Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

無念の惜敗 でもこれから……..

2008-02-01 | バスケ ハンド

23分26秒韓国、金泰勲監督がたまらずタイムをとる。門山がこの日初得点を決め、これで4連続得点。6点あった点差が2点差に縮まり 21-23 となった。日本の酒巻監督は拍手で選手達を迎える。残り時間から考えても逆転のチャンスはまだまだあった。連続得点後のタイムアウトに流れを切られる気がしたが、ここは切り替えて新たに得点を積んでいこうと勝手に私はテレビに向かって呟いた。
タイムアウトが終わり,試合が再開される。日韓のサポーターの応援がすごい。そこに身を置けなかった事を非常に残念に思う。23分56秒に白元のシュートが決まり
3点差に。しかし直後にベテラン山口のシュートに対してのファールで 7m Throw が与えられ、末松が決めてまた2点差。24分55秒、日本ゴール前で日本DFが反則を取られ韓国ボールに。この判定に酒巻監督は少し不満顔。そこから鄭秀泳を経由して尹京信から左サイドの回った白元に渡り撃たれたシュートが決まり再び3点差。
時間は25分1秒、残り時間5分を切った。その直後の25分21秒、すかさず門山が決めて23-25 の2点差に。しかしその後の韓国の攻撃時、朴重奎のシュートを防ごうとしたディフェンスがラインクロスを取られ 7m Throw が韓国に。5年振りに代表に復帰したベテランGK四方に期待がかかったがこれは止められずまたも3点差に。
時計は26分17秒。時間が無くなっていく中早く攻めたい日本は26分46秒、エース宮崎が高い打点からのジャンプシュートを決め 24-26。その後の韓国の攻撃に対し日本はしつこいマークで尹京信にシュートを撃たせず攻撃に転ずる。ここで決まれば
1点差。しかしポストプレーに入ろうとした山口にボールが入らず、速攻に転じられ、鄭秀泳からボールを受けた白元に決められ 24-27に。白元はタイムアウトから再開後これで3得点目。この得点でほぼ試合が決まったかもしれない。28分15秒、宮崎が今度は右から撃つがGK姜一求に止められる。そして韓国ベンチでは勝利を確信したか金泰勲監督がガッツポーズを見せる。それでも満員の観客からのボルテージは上がる一方だ。29分05秒、白元が豊田を外して左サイドからこの試合9得点目を決め24-28。タイムアウト前に2点差まで詰めた点差は4点差に。29分36秒、古家が意地のシュートを決めて25-28 。しかしリスタートから韓国はゆっくりとボールを回し始める。韓国からのサポーター達はもう喜び始めている。主審がシュートを撃つ意思無しと判断し、日本ボールに。すぐに前に送るが届かずボールはそのままゴールラインを割ってしまう。そして時計の針が….30分00秒を指した…………

2008年の七草明けはハンドボールから始まったと言えるかもしれない。ワイドショーでも取り上げられるようになった中東の笛を因とした五輪再予選。個人的にはやっとハンドボールの五輪予選が関東地区で開催されると言う嬉しさもあった。残念ながらチケットは女子の試合しか入手出来なかったが、それでも試合はテレビで生中継されラジオででも。 この日は勿論仕事なんかすっ飛ばして自宅でテレビ観戦に専念した。しかしテレビの前に到着したのは午後7時18分。スローオフ寸前だった。満員の代々木体育館。観客数は 10,257 人。そこに居られなかったことを残念に思う。当日券も無理すれば買えたかな…..と思った。
日本のスタメンはエース宮崎大輔、怪我から復帰の190cm の富田恭介、主将の中川善雄、190cm の門山、そして富田賢治に GK は34歳ベテランの坪根敏宏。一方の韓国は尹京信の弟、尹京敏、金泰完、190cm の朴重奎は9月の五輪予選の日本戦では9得点、 大ベテラン37歳の趙致考、そして大同特殊鋼でプレーする李才佑と白元。注目の尹京信はベンチスタートだ。
大歓声の中、韓国のスローオフで始まった大一番。先制点をと思うも39秒、白元のシュートが決まり韓国が先制する。早く同点に、と思うが門山のシュートを韓国GK姜一求がストップ。すると日本GK坪根も鄭秀泳、李才佑のシュートを連続して止める。両GK 共に当たりの良い立ち上がり。でも少し時間が掛かりすぎるなぁと思った4分7秒、長身の富田が正面から決めて同点に。5分21秒には中川が金泰完をかわして正面やや右から決めて逆転。もう1点決めて2点差にして主導権をと思う。逆転された韓国はオフェンスファールを取られ日本ボールに。そこから繋いで門山が撃つがクロスバーを叩く。このシュートが決まっていれば試合展開はもう少し日本が優位な展開に変わったかもしれない。
韓国は6分30秒に李才佑、7分00秒に尹京敏の連続得点で 3-2 と逆転するが、3失点目は門山から宮崎へのパスがカットされてそのままシュートに持ち込まれたもの。やはりミスは避けたかった。そしてこの時間帯からお互いのGKがファインセーブを連発する。中川の倒れ込みシュートを姜一求が止めれば坪根が鄭秀泳のシュートをストップ。すると姜は末松の正面からの一撃を顔面で止め、バルセロナ五輪ベスト7メンバー趙致考のシュートを坪根がブロック。このGKのファインプレー合戦を止めたのは左に流れてシュートを放った宮崎。10分17秒、3-3 の同点に追いついた。

          

ようやく決めたエースの宮崎、この後、鄭秀泳に何か激しく怒鳴っている。宮崎がシュートを放った時後ろから手を出したのだ。このプレーで鄭秀泳は2分間の退場。これは逆転のチャンスと思うが10分40秒右から李才佑に決められ韓国がリードを奪い返す。するとここで韓国ベンチは尹京信を投入するが中川のシュートが止められ、韓国のオフェンスとなるがすぐにベンチに引っ込む。おそらく1人少ない時間帯に尹京信の体格を守備で生かしたかったか?日本は相手が一人少ないチャンスを生かせず12分18秒にはリードされたまま191cmの武田が退場になり今度は日本が一人少ない戦況に。12分44秒に李才佑に決められ 3-5 。この試合初めて2点差とされる。李才佑は前半、大いに日本を苦しめ、この時点で総得点5点中3点を決めた。日本はここから巻き返し13分19秒宮崎から末松にボールが通りそのまま末松のシュートが決まり1点差。ここで再び尹京信が投入され今度は世界レベルの攻撃力を生かそうとするも門山のしつこいマークでシュートを撃たせない。そして白元のシュートを止めると、シュート体勢に入った門山が尹京信、鄭秀泳に挟まれるようにして倒されエリア内ファールを貰い末松の 7m Throw で同点に追い付く。しかしこの後末松が退場になり日本が一人少ないピンチに。6-7 とされ、18分50秒、富田のキャッチミスを拾われ速攻に移った白元に決められ 6-8 に 19分7秒末松から受けた富田がポストからシュートを決めて1点差に戻すも、ここから鄭秀泳、7m Throw を白元に決められ連続失点で 7-10 と3点差に。23分25秒には日本も 7m Throw を貰う。ここで韓国ベンチはGKをアジア大会にも出場したスイス、オマールでプレーする韓景泰に替えるが末松が決めて8-10。韓はすぐにベンチに下がり以降姜一求がゴールを守り通す事に。 23分56秒に尹京信がほぼ正面から決める。このシュートの速い事速い事。しかし尹のシュートが脅威を示したのはこの1本のみ。この試合は結局2得点に終わった。尹京信は抑えたのだが….. 日本も豊田が決め食い下がるが連続得点が生まれない。一方の韓国は朴贊龍、李駄栄の連続得点で 9-13 と4点差をつけられここで酒巻監督はタイムアウトを取る。時計は25分24秒だ。
20分過ぎから韓国が守備体型を 6-0 に替えそれから日本は攻撃のリズムが悪くなる。韓国は強引に日本のDF陣の中に入って来る。24分40秒の朴贊龍の得点はその前に李才佑の強引なドリブルに日本DF3人が寄ってしまい朴贊龍がフリーになってしまった為。また宮崎もマークがきつくシュートに持ち込めない。守備ではGK坪根が相手GK姜一求同様ファインセーブを連発するが、攻撃への切り替えが遅く韓国に余裕で戻られてしまっている。
タイムアウト後、豊田、尹京信がそれぞれ決め、29分20秒に宮崎がこの日の2点目を決め 11-14 とする。そして前半終了間際の韓国のシュートを坪根が止めてそのまま前半を終えた。点差は3点つけられたが、前半終了間際に得点を挙げ最後に失点を防ぎ後半、期待できる終わり方でもあった。しかし出来ればリードしたまま前半を乗り切って欲しかった。
尹京信、趙致考と言った Bundesliga でプレーする二人は抑えた。だが尹京信はコンディションがいま一つなのか出場時間は短かった。問題は李才佑に4点、白元に3点と日本でプレーする選手を抑えられなかった事。彼らの方が相手の特徴をよく知っていたか?日本は末松が前半を終わって5得点と気を吐いたが宮崎はマークが厳しかったせいか2得点に終わった。前半のシュート数は韓国が24, 日本が18。そして退場者数が日本2に対して韓国1。その差が得点差に表れた。そして日韓両GKのファインプレーが目立った。 後半日本はどうやって3点差を埋めていくのだろう…..

    

日本の Throw Off で始まった後半、26秒、宮崎のシュートはGK姜一求がストップ。前半同様、後半も最初のシュートが止められる。そして白元が61秒に決めて 11-15 と4点差。これまた前半と同じ後半最初の得点が白元だった。しかしその直後に宮崎が巨漢、尹京信の横を破ってのシュート、富田は門山からのボールを受けてのシュートをそれぞれ連続で決めて 13-15と2点差に詰め寄る。だがここから韓国は3連続得点で 13-18 と引き離す。日本もこの約2分半の間、門山がサイドハンドシュート、宮崎が左サイドからシュートを撃つがGK 姜一求に止められじりじりと点差が開いていく。古家の退場も痛かった。6分36秒にようやく富田が連続失点を止めるシュートを決める。7分00秒鄭秀泳が富田へのチャージで退場になる。そして7分47秒宮崎のパスを受けた古家が決めて 15-18 と3点差に。まだあと1分以上日本は1人多いままプレーできる。この間に点差を詰められればと思うが韓国は遅攻で上手に時間を稼ぎ、8分4秒に22歳の鄭義京にワンバウンドするシュートを撃たれてまた4点差に。ここで日本ベンチは後半当りが止まってきたGK坪根に替わって四方を投入する。 8分36秒に朴贊龍が下川へのチャージで退場となる。今度こそこのチャンスを生かして欲しいと思う。9分6秒古家のシュートはポストを叩いたがそのこぼれ球を拾った山口が決めて 16-19 とする。その後の韓国の攻撃も白元のシュートをGK四方が止めたり、山口がDFで踏ん張るなど失点を許さない。山口は 1997年熊本で開催された世界選手権のメンバー。その時のメンバーでは岩本昌典と共とこの大一番のベンチ入りを果たした。この一人少ないチャンスも点差は飛躍的には縮まらず11分24秒白元に決められ 16-20 の4点差に。この白元のシュートは一度フェイントのジャンプを入れてから放った技ありのシュート。尹京信、趙致考の次に警戒せねばならない選手に要所で決められ得点差が縮められない。


11分50秒に中川が決めて 17-20 とするが、ここから韓国は3連続得点で日本を突き放す。12分22秒には鄭義京から鄭秀泳に繋いだスカイプレーで、12分54秒には鄭秀泳が連続ゴールを決め、15分34秒には李駄栄が決めてあっという間に6点差がついてしまい、酒巻監督はたまらずタイムアウトを取った。この間約3分間、日本も応戦はするがそれに立ちはだかったのがGK姜一求。中川、末松そして宮崎のシュートをことごとくスーパーセーブで防ぐ。

              
   
その後の宮崎のシュートがポストに当たるなど運も無かった。また山口のポストプレーも相手DFに読まれているみたいだった。 この連続失点の間でもベテランGK四方が尹京信の 7m Throw をストップするなど大観衆を沸かせたが流れを引き寄せることが出来ない。 6点差になった時点で 残り時間15分弱。北京への路がだんだん遠のいていく。後半から韓国はずっと 6-0 の守備体系を敷いている。そのせいか、後半はこの時間まで日本は6得点しか挙げられない。GKが好守を連発しているだけにもっと攻撃にリズムが出てもいいのだが速攻が見られない。残り時間と得点差を考えれば攻撃に時間は掛けたくない。満員の観衆の為にも今後のハンドボールの興隆の為にも最後の大切な15分弱となった。

タイムアウトの間、酒巻監督はどんなアドバイスを与えたのか、試合再開後の日本の動きが良くなった様な気がした。16分29秒にはエース宮崎が決めて5点差に。会場からは“ダイスケコール”が起こる。韓国が攻撃に転ずるが鄭秀泳のシュートをGK四方が顔面の右側面に当てて止める。少し痛んだか時計が止まるがここは四方の“技あり”の間の取り方かもしれなかった。会場からはサッカーの試合でよく歌われる “ Oh Vamos ニッポン “の応援歌が合唱される。後で聞いたがサッカー関係者から青色の応援グッズが差し入れされたとの事。 
18分を過ぎると韓国は攻撃に時間を掛ける様になる。18分41秒に世界選手権熊本大会メンバーだった198cmの岩本が撃つがGK姜一求が止める。しかし19分4秒に古家が決めて3点差。これはメンバーチェンジでコートに入ろうとした豊田がインターセプトを狙ってコートインしそこから生まれたチャンス。 
19分26秒下川が相手DFラインに割って入って撃ったシュートが決まって3点差。この試合初めての3連続得点に観衆から大歓声が沸きあがる。ここで韓国ベンチは試合を落ち着かせようとする意図かベテラン趙致考を投入。豊田のシュートが止められた後の22分49秒、門山が決めて 21-23。これで4連続得点。後半2分30秒に富田が決めて 13-15 として以来の2点差となった。それまで9mラインの外側を左右に回すパスばかりが目立ったが6点差を付けられて開き直ったように相手DFラインに向かっていく縦パスが顕著になり連続得点に結びついたか….
その後の韓国の攻撃をうまく止めたところ23分26秒韓国、金泰勲監督がタイムアウトを取った。大歓声に送られ日本の選手もベンチに戻っていく。頼むぞ、逆転できるぞ。いけるぞ。北京だぞ….テレビに向かってそう呟いた…

この試合での五輪権は獲得出来なかった。韓国選手団、そしてサポーター達の喜びが爆発する。これで対韓国戦は18年勝ち星なしの2引分を挟んで16連敗。 男女揃って韓国の軍門に降ったがこれが実力通りの結果だろう。男子は期待したが。 敗因は何だったのだろう? 
ここぞと言う時にGK姜一求に止められ、さぁこれからと言うときに白元に決められた印象が拭えない。

            

尹京信は2得点に終わったが、コンディションがあまり良くなかった様だ。と言うよりもこの試合, 彼は注意を引き付ける役目を担っていたか….1985年、東京での日韓戦の崔淳鍋の様に…….
日本はもっと速攻が出なかったか?そして韓国が時折見せたスカイプレーも見せて欲しかった。白元の他にも 5得点の鄭秀泳、4得点の李駄栄、李才佑。彼らを見ていると70年代から80年代日本を苦しめた韓国サッカー界を思い出す。エース格の車範根、崔淳鍋 (尹京信、趙致考 )よりも李栄武、許丁茂、李泰昊といった“うるさ型”の選手に痛い思いをさせられた記憶が蘇る。だけど日本も尹京信の様な大砲が欲しいなぁ。かつての“世界の” 蒲生晴明の様に。こういう選手がいてこそ宮崎、末松がさらに生きて来ると思う。ロス五輪で蒲生の現役時代のプレーをテレビででも見られたことは幸せなことなのかもしれない。最近の子供が王、長島、そして釜本を知らない様に。
涙に暮れる日本選手団。そこに観客席から“まだ終わってないよ。”と、声が掛かる。 5月には世界最終予選に一縷の望みを託す。対戦相手はロシア、クロアチアそしてアルジェリア。サッカーなら全勝する自信あるんだけどな。(関係ないか??)
昨年の世界選手権ではクロアチアが5位、ロシアが6位、そして予選ラウンドでは韓国がクロアチアに 23-41 で破れ、ロシアとは32-32で引き分けている。韓国はこの大会16位、日本は2006年のアジア選手権(バンコック)で5位に終わり出場できず。
アルジェリアとて Easy な相手ではないだろう。
アテネ五輪ではクロアチアが金メダル、銅メダルはロシアで韓国は8位だった。ここでも予選リーグで韓国はクロアチア、ロシアと同じ組に入りクロアチアに 26-29, ロシアに 35-32 と言う戦績を残している。最終予選は非常に厳しい戦いとなるが案外ロシアと韓国の試合を分析できれば少しは可能性が上るかも?? しかしもっと大切なことはこれからハンドボールをもっともっとメジャー化することだ。多くの人が忘れているかもしれない、サッカーではアジアの壁を破ってワールドカップ出場を決めたのも、五輪に28年ぶりに出場権を獲得したのもJリーグが発足してからでそれまではまだアジアの中でも位置付けはトップクラスではなかった。
この再予選でハンドの魅力が広く紹介された事だろう。 日本リーグもまだシーズン中だし2月17日からイラン、イスファハンで世界選手権予選を兼ねたアジア選手権が開催される。(でも日本は選手団を派遣できるかな….) 2年毎に開催されるアジア選手権そして世界選手権を追っていけば楽しめると思う。これまではテレビ中継はおろか新聞に結果さえ載らなかった大会だ。アジア選手権が日本で開催される時があればは東京でやって欲しいなぁ……….

30日の試合後私は2003年のFIFA U-20 の決勝トーナメント1回戦、日韓戦の試合のビデオをみた。この日の悔しさを紛らわすために…