Mr.コンティのRising JAPAN

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ワルシャワで聞いた吉報 なでしこアジア大会制覇 !!

2010-12-04 | Football Asia

11月22日、9年ぶりに訪れたワルシャワの早朝は曇っていた。
そして昼前から雨が降り出して来た。日中でも気温は10度まで上がらなかった。
氷雨のワルシャワの中心街を歩きながら携帯でアジア大会女子サッカー決勝戦の結果をチェックする。

    なでしこ北朝鮮を破り金メダル   

と云う見出しが映し出された。

よしっ !! よぉぉぉ~っっし !! ナデシコ !! ナデシコ !! 拳を握りこう叫びはしなかったけど、声には出した。
ついにアジアの公式大会で優勝を飾った。AFC主催でないのでオーストラリアは出ていないけど…

前回はPK 戦で北朝鮮に敗れていただけに、今回は優勝というよりも北朝鮮に勝てたことが嬉しかった。海外に商用で訪れている時ほどこういう日本代表の快挙に力づけられる事は無い。それはサッカーに限らず。ドイツ訪問時に
“来年はなでしこが来ますからね。今から楽しみなんですよ。” 
こう話す現地の邦人の方がおられた。彼もこのニュースを聞いてさぞ喜ばれた事と思う…… そして早く帰ってこの試合を見たいなぁ…と思った。

   

会社の同僚に録画をお願いしたアジア大会女子サッカーの決勝戦、普通結果の解っているスポーツの録画試合ほど面白くは無いものだが、こういう録画試合はいつでも歓迎だ。
なでしこも北朝鮮も3日前の準決勝戦は120分を戦っている。北朝鮮は準決勝の韓国戦ではスタメンだった李芸に替って17歳の全明花がMFでスタメン起用された他は同じメンバーだがなでしこは準決勝の中国戦と同じスタメン。1次リーグの北朝鮮では終了1分前に投入された矢野が右サイドバックでスタメン起用された。
北朝鮮は先述した全明花とこれまで3得点の羅恩心が1次リーグではベンチスタートだったがこの試合はスタメン起用された。特に羅恩心は準決勝の韓国戦では延長戦に入って2連続ゴールを挙げたストライカーで金英愛と2トップを組んだ選手。
 5月に中国で行われたワールドカップ予選を兼ねたアジアカップの1次リーグでも両者は対戦しているがその時は既に1次リーグ勝ちぬけを決めた後の試合でなでしこは欧州組みの宇津木、永里、安藤は起用されたが澤が起用されなかった。
そしてこの試合のスタメンの中では交替出場選手も含めて矢野、近賀、上尾野辺、宮間、熊谷ら5人が起用され、北朝鮮は MF 許恩別以外はすべて5月のアジアカップで日本戦を経験していた。

テレビ中継が始まった時は前半20分あたりだった。
大野が後方からのパスを上手く受けバウンドを利用してマークに入った鄭福深の前で強烈なシュートを放ちネットを揺らすが残念ながら弾道が直撃したのはサイドネットの外側だった。
そしてここから北朝鮮が攻勢に出てくる。ロングパスは早くて正確。そして中盤から後ろの押し上げも早い。日本がクリアーしたボールも直ぐに拾うのは北朝鮮の選手達。日本選手にボールを入っても寄せが早い。そして北朝鮮のDF、MF 陣は戻りも早い。17歳の許恩別、全明花は積極的に攻撃に絡んでくる。なでしこのエース澤は守備に腐心して前に出て来れない。
37分、金英愛が左サイドから上げたクロスから李芝が正面からヘッドを放つがGK山郷が左に飛んでナイスセーブ。その弾いたこぼれ球に全明花が走り込むが左サイドバックの上尾野辺がフォローに入りクリアー。 

42分にも金英愛が右から入れたクロスが熊谷の足に当たり金貞心の足元にこぼれるそしてそこから放たれたミドルはクロスバーを直撃する。 

観客席の一角には恐らく他の競技の北朝鮮選手団が陣取り声援を送る。
そして北朝鮮が攻撃に転じると地元観衆から大歓声が沸き上がる。“加油 !! “ の掛け声も当然北朝鮮選手団に向けてのものだ。ここにも反日教育の成果が表れているが、最後に彼奴等を黙らせてくれたのか、と嬉しく思っていると前半はスコアレスで終えた。シュート数は日本が4本に対して北朝鮮は3本だったけど試合内容は北朝鮮が優位に進めていた。

 

後半に入っても北朝鮮が試合をやや優勢に進める。しかし先に動いたのは北朝鮮ベンチ。MF金貞心を下げてベテランの李芸を入れる。
56分、大野が全明花に倒されイエローカードが出される。そしてそこで得たFKのこぼれ球を拾った高瀬がシュートを撃つが惜しくも外れる。
前半の大野のシュート以来初めて見た日本の攻撃らしい攻撃だったがそれよりも印象的なのはFKの時に聞こえた“ニッポン!ニッポン!”の声援。現地邦人の方達だろうか….試合終了後には彼らの勝利の歓声が鳴り響いた。

60分から再び北朝鮮の攻勢が展開される。李芝が阪口のマークに入る前に上げたクロスにCB熊谷、岩清水の間に割って入り羅恩心がヘッドを放つがクロスバーを越えた。61分には左からのクロスを受けた金英愛が後ろに戻し走り込んだ李芝が放ったミドルはポストの右に外れ、62分には右からのクロスをキャッチしようとした山郷に金愛英が体を寄せボールをファンブルして倒れるそのこぼれ球を拾った羅恩心のシュートは日本DFに当たってゴールラインを割ったが、これはキーパーチャージではと思わされたプレーだった。63分には上尾野辺が羅恩心を倒してFKを与える。李芸が入れたFKは中央に走り込んだ趙燕美と李英愛が交錯して倒れ誰にもボールは触れられなかった。 

劣勢続きのなでしこは64分上尾野辺に替って鮫島を投入するがこの選手起用が試合を左右した。これで北朝鮮の右からの攻撃をシャットアウトし北朝鮮の攻撃を大きく低下させた。そして北朝鮮の運動量が落ちて来た事により中盤でスペースが出来始めた。
そして73分、高瀬が栄貞仙に倒されて得たFKを宮間が中に入れるとGK洪明姫がパンチングでCKに逃れると再び宮間が入れたCKにCB岩清水がヘッドで合わせ見事に北朝鮮ゴールを割り決勝点を挙げた。崔英心と栄貞仙がゴール前に上がっていた澤の動きに惑わされマークが中途半端になったところを上手く岩清水が入り込み決めた見事なヘッドだった。 

  

     

先制を許した直後、北朝鮮ベンチは全明花を下げて金卿花を、83分には金英愛を下げて175cmの尹賢姫を入れるが金卿花も尹者姫も1次リーグの日本戦でスタメン起用された選手達。尹賢姫がトップに入り高さを生かして落としたところを羅恩心らが拾ってと云う戦術なのだろうが李英愛を下げてくれたのは助かったのではないか?

  

北朝鮮女子の金光民代表監督が映し出される。あのドーハでのワールドカップ予選では右サイドバックの選手だったが相対した勝矢に完封された事を思い出した。

なでしこの佐々木監督も82分に近賀を下げて川澄、89分にはFW大野を下げて北本を入れる。そしてロスタイムが4分と表示される。そんなに時間が止まっていただろうか??これも反日の影響かもしれない。
91分、CKから173cmのCB崔英心がヘッドを放つが僅かにポストの左に外れ、93分には左サイドから逆サイドのフリーの李芝に送られる。そこに熊谷、鮫島の2人が必死に戻りシュートを撃たせないが、あの距離からでも李芸がミドルを放っていたら解らなかった。
そして49分13秒、タイ人の Kamnueng 主審のホイッスルが鳴り響きなでしこのアジア大会初優勝が告げられた。

オーストラリアはいなかったが、北朝鮮、中国を降してのタイトル獲得は大きいと思う。しかも安藤、宇津木、永里といった欧州でプレーする選手抜きで戦った大会だった。だが何と言っても中国で開催された大会で中国を倒して決勝に進出し“アウェー”の中で勝ったことは嬉しかったし、その精神力には来年のワールドカップに向けて期待させられた。

女子サッカーの世界ではアジアの大会は結構ハイレベルだと思うけど今大会を見ると優勝した日本が決して頭一つ抜け出しているという訳ではなく、最近は韓国女子も急速に力を付けて来ている。今後の勢力図はどうなるだろう…..

アジア大会が終えて来年の女子ワールドカップの組み分けが決まり世界ランク5位の日本は23位ニュージーランド ( 6月27日 ) 、22位メキシコ ( 7月1日 )、10位イングランド ( 7月5日 ) と同組になった。何とかベスト8以上の期待が高まる。 

来年は5年ぶりにドイツでワールドカップ観戦を楽しもうか….

だけど家族にどういって説得しようか….これからゆっくり考えるとしよう。

 



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