Mr.コンティのRising JAPAN

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新春恒例 東京箱根間往復大学駅伝 大混戦の往路

2008-01-04 | 陸上競技
今や日本の正月の定番となっている“箱根駅伝”。陸上競技のトラックは1周何メートルあるかは知らないけど毎年正月にテレビ中継されるこの駅伝競走を楽しみにしている、と言う一般の人達は多いだろう。
仕事でも学生時代に陸上競技の中長距離をしていたと言うと必ず訊かれるのが“箱根駅伝を走られましたか?”と判で押した様に尋ねられる。何度でも言わせてもらうが箱根駅伝は関東学生対校駅伝。関西学連出身の私には無縁な大会。しかし人によっては“全国大会の駅伝”と思っている人が年々増加している。
それと共に蔓延るのが“なんちゃって箱根経験者”。走ってもいないのに箱根を走ったと語る人。私が学生の時にもこう言う人は少なくなかった。最近は箱根駅伝の人気上昇に伴い過去の資料も整備されこう言う嘘はすぐにばれる事になる。年配の人でこういう“嘘”をつき続けていた人達は反対に箱根に触れられたくないのかも知れない。

今年も昨年同様気温はやや高いが絶好の駅伝日和。地球温暖化の中もう吹雪の中を選手達が駆け抜けると言う事も稀になった。
1月2日、読売新聞社本社前を午前8時に参加20チームの第1区の選手達がスタート。これから二日間に渡る218kmの行程にどんなドラマが待っているとはこの時は誰も予想がつかなかった。
1区21.4km は城西大学の佐藤直樹君が64分37秒のタイムで鶴見中継所に飛び込んで来た。佐藤直樹君は2005年仙台育英が全国高校駅伝で優勝した時のメンバーには故障で入れなかった。しかしその後の都道府県対抗男子駅伝では宮城県チームの区間4位に起用され区間4位で走った。
1区の区間賞タイムは昨年東海大の佐藤悠基君が樹立した区間記録には3分以上も及ばなかったがこれはレース展開によるもの。15.2km の蒲田までは全チームがまだひとつの塊となったスローペースで展開されており通過タイムは46分49秒。残りの6.2km を17分47秒でぶっ飛ばした佐藤直樹君が区間賞を勝ち取った。この切り換えは1km 換算にすると最初の15.2km が3分5秒弱のペース。そして残りの6.2kmは2分51秒。その数字からもスローペースからハイペースに切り替えられた事が裏付けられる。しかし後続も続いており13位の大東文化大までが城西大から26秒差の中にいた。そして昨年度の覇者順天堂大は1区区間最下位の20位と出遅れた。とは言えトップとは1分51秒差。まだまだ挽回出来るはずであったが…..
花の2区 23.2kmは留学生選手が上位を占めた。山梨学院大のモグス君が区間記録を23秒更新する66分23秒の快走でチームを首位に、区間2位の日大のダニエル君が15人抜きを演じチームを4位にそれぞれ押し上げる。そして中央学院大の木原君が留学生選手に次ぐ区間3位の力走でチームを2位に導く。3位には優勝候補の東海大の伊達君が区間4位の力走でチームを16位から浮上させる。東海大は今回復路に佐藤悠基君等の有力選手をまわして総合優勝を狙う。ここまでも計算通りであったと思う。
しかし3区21.5km の区間で今年の箱根駅伝は混戦に拍車をかける展開が。1位山梨学院大、2位中央学院大は順位をキープでしたが、区間順位を見ると山梨学院大・田中君が区間6位、中央学院大・堀君が区間10位であり順位を下げてもおかしくなかった。しかし3位以下の大学が伸びなかった。5位の駒沢大は高林君が区間7位で順位を1つ下げるに留まったが、日大は延壽寺君が区間16位で4位から9位にそして東海大は吉田君が区間12位で順位を3位から7位に下げてしまう。特に東海大は2区伊達君の快走をフイにしてしまった。
そして北京五輪代表を狙う早稲田の竹沢君が一時は出走も危ぶまれたのだが区間賞の走りでチームを12位から5位に導く。平塚中継所では1位山梨学院大から10位の関東学連選抜までの差は3分47秒。一昨年はこの差が3分34秒だったが昨年は5分27秒、そして2005年は4分44秒であったことから今年は混戦である事がわかる。
だがその混戦は4区18.5kmの区間で更に激しくなる。この区間は区間賞の国士舘大の阿宗君を筆頭に区間2位が学連選抜、拓殖大の久野君。そして区間3位が亜細亜大の池淵君。それぞれ平塚中継所では10位以下のチームだ。山梨学院大後藤君は区間19位。しかし3区を終えて2位であった中央学院大の小林君が区間13位で伸びなかった為に首位をキープ。2位には名門中央大が区間7位の森君が中央学院に替って浮上した。
首位山梨学院大と2位中央大との差は1分2秒、そして10位日大までが2分30秒内に犇めく大混戦となった。
5区は23.4kmで往路と言うよりもこの駅伝最長のコースでしかも山登り区間。前を一気に捉える事よりも大ブレーキしない様に堅実に走るべき区間。この区間を早稲田大の駒野君が区間賞の快走で先行する山梨学院大を捉えトップに躍り出るとそのまま往路ゴールのテープを切る。2位には区間2位で走った駒沢大安西君が駆け込み、山梨学院大の高瀬君は区間6位とまずまずの走りながら順位を3位に下げた。4位には関東学連選抜の上武大福山君が区間3位の快走で順位を9位から引上げ、5位には中央学院がそして4区を終わって2位であった名門中央大は10位に落ちた。
優勝を狙う東海大は結局往路は早稲田大と4分56秒差で8位に留まる。いくら復路に有力選手を並べたとはいえ、往路5区間で目立った快走は2区区間4位の伊達君くらいで3区間で区間10番以内に入れなかった。
早稲田は3区と5区で区間賞の走りで見事往路優勝を。駒沢大も3区で一時7位にまで順位を下げたが全体的に堅実な走りで2位に入った。関東学連選抜は3区、4区の快走で4位に食い込む快挙。選抜とは言え4区区間2位の拓殖大久野君は予選会では26位で走り、5区区間3位の上武大福山君も31位で走った実力者。選手個々の実力は高く、上位10人の予選会の合計タイムは1位通過の中央学院大より3分30秒も上回り前年度シード校でも苦戦するのは当然で、チームをまとめる青学大の原監督の
“やるからには優勝を狙う”
と言うコメントも理解できる。 復路の走りには大いに注目と思った。
そして5区で順天堂大小野君が無念の棄権。昨年覇者のリタイヤは誰も予想できなかった。この大会の為に尽力して来た順大の選手の事を考えると・・・・・・・・・ だがこのリタイヤ劇はこれに留まらない事をこの時どれだけの人が予想できた事か。 レベルが上がり高速化することによりこう言うアクシデントは避けられない……と口でいうのは容易だけが ・・・・・・・  

復路に続く


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