームに負けないくらい意気込みが高いかもしれない。でもこうやってみると私は鹿島のサポーターでは無いので Adelaide の選手達の方がよく解かるなぁ…….
試合はキックオフ直後から鹿島サポーターの大声援がよく聞こえる。Jリーグデビューイヤー、ジーコ、アルシド、黒崎、本田、大野・・彼らもサポーター達の大声援に何度も勇気づけられたことだろう…….しかしピッチ上ではAdelaide が押し込む展開が続く。1分には早くもAgostino の中央突破で崩され抜け出してフリーになったDodd に渡るがここは中田浩二がカバー。4分、5分と連続して右サイドにスルーパスを入れられピンチを招く。6分にはまたも右サイドを崩され Agostino がゴール前に迫るがここは大岩がマークにはいる。鹿島は8分にようやく中後からのロブに興梠が走り込んでそのままボレーシュートを放つテクニックを見せて鹿島サポーター達を沸かせる。しかし9分には今度は左サイドを突破され Cassio が入れたクロスに Agostino が走り込むがここは中田浩二が体を入れたので Agostino のシュートはファーポストの右に外れて行った。8分56秒にテレビに映し出されたボールポゼッションは Adelaide 62 に対し鹿島 38 。10分を過ぎると“Very Very Impressive until 10 minutes “ とアナウンサーが叫ぶ。それだけAdelaide が押しまくる展開だった。だが11分30秒、鹿島が決定的なチャンスを創る。カウンターから本山がドリブルで中央を上がり右サイドを攻撃参加した内田に。そして内田から中央から走り込んだ興梠に渡りGKと1対1でシュートを放つ。さぁ先制ゴールと思ったが興梠のシュートは Galenkovic にナイスセーブで阻まれた。ゴール裏に陣取るAdelaide サポーター達からは大歓声が……..
その後はまたも Adelaide の攻勢が目立つ。16分55秒、 Diego からのスルーパスが左サイドを上がった Cassiaに渡りドリブルで突破し中にセンタリングを送る。そこには走り込んだDodd がフリーになっていた、マークに戻る中田浩二ははるか後方。しかし Dodd はそのゴロのセンタリングを空振り、逆サイドにボールは流れ折り返されるがヘッドに飛んだ Dodd の位置はオフサイドだった。試合開始から20分程度を過ぎてもスコアレスであったが両チームのゴール前でのシーンが多くまた決定的なチャンスも1度ずつ。それにスタンドのサポーター達も自軍の攻撃シーンで歓声が沸きその大歓声がシンクロナイズドし国際試合の雰囲気を一気に盛り上げる。アナウンサーも Very entertaining game !! と表現。 20分56秒。またも Adelaide が決定的な好機を掴む。Dodd が右サイドを中田浩二、大岩をかわしてドリブル突破。そしてゴール前に走り込みフリーになった Agostino にゴロのセンタリングが送られるがまたも空振り。逆サイドに流れたボールを今度は Sarkies が中に折り返すが青木がクリアーでピンチを逃れた。2度の決定機をミスしてくれたので鹿島に幸運があると思ったがこの試合はスコアレスでは Adelaide が準決勝に進出する事となる。鹿島にとってはまず1点が欲しい試合であった。 Adelaide は右の Cassio 左のDodd 両サイドのMFがよく上がってくるそして最終ラインの押し上げも早くコンパクトに前線と最終ラインを保っているのでこぼれ球を拾いやすく常に数的優位を造れている。そして中田浩二が振り切られるシーンが目立つのが気になる。
こうなるとマルキーニョス、興梠の2トップのテクニック頼りか?? 35分にはダニーロが左サイドを突破しクロスを上げると Adelaide DF にそのクロスが当たりマルキーニョスの足もとに。Cornthwaite をかわして放ったシュートは大きくクロスバーを越え、42分40秒には本山のドリブル突破、 Constanzo, Ognenovski の間を走り抜けた興梠にボールが渡るがシュートを放つ前に Cornthwaite が戻ってマーク。前半はスコアレスのまま終わった。
Stats が映し出されたがボールポゼッションは Adelaide が46 に対し鹿島が54 となっており10分以降支配率は鹿島がかなり挽回した事になるが決定機の多かった Adelaide の方が優勢だった様な印象の残る前半であった。
エンドが変わった後半、最初に交代カードを切ったのは Adelaide ベンチ。 Agostino に替って4日前にSydney戦で1トップを務めた Cristiano が投入される。彼のキープ力を生かす方策か? その Cristiano は63分に鹿島PA付近でドリブル突破、岩政をかわして放ったシュートは鹿島ゴールネットを揺らしたが岩政をかわす前に大岩を押してファールのホイッスルが既に吹かれておりこの Cristiano のプレーに対してイエローカードが提示された。鹿島ベンチも62分10秒に本山に替えて野沢拓也を投入。テレビのアナウンサーに Zico Academy 出身と紹介されるがよく調べているなぁ…. と思った。 野沢は柏戦ではスタメン出場を果たしたが18節の横浜FM戦からスタメンを外れて途中出場でプレーする程度だった。丁度興梠と入れ替わる様に……野沢の投入でフォーメーションが特に中後の位置がどうなるのかと思っていると65分17秒 Diego からボールを受けた Cassio が左サイドを突破、内田をかわしてGK曽我端の位置をよく見て中に走り込む Paul Reid にセンタリングを送る。曽我端は完全につり出された形、Reid の前には無人のゴールが広がっていたがここでも何と Reid が空振り。 Adelaide 攻撃陣はゴール前の絶好機にボールも触れない…… 66分45秒、Sarkies に替えて Jason Spaguolo が投入さえる。 Spaguoloも攻撃的な選手。 Vidmar 監督は1点を取りに行くのか……. そしてついに均衡が破れる。71分58秒、Diego のミドルシュートを曽我端がナイスセーブで弾き出すがそのこぼれ球を Cristiano に拾われ Cassio に繋がれる。 Cassio が今度はクロスをゴール前に飛ばすと岩政と大岩の間に走り込んだ Cornthwaite が頭で合わせるとそのシュートは曽我端の右脇を通り抜けゴールラインを割った。大歓声が Hindmarsh Stadium を包む。前の週に痛恨のオウンゴールを献上してしまった Cornthwaite が殊勲の先制ゴールを決めた。アナウンサーも “ Dream Comes True “ と叫ぶ。
しかしまだ残り時間は18分はあった。鹿島にとっては 0-1 も1-1も同じなのだからここは切り替えてゴールを目指すと思った。74分56秒には中後が下がって増田が、79分21秒には中田浩二が下がって田代が投入される。 81分42秒スルーパスが左サイドの増田に渡りクロスが入り田代に渡るがシュートが撃てない。84分16秒には内田が右から入れたクロスが Constanzo にヘッドでクリアーされるがそのこぼれ球が直接マルキーニョスの足もとに飛ぶがマルキーニョスはトラップミス。85分2秒 Cassio が下がり DF の Daniel Mullen が投入され守備固めに入る。鹿島は攻撃時に岩政、大岩を前線に上げて来る。87分50秒にはCKから大岩が飛び込むがGK Galekovich がキャッチ。89分1秒、カウンターから鹿島側のゴールライン上で Cristiano が粘ってCKを取る。こう言うときにボールキープが出来る選手は有用だ。CKを取った Cristiano はすぐ後ろの観客席に両手を挙げて声援を煽ると大歓声が。しかしロスタイムが4分と表示される。鹿島には充分な時間だ。しかしゴールが遠い。91分40秒内田が右サイドから上げたクロスに大岩がヘッドで合わせるが力なくGKに。93分18秒には左サイドから入ったクロスに興梠が体をかがめてヘッドで合わすがこれもGlaekovich の正面。 Adelaide サポーター達はほとんど立ち上がっている。それは鹿島サポーター達も同じだった。93分40秒、リスタートからカウンターで一気に鹿島ゴール前に迫った Adelaide が最後は Cristiano が中央からフリーでドリブル突破。曽我端がエリア外に出て手を使ってボールを止める。完全なファールでレッドカードが出てもおかしくないシーンだった。交替枠は使い切っている。しかしクウェート人のSaad Kameel Al Fadhli 主審はイエローを提示したのみ。 Definitely Red Card と解説者は不満を露わに。
だがもう時間がなくなって来た。 Cristiano はゆっくりとボールをセットしその直接FKを大きく外に蹴り出すと主審の試合終了のホイッスルが鳴り響いた。アナウンサーは何度も Historic と叫ぶ。 ピッチ上は大騒ぎだ。そしてスタンドも。
この試合の立役者は何と言っても Adelaide の Vidmar 監督だ。前週の鹿島戦そして4日前の Sydney 戦。この試合に向けての選手起用が功を奏した。Sydney 戦では主力を休ませ、使った選手でも Cassio をサイドバックで使うなど無理をさせなかった。
一方の鹿島のオリヴェイラ監督は小笠原の離脱で選手起用に少し誤算が生じたかもしれない。敗れた鹿島は過密スケジュールの中よく戦ったが鹿島にとっては遠い遠いゴールだった。ここでFW力の差が出たのかもしれない…….しかし過密スケジュールは Adelaide も同じだった。 4日前にSydney で試合観戦後空港で偶然 Adelaide の選手一行と遭遇した。 Vidmar 監督にサインをもらい前日の Sydney 戦を観戦した事と次の鹿島戦には “ Please do’t give us hard time “ と言うと“カシマのサポーターですか?そちらこそお手柔らかに….” ってな紳士的なあいさつを返され握手をしてくれた………. あの時の私のお願いが届かなかったなぁ…..途中交代出場のDaniel Mullen にもお願いしたのだけど……..
試合の二日後に発売された準決勝戦の Bunyodokor 戦のホームゲームのチケット(10月8日)はあっという間に10,000 枚売れたそうだ。そして9月27日ホームで行われた A-League のNewcastle Jets 戦は 2-0 で快勝した。チームは A-League にACL の準決勝戦の為に日程変更を申し入れたらしい。
敗れた鹿島。サポーター達はガンバと浦和が準決勝戦に残ったので少し肩身が狭いか?それでもACLに出られるのは羨ましい。9月28日の清水戦は 2-0 で快勝だった。既に次のアジア制覇の機会を視野に入れているか……
次の準決勝戦は2試合とも非常に楽しみだなぁ……..
代表が小休止で(10月にはルー、ヤングルー、ジョーイーといずれも大一番が控えてますが)、欧州組も今季はパッとしないので、僕の興味の中心はAリーグに移ってます。
それもユースリーグですね。
今まで若手の優秀な選手はAISや各州のNSWIS、VISなどを出た後、直接ヨーロッパ(のユースチーム)に行ってしまうケースも多かったのですが(ニール、ブレシアーノ、キューウェル、トロイジなど)、ユースリーグで各クラブの手元に置くことで少しでも国内に留め置くことができます。
実際、各ユースともAISあたりから引き抜いてます。
選手にしても毎週実戦の機会があるというメリットが、クラブにしたらトップチームにケガ人が出たらユースから補充すればいい(これまでは下部のNSW、ビクトリアリーグなどからショートタームでレンタルしてました)。
惜しむらくはユースリーグが2月でシーズン終了なことですね。
他競技ともバッティングしないのだから、通年でやってほしいくらいです。
アデレードの健闘には驚きました。
得点源だったジテとバーンズがヨーロッパに移籍して、グループリーグとは別のチームになっていたので、正直勝てるとは思いませんでした。
パスがテンポよくつながり(これがまず驚き)、ガレコビッチのナイスセーブ(経歴から言ってもこれは驚きではありません)、決定機も多かったのでアゴスティーノさえ決めてればあと2点は取れたかもしれません(それは鹿島にも言えたでしょう)。
次勝てばクラブW杯出場ですが、ジーコのクルフチも金満チームだそうなので、油断は禁物です。
いつもありがとうございます。
準々決勝戦を前に Djite、Burns がギリシアに移籍し相当の苦戦は免れないと思っていたのですが見事な試合運びでした。決勝戦で再来日出来るでしょうか?
Youth League そして女子リーグが始まりますがこうしてみるとサッカーはチーム数が少ないですね。というよりも AFL, Union, League が多すぎるのかな??
彼らのサラリーはいくらでどうやって捻出しているのかも興味あります。
FFA(協会)はAリーグの拡大に慎重なようですね。
一旦、決まったタウンズビルとゴールドコーストの加入も1年延期になりましたし。
協会は破産したNSLのトラウマがあるのでしょうか。
一度加入させたクラブは潰さない、という強い意志を感じます(それでもNZナイツのように潰れてしまいましたが)。
Jリーグなら財政基盤の怪しくなったチームは2部に落ちて立て直すという手段がありますが、Aリーグのように「閉じられた」リーグではそれもできません。
一旦、財政的にやばくなったチームは弱体化→動員減→さらなる弱体化→リーグのお荷物化という坂道を転げ落ちかねません(パースがそうなりつつあります)。
だから加入クラブの審査をしっかりやりたい、ということなのでしょう(少し過保護な気もしますが)。
ただ、新加入のクラブがないことで、組み合わせがマンネリ化し、ファンに飽きられるというマイナス面もあります。
今季、Aリーグの動員が落ち気味なのも組み合わせが飽きられているからではないでしょうか(特にシドニー、パースの落ち込みが目立ちます)。
ついに Adelaide が決勝に進出ですね。相手が REDS でないのが残念です。別に REDS サポーターじゃないけど REDS 相手なら自宅近くのさいたまスタジアムで観戦できたので...... ガンバも決勝戦は万博でなくて長居くらいですれば好いのにとも思いますが....
A-League は来シーズンは10チームになる模様ですね。
でも心配なのは最西端( Perth Glory ) と最東端 ( Wellington Phoenix ) が常に最下位を争っている現状。チーム力もさることながら移動にかかる経費や消耗もあるでしょう。
でも Phoenix には頑張ってほしい。私はあの監督が大好きですから....