Mr.コンティのRising JAPAN

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粘りのサンガ アジア王者とドロー !!

2008-10-04 | 京都サンガ J-League

49分38秒、佐藤からスルーパスが右サイドの中谷に通る。堀之内がマークに入るが中谷はワンタッチで中の安藤に。そこには相馬と坪井がチェックに入ろうとするが巧みなターンでかわしてさらに左に入った田原に。長身の田原は山田を押さえつけるようにブロックし前にボールを落とすと佐藤からのスルーパスが中谷に渡る直前に中谷と交錯する様に中に切れ込んでいった柳沢がそこに走り込み落ち着いて浦和ゴールにボールをプッシュ。GK都築はなす術もなく 1-2 とリードされていた京都が同点に追いついた。佐藤のスルー、中谷、安藤のタッチ数の少ないボールさばき、田原のポストプレー、柳沢のポジショニング。全てが噛み合った見事なゴールだった。
画面にはGK都築の悔しそうな表情が映し出される。テレ玉の大野アナウンサーが“ 3-1でなくて 2-2 になってしまいました。”と呟く。Jリーグの公式戦で京都がレッズから2点目を奪った試合なんて何試合振りだろう………

  

10月1日。出張から帰国した翌々日。会社なんか休んで愛するサンガがアジア王者に挑戦する試合観戦に出掛けたかったがチケットはすぐに Sold Out ….. シーズン開幕前にこの試合が駒場競技場で行われると知った時にある程度覚悟はしていたが…仕方なく会社に出社しテレビ観戦と決めた。 2年前にサンガがJ1で対戦した時はさいたまスタジアム 2002 だった。あの試合は現場まで観戦に行ったけどいいところなく 0-3 の完敗。その約半年後の西京極のホームゲームは何と 1-5 の惨敗。サンガはJ2に沈んだ。J1昇格後の今シーズンは柳沢、シジクレイそしてシーズン途中からは水本を獲得しチーム力を強化、ナビスコ杯では 3-3, 1-1 と引き分けを演じ期待をさせたものの4月26日のJリーグのゲームでは西京極で 0-4 の完敗。前半は完封したが後半に雪崩が起きたように失点を重ねてしまった。
かつて浦和レッズと言えばサンガは相性が良かった。J1初昇格後初めての勝点(ナビスコ杯)、Jリーグでの初勝利( 1996年第18節)の相手が浦和。1999年開幕から勝ち星が無かったサンガが第7節目で初勝利を得た相手もレッズだった。
しかし2002年 2nd ステージで完敗して以来浦和には負け続け、その試合内容はとても勝負になる相手ではなくなっていた。まぁ相手はアジア王者。愛するサンガは J1 とJ2を往復するチーム。自力の差は歴前か……..

J1第26節。この日のスタメンは GK 水谷 DF は右から渡邉、水本、大久保、増嶋。シジクレイがボランチ的な位置に入りMFが中谷と佐藤。FWは田原の1トップに右に柳沢、左にフェルナンジーニョがやや下がって配置される。前節 0-1 で惜敗した千葉戦から手島が外れ左サイドバックに渡邉が入りFW田原が2試合ぶり今季10試合目のスタメン出場でトップに入り西野に替ってフェルナンジーニョがスタメンに。4月の浦和戦のスタメン選手でこの試合もスタメン起用されたのは田原、柳沢、渡邉、佐藤の4人だけ。GKを含めた守備陣全てが入れ替わった。一方の浦和レッズはGK都築。DFは3バックで坪井、堀之内、阿部。ボランチの位置に鈴木啓太、細貝が入りMFは右が山田、左に相馬。ポンテがトップ下でFWは高原とエジミウソン。前節名古屋戦からは闘莉王が怪我でベンチスタート。平川が外れて山田がスタメンに。24日のACL アルカディシア戦から8日間で3試合目の厳しい日程。特に闘莉王は温存したいところだろう。サンガサポーターの私でさえ10月15日のウズベキスタン戦を考えれば闘莉王はまず故障から回復してもらいところだった。それと高原には本調子を取り戻して欲しいと強く思った。この次の千葉戦からでいいから……..

試合開始から愛するサンガは積極的に前に出てくる。攻撃ではフェルナンジーニョのドリブルが効いている。山田、啓太がマークに入り侵入を阻止するがそれだけ相手の右サイドの攻撃を抑える効果があった。ボールキープの良いフェルナンジーニョがボールを持つとMF, FW が思いきり前線に上がれるのが良いリズムを作る。守っては相手ボールとなっても数人がすぐに囲みこむのでバイタルエリアでボールを回させない。水本の加入でフェルナンジーニョが中盤で仕事を出来る様になったのが大きい。
序盤はサンガの選手が浦和の選手のボールを奪うシーンが続いた。確かに雨上がりのピッチは足元は滑りやすく芝も軟らかくなり都築やポンテはキックミスをするが、条件は相手も同じ。大野アナもその辺りを指摘しそして 
“しかしここは聖地駒場ですから….” と。何でさいスタでやってくれへんねやぁ…..  22分46秒 中谷がポンテからボールを奪い、左サイドをドリブル突破し中のフェルナンジーニョへ。フェルナンジーニョがそのまま放ったドリブルシュートはゴールを大きく外れた。右に田原、左に柳沢がフリーだったのだけど….. その直後には今度はシジクレイがボールを奪って逆サイドの渡邉へ。そこから中谷、右サイドに流れた田原と繋ぎ、田原が上げたクロスにフェルナンジーニョがオーバーヘッドで飛び込むがからぶり。フェルナンジーニョは立ち上がれず外に運び出され安藤との交代を余儀なくされた。着地の時に肘を脱臼したらしい。あぁフェルナンジーニョ、何で無理すんねやぁぁ….思わずテレビの前で天を仰いでしまった。しかし愛するサンガが先制ゴールを挙げるのはその直後。26分GKのリスタートから大久保が前線に大きく蹴り出し落下点で田原と細貝が競り合う。ボールはそのまま前線に流れ中谷が拾い坪井と山田の間を突破してドリブルシュート。都築の左手に当たるがそのままボールは浦和ゴールに吸い込まれた。浦和DF陣が少し集中を切らせたのかもしれないが中谷の素晴らしいドリブルシュートだった。中谷はかつて浦和レッズに所属した。1999年に1試合だけ出場した経験があるらしいがその試合で負傷してしまい以降レッズでの出場機会はなかったらしい。昨年12月6日に母親を亡くされ、2日後の広島との入れ替え戦の第二戦では京都の選手達が喪章をつけてプレー。そして見事にJ1昇格を勝ち取った試合は忘れられない。

  

先制された浦和は当然前に出てくる。しかも京都は佐藤、シジクレイが先制した事で守備的に下がるので浦和がゴール前に出てくるシーンが続く。特に左サイドの相馬は対峙する増嶋をことごとく破る。増嶋は元々CBの選手….. 37分51秒、細貝のスルーパスが右サイドを上がった山田に通る。山田がそのままフリーでPA内に侵入した所を後ろから田原が引き倒す。完全にPKと思った瞬間高山主審は山田に“シュミレーション”のイエローカードを示す。リプレーを見ると田原は完全に肘を入れていた。大野アナも不満を隠さない。本当にサンガには幸運な判定だった。
このままリードして前半を終えられるか…..と思っていると同点にされてしまった。
40分38秒左サイド中盤で大久保がポンテを倒してファール。ポンテは比較的早くボールセットしゴール前に放り込むとエジミウソンが頭で合わせてサンガゴールネットを揺らした。渡邉もマークに着いていたのだが上手くエジミウソンに体を入れられてヘッドを撃たしてしまった。これでFWエジミウソンは今季9得点目でDF闘莉王と並んだ。何とかリードしたまま逃げ切って欲しかったなぁ….と思っていると42分10秒右サイドからの山田のスローインがポンテに渡りポンテはボールを浮かしてPA前のシジクレイと渡邉の間に入ったエジミウソンに、エジミウソンがコントロールしようとしたボールは渡邉に当たり更にシジクレイの身体にあたってサンガゴール前に転がった所をポンテに拾われるポンテはGK水谷をかわして逆サイドに送ると走り込んだ高原が増嶋がマークに入る前にボールを押し込んで逆転されてしまった。 
最後はPA内に7人のサンガフィールドプレーヤーが雪崩れ込んだが止められなかった……

  


先制をしたのに終了5分前に逆転される最悪の前半幕切れとなってしまった……..

後半に入って京都の加藤監督は相馬にやられっ放しだった増嶋を下げて右サイドバックに渡邉を左から回し中谷を右サイドバックに下げて中盤左に角田を起き、安藤を右に。そして佐藤をボランチに置きシジクレイと組ませ、田原と柳沢に2トップに。フォーメーション変更の効果が出たか46分57秒カウンターから中谷がドリブルで上がり柳沢に繋ぐと再び右サイドに戻す。そこには走り込んだ角田がいたがシュートは必死に戻った阿部にブロックされた。しかし積極的な動きに同点の期待が生まれる。先に点を取って同点に…… と思っていたら佐藤からのスルーパスが通った…….
同点に追い付いてからもサンガが劣勢に立つ時間は短かった。セットプレー時にはシジクレイそして水本も前線に上がってくる。59分54秒には安藤から田原にスルーパスが通り中央から坪井を引きずる様に浦和ゴールに迫る。最後はマークに入った阿部と交錯する様に倒れるがここはファールもなくシュミレーションを取られる事もなかった。サンガはカウンター、速攻が良くそれを止めるためにファールを貰える。攻守の切り替えも早く球際が粘れている。柳沢は動き、ボールキープがよくDFを引き連れてスペースを空けたり自ら攻撃の起点にもなっている。
浦和は疲れのせいかFWとMFの間が開くシーンが目立つ。そして連動性にも欠けている様だった。63分には相馬が下がって平川が入るが後半サンガは右サイドに渡邉、安藤を置き“相馬対策”を講じた効果が出たか?それに心配された田原のスタミナがこの日は持続していた。64分10秒には左サイドをドリブルで上がった中谷が入れたクロスに高い打点から阿部に競り勝った田原のヘッドが炸裂するがGK都築の正面に。上位争いをするG大阪、鹿島がリードしているので是非とも勝ちたい浦和は(それは京都も同じなんだけど)68分にポンテを下げて永井を投入する。永井の前線での運動量を期待しての事だろうが、後半のポンテは右サイドに張る事が多く前半ほどの脅威は無かった。それでもポンテを下げてくれた事によりスルーパス、キラーパスの心配がなくなりサンガベンチにとっては“良い交代”では無かったか??

それでも永井は78分7秒に右サイドでエジミウソンからボールを受けてナイスクロスを上げる。高原、大久保、水本がその落下点にもつれ込みボールがこぼれるがエジミウソンが撃つ直前にGK水谷が拾い上げた。そして78分50秒、ついに闘莉王が投入されるが高原との交代。そしてエジミウソンと2トップを組む。これでサンガはシジクレイを闘莉王のマーク役としてDFラインにいれ5バック気味に。そのせいか闘莉王がシュートを放つシーンはすぐには訪れなかったが86分36秒啓太から左から上がったクロスをエジミウソンがヘッドで逆サイドに流し右サイドに走り込んだ坪井が頭で闘莉王に送ると闘莉王は胸でワントラップし振り向きざまにシュート。そのショットはクロスバーを強烈に叩いき、ほっと胸をなでおろす。
この時間帯から坪井が上がる様になって来た。更に89分2秒には右サイドを山田、坪井、永井と繋がれクロスを上げられる。一旦は水本がヘッドでクリアーするがクリアーボールは細貝がダイレクトで左サイドの闘莉王に。闘莉王はマークするシジクレイを素晴らしい切り返しでかわしファーサイドにゴロでシュートを放つがポストの右に外れてくれ、フォローに入った坪井も及ばずまたも冷や汗が……
それにしても闘莉王のFW力には脱帽だ。見事なシュート、切り返しそして積極性。しかし、決めるならワールドカップ予選にしてくれ…..と思った。
90分3秒には中谷が永井にボールを奪われそのまま中央をドリブルで突破していく。ラストパスを出す前に大久保がカットしたがここで永井にそのままシュートを撃たれていたらちょっと危なかった。闘莉王ならどうしていただろう..
3分あったロスタイムを過ぎてもスコアーは変わらず。浦和は痛恨のそして京都は貴重な勝ち点1を共に手にした。浦和にとっては痛い引き分けだっただろう。京都相手にかなりの確率で勝ち点3を期待していたのではないか??ならば甘いよ……
サンガを舐めたらしょっぱいよ(藤吉談)
しかし闘莉王の攻撃力を見た岡田代表監督は15日のウズベキスタン戦に向けて新しいオプションを確認できたのではないか???

京都には収穫の多いゲームでは無かったか?個人的には田原が90分ハイパフォーマンスを見せ続けてくれた事が嬉しかった。スタミナがあって怪我さえなければ代表入りしても良い逸材だと思うのだけど……

  

そして柳沢はさすが元日本代表と言う動き。いやいやこのワールドカップ予選で代表復帰してほしいと思うのはサンガサポーター達の願いだ。そして北京五輪代表の水本、そして渡邉、みんな11月のカタール戦での代表入りを目指して欲しいと思う。
  
   

そしてなによりチームがアジア王者相手にこれだけやれたことを自信にして貰いたい。

と思ったら   次の神戸戦では 1-4 の完敗。 順位も11位に下がってしまった。
今シーズン、あと残り6試合。まだまだJ1残留は確実では無い。大事なのは1試合1試合全て。

今年、何とかもっとサンガの試合をスタンで観戦したいなぁ………..


   



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