Mr.コンティのRising JAPAN

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Asian Cup それから  Socceroos の世代交代は... 1

2011-02-13 | Football Asia

Socceroos 次のワールドカップに向けての世代交代は

2月7日。10カ月ぶりに再開された日豪 EPA 交渉。4日間の協議は最終的には結論持ち越しとなった。
オーストラリアはコメについて関税撤廃の例外扱いを認める一方、牛肉などでは撤廃要求を譲らず、合意は4月のキャンベラでの開催が決まった次回交渉に持ち越した。日豪交渉は6月に判断する日本の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加の試金石とされ、合意の道筋をどう付けるかが焦点になる。今回の交渉で、政府はコメ、牛肉、小麦、砂糖、乳製品を重要品目に位置づけ、自由化の例外と主張した。これに対し、オーストラリアは自国からの輸出量の少ないコメの関税撤廃は求めない代わりに、その他の4品目の自由化を強く求めた。
交渉筋は「オーストラリアは要求を軟化させておらず、まだ先が長い」として、交渉が引き続き難航する見通しを示した。 政府は昨年11月の閣議決定で、「全品目を自由化交渉の対象に、高いレベルの経済連携を目指す」とした。菅直人首相も今年1月の施政方針演説で、「豪州との交渉を迅速に進める」と宣言し、重要品目の例外化にこだわる態度は自己矛盾に陥っているといえる。

オーストラリアはTPPでも、主要交渉国の一つ。EPAで農業分野の譲歩を決断できないようでは、「TPP交渉参加すら認められなくなる との事だけど
まず米の関税撤廃の例外を認めたのは今オーストラリアではここ数年“米どころ”だった Victoria 州で長期の雨不足からまったく米が収穫できずオーストラリア国内での米はカリフォルニア米が主体となっている為。早い話が国外に輸出するほど米が獲れないと言う事。
日本政府としては何とかして“レア・アース”の供給源を確保したいところだけどこの件はオーストラリア側が“売り手市場”を見せつけ“日本だけ特別扱い出来ない。”との事。それよりもオーストラリアは今天然ガスがガンガン獲れておりその輸出先として中国が鉄鉱石と共にお得意さんとなっている。
ラッド前首相は娘さん達が中国語を勉強するほど大変な親中家。オーストラリア史上初めての女性首相Julia Gillard 現首相はどちらかと言えば外交は右派。
昨年のワールドカップ開催国を決める FIFA Congress にも帯同していた。オーストラリアにとって結果は伴わなかったが日本の首相とは違うなぁ…と思った。まぁそれだけで首相の価値が決まるわけではないが…


今回の Asian Cup 決勝戦に進出した日本代表が対戦したオーストラリア代表との試合は2006年のワールドカップで対戦して以来約4年半で5度目だった。
そして初めて日本が勝利を収めた試合だった。( PK 戦は公式記録は引分 )
できれば90分間で勝ってほしかったけど。オーストラリアでもサッカーの世界では日本は一目も二目も置かれている様だ。
昨年のワールドカップでは“アジア実力 No.1 ”として勇躍乗り込んだ南アフリカの地。初戦のドイツ戦で完膚なきまでに叩かれ最後までそこから立ち直れなかった。
そんな Socceroos のプライドはこの Asian Cup ではかなり回復されたと思う。
しかし長年云われ続けて来た世代交代は今度こそ目前に迫った早急に解決すべき問題とされている。
昨年末から今年初めに Brisbane, Gold Coast の一部を襲った大洪水の被害は 1974年以来の大災害と地元では云われているが、最も地元の人達を怒らせているのは洪水そのものでなく、37年前の教訓が生かされていない、即ち洪水対策が全くなされていなかった事が露呈した事らしい。 37年前は、私の尊敬する Johnny Warren 率いる Socceroos が初めてワールドカップに進出した年だった....

手元にある2002年に刊行された彼の著書 Shelias, wogs & Poofters には MCG のイラン戦のスタメンの集合写真が掲載されワールドカップは逃したが将来を期待出来る Young Gun として紹介されている。そしてそのメンバーの中には GK Schwarzer, Kewell, Emerton らが写っている。8年後彼らが中心となりウルグアイを破り32年振りのワールドカップ出場を決めてカイザースラウテルンでは日本を逆転で破りサッカー人気がオーストラリア大陸で一気に上昇したのは日本人でも周知だけどそのメンバーは偉大すぎた。5年後の Asian Cup では6人の選手がドイツワールドカップ組だった。そしてもし怪我さえなければ更に Beachamp, Kennedy そしておそらく Milligan も加わっていただろう。(だったら優勝したか??)。

今オーストラリアではこれから今後の為にいつ世代交代を行うか、それとも結果維持し次のワールドカップ出場権を勝ち取る為にまだベテランに頼るかの激論が始まるだろう。 

Their best and likely last .....

これは決してわれわれから取り去ることの出来ないオーストラリアの名前を silverware ( この場合は優勝トロフィー ) に刻む良い機会だ。 
この世代の選手達にとって残るのは思い出だ... 優勝を勝ち取る事が理想的な最後だ。ハードワークと犠牲への素晴らしい代償となるだろう。“ 
決勝戦を前に Sccoeroos の Lucas Neil 主将はこう語った。
“ピッチ上の至る所で繰り広げられる1対1の争いで競り勝ち日本が作るチャンスを最小限に留めねばならない。日本は決定力に長けた選手達が揃っている。しかし守備面では我々は日本に問題を引き起こす事が出来る事を解っている。”

地元紙では香川が離脱しても本田、岡崎、前田ら3選手が3ゴールずつを挙げている事から日本の攻撃力を懸念していた。これは昨年のワールドカップ前とは大いに異なる。
Neil 達ベテランにとっては最後の大舞台とならないかもしれないが、これが最後の代表としての大きな勲章を勝ち取るチャンスと云う事は本人以外も解っていただろう。  決勝戦を前に物議を醸しだしていたのが左サイドハーフを元通り Emerton を起用するのかそれとも決勝トーナメント以降代役として活躍している Matt McKay を起用し続けるのか...
しかし決勝戦前の Osieck 監督の McKay を使う、と云うコメントでピリオドが打たれた。 “トーナメントでは起こりうることだ。最初のメンバーで最後まで終えられる事は決してない。私は現場主義の監督だ。名前よりも選手のパフォーマンスを重視する。” 

They’re one of my favourites but also one of the most difficult

対日本戦通算4ゴールの Tim Cahill は“日本は私の好きな対戦相手だが同時に最も難しい相手でもある。”と語った。
“日本戦を思う人達は我々の対日本戦に就いて知っている。明らかに私はその中心にいるだろうがそれは悪い気はしない。”
31歳のCahill は他の同僚達と同様に Asian Cup を終えても代表から退くつもりはなく4年後 2015年に地元で開催される Asian Cup への出場についても喜んで辞退するわけではない。
“正直に云って私は身体が動かなくなるまで代表選手でいたい。もちろん2015年までプレーをしたいが多くの若い選手が出てくることも望んでいる。そして私が彼らの一部になれればと思っている。 ”
そして決勝戦に就いては “私はここに休暇に来たのではない。そしてここにただゲームに出場しに来たわけではない。ここでオーストラリアのサッカーの違いを示しに来たのだ。”と述べた。 

そしてオーストラリア地元紙はしきりに香川の離脱を伝えていた.....

    

Blue murder: A lightning raid, then Samurai strike guts Socceroos 

オーストラリアは充分に勝利に値するチャンスを作った。
しかし延長戦に入っての守備のミスが勝利を手にする事が出来ず次に持ちこされる事となった。その持ち去られたものは、綺麗なサッカーをしてくるであろう日本に対して広い地域で試合を流れ良く続けたオーストラリアが勝ち取るべくメジャー大会の王者の称号であった。
Blue Samurai に 1-0で敗れた彼らのパフォーマンスは特に体格に勝りパワフルなオーストラリアが自分達の強さとフィジカルで優位にたつオーストラリアが早くてより技術の高い日本を打ち負かすと考えた人達には関心を惹いた。試合の多くをオーストラリアはその通りであった。

  

彼らはよくボールを回し中盤でプレスを掛け日本がショートパスを繋ぐ時間やスペースを許さなかった。空中戦の強さを充分に活用した。それはただPA内にロングボールを放り込むだけでは無かった。 Soccceroos 達は中盤でボールを支配し時折素晴らしいコンビネーションを見せた。そして対戦相手からスペースを作った。彼らはただ Holger Osiek 監督が嘆いた様にフィニッシュが出来なかった。
日本戦で何度もゴールを決めている Tim Cahill はいくつものハイボールからの空中戦でそしてそこから繋がらなかったり日本が必死にクリアーしたが何度もチャンスを創り日本にとってはまたも脅威となった。
守備の方でも後半 Shinji Okazaki のフリーのヘッドをセーブし前半 Ryoichi Maeda のシュートを防いだ。オーストラリアの守備は広範囲で優位を保ちLuca Neil, Sasa Ognenovski は強固に真ん中を固め Luke Wilkshire とDavid Carney は何度も前線に絡んだ。
こういう状況下で疲労した脚と心が引き起こしたわずかなミスが命取りとなり Socceroos の2度目の挑戦でタイトルをのがした事をくよくよと考える事は酷な事だろう。 Harry Kewell と Tim Cahill はゴールを挙げられなかった。そして Mark Schearzer は決勝ゴールに対して殆どなにも出来なかった。 Carl Valeri と Nile Jedinak そして Matt McKay は相手DF陣を切り裂くパスを出せなかった。
そうだ109分には Luke Wilkshire が Yuto Nagatomo の突破を許しその日本のウィングバックに決定的なクロスを上げさせた。そうだそのDF選手は6回も7回も突破して来た。 そうだ左サイドバックの Carney は説明しがたくその時中盤まで上がっており Tadanari Lee をお手本の様なボレーシュートを放てるだけの時間とスペースを出来るだけフリーにしていいた。彼は大会前の準備試合には出ていなかったがそんなこと大陸地区の決勝戦では関係の無い事だった。

    

それは Carney がすぐに忘れられない失敗だった。
しかし時にはこんな事が起こり得る。試合は何度も一瞬の輝きの様な一方のエラーで決まる。それが人生で、スポーツは気まぐれな何かを写し出すたとえそれが退廃させるよくない結末だとしても。
“それは延長戦も終盤だった。 単なるポジションのミスだった。 そしてそれが致命だった。それに就いて誰かを非難したくはない。我々のいつもの守備のポジションでは無かったがそこに他の誰かを行かせるのは全く不適切な事だった。”
“我々にはチャンスがあった。試合後半にはピンチもあった。 我々は決定力に対してもっと機能的でなければならなかった。試合を支配したりチャンスを創るだけでは不充分だ。勝つためにはゴールを上げねばならない。”
“好チーム同士のたいへん面白いゲームだった。 我々がどれだけ落ち込んでいるか解るだろう。 我々の絶対に勝てる試合だった。ただそれを勝に結びつけられなかった。 しかし私はこう言いたい。私は選手達、彼らのパフォーマンスそして大会期間中の姿勢を誇りに思う。 選手達はファンタスティックな姿勢を貫きただ私は信頼していれば良かった。だから彼らの努力に対して報酬を与えられなかった事を非常に悔んでいる。”

試合後選手達の労をねぎらう Osieck 監督のコメントが印象的だった....  続く





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