復路も午前8時スタート。天候は快晴。やはりこの日の為に努力をし続けて来た選手やスタッフ達の事を考えると良いコンディションの下で走って貰った方が絶対的に良い。
見どころは早稲田がどこまで逃げ切るか、駒沢がどこで先頭に躍り出るか、佐藤悠基君擁する東海大が往路4分58秒差をどうやって克服するか?この差は果たして東海大にとっては“想定内”であったのだろうか?
3日の朝刊には新居監督の“どこまで追いかけられるか楽しみ”との強気のコメントが載せられていたが。
そして参考記録扱いとなる順天堂大選手達の走り。“区間賞記録を上回ってやれ”と心の中で思う。
早稲田大の加藤君がスタートをし、続いて駒沢大の藤井君が1分14秒後に出走する。下りは転倒による負傷が心配だ。そして残り3kmの平坦なコースでリズムを崩さない事も。
加藤君は険しい表情ながらペースを崩さない。昨年のユニバーシアード、ハーフマラソン5位は伊達じゃない。チェックポイントの計時でも駒沢大との差は縮まらない。昨年も6区を走っている加藤君がこの日ただ一人60分を切る昨年の自身の記録を1分33秒上回る59分15秒で区間賞を獲った。これで早稲田は山登り、山下り共に区間賞を獲った事に。6区の経験では藤井君も3回連続の山下りだ。しかし藤井君は平坦コースに入りやや失速。61分12秒の区間12位で早稲田との差を3分11秒に広げられてしまった。昨年は59分52秒、一昨年は60分41秒で走ったのだが。
ここの区間でもう一人光ったのは関東学連選抜、区間2位に快走を演じた平成国際大の佐藤雄治君。学連選抜は山登りと下り共に区間3位で箱根山の走りで順位を9位から3位に引き上げた。
そして東海大の昨年も山下りを走った皆倉君は昨年の自己記録を25秒更新する区間5位60分28秒で走り順位を三つあげ5番手で佐藤悠基君に繋ぐ。一番の注目選手の登場にテレビも彼の軌跡を追いながらの中継となる。最初の10kmを28分50秒で入り先行する中央学院大、山梨学院大を抜く、11.6km のラップタイムは32分28秒で区間新記録ペースだ。そして学連選抜、国学院大の川辺君にも並ぶ。川辺君は少しの間、原監督の指示通りに食い下がるが、佐藤君はそのまま振り切り更に先行する駒沢大を追うがややペースがダウンする。11.6km の二宮から18.1kmの大磯の6.5km は19分38秒で1km 3分1秒ペースとなった。最後の3.2kmを9分29秒でカバーし区間賞と区間記録を更新したが襷を渡した後やや足を気にする表情が気になる。インタビューによれば途中で痙攣が来たらしい。おそらく予想以上に差がついてきたのでスタートから入れ込みすぎたと思う。今年は北京五輪が控えているのでしっかりと疲れを取り今春以降の選考レースに備えてほしい。
東海大は佐藤悠基君の激走で3位にまで上がったがそれでも早稲田の石橋君が区間4位の走りで首位をキープ。2番手駒沢も豊後君が区間2位の快走で東海大との差をまだ1分39秒キープしている。東海大初優勝の為には8区芳村君の走りにかかって来た。しかし芳村君の走りが伸びない、前を行く駒沢大の姿が見えないせいか“入れ込みすぎた”走りとなって見える。それもそのはず駒沢大の深津君はハーフマラソンを62分台の記録を持ち10000m も28分43秒77の記録を持つ。この日も走りも快調で追い付かれるどころかむしろ首位を走る早稲田大の飯塚君を追い抜く勢いだ。しかし10000m のタイムでは深津君と1分以上あるのだが飯塚君も粘って崩れはしない。深津君は残り300mで26秒差まで追い込み最後は15秒差まで迫ったがこの区間での駒沢大の逆転はならなかった。
一方の東海大芳村君はどんどん差を広げられ結局山梨学院大の栗原君に抜かれ4位で前川君に襷を渡した。区間順位も18位に沈み、早稲田との差も6分17秒ついてしまい、佐藤悠基君が走る前とほぼ同じ状況に逆戻りしてしま行った。だが9区は我が母校京都西高校出身の前川君が走る。彼は昨年も今年も駅伝チームの主将に任命されている。彼が取り返せば最終区は10000m 28分台の荒川君が控えていたが……
9区 23.2km の区間は様々なドラマが待っていた。まず先頭争いでは 2.7km で駒沢大の堺君が早稲田大の三輪君を捉える。堺君は10000m 28分台の走力。三輪君は29分33秒。しかし必死に食い下がる。だがもう少し並走が続けば後続が追ってくると判断したのだろう、8.4km でついに堺君がスパートをかけ単独首位に躍り出ると三輪君は着いていけなかった。10km付近では大八木監督が自ら水を手渡し檄を飛ばす。私が学生の時大八木氏は川崎市役所から駒沢大に入学し箱根駅伝では花の2区で区間賞を取りチームを当時では最高の4位に導いた一人だった。
駒沢、早稲田の後方には中央学院大の篠藤君が先行する大学をどんどん抜いて行く。10000m は28分台、20kmを58分47秒で走る。予選会でも59分49秒4位で走り、そして2006年の日本選手権3000mSCでは優勝も果たした。その実績通り9区区間記録を38秒上回る68分1秒で走りきりチームも再び3位に浮上する。
中央学院大は予選会で2位だった木原君が花の2区を3位で走るなど今年は有力校を大いに脅かしレース前川崎監督はシード権獲得が目標と語っていたがそれどころか総合3位も見えて来た。
東海大は権田坂付近を通過した前川君は先頭とは6分36秒差がつき山梨学院大に抜かれ6位に落ちていた。結局前川君の最後の箱根駅伝は区間13位に終わりチームも7位に後退。この時点で今年の優勝から大いに後退する事に、だが悲劇はそれだけでは無かった………
レースもここまでくると今度はシード権争いと繰り上げスタートにも関心が寄せられる。8区を終えて10位に大東大と東洋大が並んで駆け込んだがその26秒後ろに12位日大が大東、東洋から2分27秒遅れて日体大。城西大が2分53秒遅れで、そして神奈川大が更に1分44秒遅れていた。城西大までがシード権争い圏内だろう。
9区の11.5km付近では東洋と日大が10位争いを演じていた。そして17.25kmでは大東大の住田君が立ち止まっている。只隈監督が水を手渡すなど何度もレースを続けられるか尋ねる。只隈監督も私が学生時代の箱根駅伝のスターで週刊誌にもイケメンランナー(当時はそうは表現していなかったけど)として紹介されていた。
只隈監督が何度か並走をしたが結局21.75km地点で住田君を抱かかえる様に止めてレースを止めさせた。
かつては優勝を狙う大学と言う印象があった大東文化大。その再建を担って腐心してきた只隈監督そして選手達の心中は充分に察する事が出来る…….
鶴見の中継所では東京農大の椎谷君が必死の形相で浜崎君に襷を繋ぐ。繰り上げスタートわずか4秒前だ。一方の法政大大森君はわずか43秒差で浜崎君に襷を繋げなかった。総合順位では法政の方が上だったのに、復路一斉スタートの明暗がここに出た。
トップを走る駒沢大、昨年も同じ区間を走った堺君は区間賞こそ篠藤君に譲ったが区間2位の走りで早稲田に1分21秒の差を付けてアンカーの太田君に襷を渡した。しかし三輪君も区間6位の走りで粘り、神沢君の走りに期待する。10000m のタイムでは神沢君が約13秒上回る。5.9kmの蒲田の地点では14秒縮めるが、その後は伸びない。18.1kmの御成門の地点では差が2分になったこの時点で駒澤大学の総合優勝が確信された。
こうなると焦点はシード権争いに移る。9区間を終わって帝京大が10位、53秒差で日大が続き、その18秒後に日体大、専修大が帝京大から4分17秒差で13位、ここ2年連続11位の城西大は4分21秒差がついた14番目であった。
11.94km 地点では東洋大が帝京大に抜かれて10位に落ち、その後ろを日大が迫っていた。18km地点では日大が東洋大に30秒差に迫る。そして20km手前でついに日大笹谷君が東洋大岸村君を捉える、東洋大シード落ちかと誰もが思ったその目の前に信じられない光景が、東海大の荒川君が大崎コーチに抱きかかえられている。あと2.2kmだったのに。優勝候補の東海大が棄権するとは、3チームもリタイヤするとは本当に悲劇以外の何物でもなかった。
これでシード権争いをしていた日本大、東洋大は10以内を確保し、その後ろから区間賞の好走で迫った城西大永岩君は結果的には3年連続11位でゴールする事に。城西大は1区と最終区で区間賞をとりながらシード権を取れなかった。
大手町のゴール前には駒沢大の太田君は終盤に残した余力を最後は充分に使い余裕の優勝テープを切った。続いて早稲田大の神沢君がゴールイン。その差は2分30秒であったが早稲田がここまで優勝争いをする事を予想する人は少なかっただろう。予想外と言えば3位の中央学院大、復路では早稲田を32秒上回り総合2位であった。そして4位には堂々関東学連選抜がはいり、翌年の予選会枠を一つ増やし重責を全うした。しかし来年は順天堂大、東海大と言った強豪が予選会に回って来る……
駒沢大の総合優勝はまさに総合力の優勝だ。区間賞は8区の深津君一人だけだったが区間2位が4区間(1区5区7区9区 ) そして第10区が区間3位、特に復路の7区以降は全て区間3位以内と言う安定した走りが続いた。
対照的だったのがもう一つの候補東海大。佐藤悠基君の区間記録、伊達君の2区区間4位と言った記録以外では10位以下の区間が5区間もあった。これでは佐藤、伊達の快走は生かされない。優勝を狙えるレース展開ではまったくなかった。
2位の早稲田は3区竹沢君の快走からうまくリズムにのり最後まで優勝争いに絡んだ。そして解説の瀬古氏の饒舌ぶりはさすが早稲田なんだろうなぁ….
3位中央学院、4位関東学連選抜の好成績は彼らの存在感を十分に見せつけられた。5位に山梨学院大学、6位に亜細亜大学が入り今後彼らが“伝統校”と呼ばれる日になるのも遠くは無いだろう。
4区阿宗君の区間賞は国士舘大にとって36年振りの区間賞だったらしい。当時は3人の選手が区間賞を取りチームも4位になった。それ以来の快挙とのことだった。
シード落ちの大学の中には専修大も含まれていた。エース座間君の走りが見れなかったのは残念だった。
そして3チームもリタイヤした事にこんご賛否両論が出て来るだろうが、陸上長距離経験者から見れば常に選手はぎりぎりのコンディションでやっている、無理をしないと勝てないのだ、と言う事だけは言わせてもらおう。
自分は挫折して陸上を辞めたのでどうしても付き添い等のレースに出られなかった裏方の人達に目がいってしまう。君達のその努力は将来絶対に役に立つよ。陽のあたる世界ばかり歩いているとその世界から身を引いた時になかなか順応できない。経験者の私がいうのだから間違いない。
さて私もメタボとの戦いに臨むために走りに行きましょう。
見どころは早稲田がどこまで逃げ切るか、駒沢がどこで先頭に躍り出るか、佐藤悠基君擁する東海大が往路4分58秒差をどうやって克服するか?この差は果たして東海大にとっては“想定内”であったのだろうか?
3日の朝刊には新居監督の“どこまで追いかけられるか楽しみ”との強気のコメントが載せられていたが。
そして参考記録扱いとなる順天堂大選手達の走り。“区間賞記録を上回ってやれ”と心の中で思う。
早稲田大の加藤君がスタートをし、続いて駒沢大の藤井君が1分14秒後に出走する。下りは転倒による負傷が心配だ。そして残り3kmの平坦なコースでリズムを崩さない事も。
加藤君は険しい表情ながらペースを崩さない。昨年のユニバーシアード、ハーフマラソン5位は伊達じゃない。チェックポイントの計時でも駒沢大との差は縮まらない。昨年も6区を走っている加藤君がこの日ただ一人60分を切る昨年の自身の記録を1分33秒上回る59分15秒で区間賞を獲った。これで早稲田は山登り、山下り共に区間賞を獲った事に。6区の経験では藤井君も3回連続の山下りだ。しかし藤井君は平坦コースに入りやや失速。61分12秒の区間12位で早稲田との差を3分11秒に広げられてしまった。昨年は59分52秒、一昨年は60分41秒で走ったのだが。
ここの区間でもう一人光ったのは関東学連選抜、区間2位に快走を演じた平成国際大の佐藤雄治君。学連選抜は山登りと下り共に区間3位で箱根山の走りで順位を9位から3位に引き上げた。
そして東海大の昨年も山下りを走った皆倉君は昨年の自己記録を25秒更新する区間5位60分28秒で走り順位を三つあげ5番手で佐藤悠基君に繋ぐ。一番の注目選手の登場にテレビも彼の軌跡を追いながらの中継となる。最初の10kmを28分50秒で入り先行する中央学院大、山梨学院大を抜く、11.6km のラップタイムは32分28秒で区間新記録ペースだ。そして学連選抜、国学院大の川辺君にも並ぶ。川辺君は少しの間、原監督の指示通りに食い下がるが、佐藤君はそのまま振り切り更に先行する駒沢大を追うがややペースがダウンする。11.6km の二宮から18.1kmの大磯の6.5km は19分38秒で1km 3分1秒ペースとなった。最後の3.2kmを9分29秒でカバーし区間賞と区間記録を更新したが襷を渡した後やや足を気にする表情が気になる。インタビューによれば途中で痙攣が来たらしい。おそらく予想以上に差がついてきたのでスタートから入れ込みすぎたと思う。今年は北京五輪が控えているのでしっかりと疲れを取り今春以降の選考レースに備えてほしい。
東海大は佐藤悠基君の激走で3位にまで上がったがそれでも早稲田の石橋君が区間4位の走りで首位をキープ。2番手駒沢も豊後君が区間2位の快走で東海大との差をまだ1分39秒キープしている。東海大初優勝の為には8区芳村君の走りにかかって来た。しかし芳村君の走りが伸びない、前を行く駒沢大の姿が見えないせいか“入れ込みすぎた”走りとなって見える。それもそのはず駒沢大の深津君はハーフマラソンを62分台の記録を持ち10000m も28分43秒77の記録を持つ。この日も走りも快調で追い付かれるどころかむしろ首位を走る早稲田大の飯塚君を追い抜く勢いだ。しかし10000m のタイムでは深津君と1分以上あるのだが飯塚君も粘って崩れはしない。深津君は残り300mで26秒差まで追い込み最後は15秒差まで迫ったがこの区間での駒沢大の逆転はならなかった。
一方の東海大芳村君はどんどん差を広げられ結局山梨学院大の栗原君に抜かれ4位で前川君に襷を渡した。区間順位も18位に沈み、早稲田との差も6分17秒ついてしまい、佐藤悠基君が走る前とほぼ同じ状況に逆戻りしてしま行った。だが9区は我が母校京都西高校出身の前川君が走る。彼は昨年も今年も駅伝チームの主将に任命されている。彼が取り返せば最終区は10000m 28分台の荒川君が控えていたが……
9区 23.2km の区間は様々なドラマが待っていた。まず先頭争いでは 2.7km で駒沢大の堺君が早稲田大の三輪君を捉える。堺君は10000m 28分台の走力。三輪君は29分33秒。しかし必死に食い下がる。だがもう少し並走が続けば後続が追ってくると判断したのだろう、8.4km でついに堺君がスパートをかけ単独首位に躍り出ると三輪君は着いていけなかった。10km付近では大八木監督が自ら水を手渡し檄を飛ばす。私が学生の時大八木氏は川崎市役所から駒沢大に入学し箱根駅伝では花の2区で区間賞を取りチームを当時では最高の4位に導いた一人だった。
駒沢、早稲田の後方には中央学院大の篠藤君が先行する大学をどんどん抜いて行く。10000m は28分台、20kmを58分47秒で走る。予選会でも59分49秒4位で走り、そして2006年の日本選手権3000mSCでは優勝も果たした。その実績通り9区区間記録を38秒上回る68分1秒で走りきりチームも再び3位に浮上する。
中央学院大は予選会で2位だった木原君が花の2区を3位で走るなど今年は有力校を大いに脅かしレース前川崎監督はシード権獲得が目標と語っていたがそれどころか総合3位も見えて来た。
東海大は権田坂付近を通過した前川君は先頭とは6分36秒差がつき山梨学院大に抜かれ6位に落ちていた。結局前川君の最後の箱根駅伝は区間13位に終わりチームも7位に後退。この時点で今年の優勝から大いに後退する事に、だが悲劇はそれだけでは無かった………
レースもここまでくると今度はシード権争いと繰り上げスタートにも関心が寄せられる。8区を終えて10位に大東大と東洋大が並んで駆け込んだがその26秒後ろに12位日大が大東、東洋から2分27秒遅れて日体大。城西大が2分53秒遅れで、そして神奈川大が更に1分44秒遅れていた。城西大までがシード権争い圏内だろう。
9区の11.5km付近では東洋と日大が10位争いを演じていた。そして17.25kmでは大東大の住田君が立ち止まっている。只隈監督が水を手渡すなど何度もレースを続けられるか尋ねる。只隈監督も私が学生時代の箱根駅伝のスターで週刊誌にもイケメンランナー(当時はそうは表現していなかったけど)として紹介されていた。
只隈監督が何度か並走をしたが結局21.75km地点で住田君を抱かかえる様に止めてレースを止めさせた。
かつては優勝を狙う大学と言う印象があった大東文化大。その再建を担って腐心してきた只隈監督そして選手達の心中は充分に察する事が出来る…….
鶴見の中継所では東京農大の椎谷君が必死の形相で浜崎君に襷を繋ぐ。繰り上げスタートわずか4秒前だ。一方の法政大大森君はわずか43秒差で浜崎君に襷を繋げなかった。総合順位では法政の方が上だったのに、復路一斉スタートの明暗がここに出た。
トップを走る駒沢大、昨年も同じ区間を走った堺君は区間賞こそ篠藤君に譲ったが区間2位の走りで早稲田に1分21秒の差を付けてアンカーの太田君に襷を渡した。しかし三輪君も区間6位の走りで粘り、神沢君の走りに期待する。10000m のタイムでは神沢君が約13秒上回る。5.9kmの蒲田の地点では14秒縮めるが、その後は伸びない。18.1kmの御成門の地点では差が2分になったこの時点で駒澤大学の総合優勝が確信された。
こうなると焦点はシード権争いに移る。9区間を終わって帝京大が10位、53秒差で日大が続き、その18秒後に日体大、専修大が帝京大から4分17秒差で13位、ここ2年連続11位の城西大は4分21秒差がついた14番目であった。
11.94km 地点では東洋大が帝京大に抜かれて10位に落ち、その後ろを日大が迫っていた。18km地点では日大が東洋大に30秒差に迫る。そして20km手前でついに日大笹谷君が東洋大岸村君を捉える、東洋大シード落ちかと誰もが思ったその目の前に信じられない光景が、東海大の荒川君が大崎コーチに抱きかかえられている。あと2.2kmだったのに。優勝候補の東海大が棄権するとは、3チームもリタイヤするとは本当に悲劇以外の何物でもなかった。
これでシード権争いをしていた日本大、東洋大は10以内を確保し、その後ろから区間賞の好走で迫った城西大永岩君は結果的には3年連続11位でゴールする事に。城西大は1区と最終区で区間賞をとりながらシード権を取れなかった。
大手町のゴール前には駒沢大の太田君は終盤に残した余力を最後は充分に使い余裕の優勝テープを切った。続いて早稲田大の神沢君がゴールイン。その差は2分30秒であったが早稲田がここまで優勝争いをする事を予想する人は少なかっただろう。予想外と言えば3位の中央学院大、復路では早稲田を32秒上回り総合2位であった。そして4位には堂々関東学連選抜がはいり、翌年の予選会枠を一つ増やし重責を全うした。しかし来年は順天堂大、東海大と言った強豪が予選会に回って来る……
駒沢大の総合優勝はまさに総合力の優勝だ。区間賞は8区の深津君一人だけだったが区間2位が4区間(1区5区7区9区 ) そして第10区が区間3位、特に復路の7区以降は全て区間3位以内と言う安定した走りが続いた。
対照的だったのがもう一つの候補東海大。佐藤悠基君の区間記録、伊達君の2区区間4位と言った記録以外では10位以下の区間が5区間もあった。これでは佐藤、伊達の快走は生かされない。優勝を狙えるレース展開ではまったくなかった。
2位の早稲田は3区竹沢君の快走からうまくリズムにのり最後まで優勝争いに絡んだ。そして解説の瀬古氏の饒舌ぶりはさすが早稲田なんだろうなぁ….
3位中央学院、4位関東学連選抜の好成績は彼らの存在感を十分に見せつけられた。5位に山梨学院大学、6位に亜細亜大学が入り今後彼らが“伝統校”と呼ばれる日になるのも遠くは無いだろう。
4区阿宗君の区間賞は国士舘大にとって36年振りの区間賞だったらしい。当時は3人の選手が区間賞を取りチームも4位になった。それ以来の快挙とのことだった。
シード落ちの大学の中には専修大も含まれていた。エース座間君の走りが見れなかったのは残念だった。
そして3チームもリタイヤした事にこんご賛否両論が出て来るだろうが、陸上長距離経験者から見れば常に選手はぎりぎりのコンディションでやっている、無理をしないと勝てないのだ、と言う事だけは言わせてもらおう。
自分は挫折して陸上を辞めたのでどうしても付き添い等のレースに出られなかった裏方の人達に目がいってしまう。君達のその努力は将来絶対に役に立つよ。陽のあたる世界ばかり歩いているとその世界から身を引いた時になかなか順応できない。経験者の私がいうのだから間違いない。
さて私もメタボとの戦いに臨むために走りに行きましょう。
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