Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

実力以上 いやこれが実力差……しかしこれからも...

2008-02-03 | バスケ ハンド
代々木体育館に出掛けたのは何年振りだろう?少なくとも結婚してからは…。 
ハンドボールの試合観戦も……。ほぼ20年ぶり、日本リーグの試合を観て以来かなぁ…. しかしそれには“言い訳”がある。ソウル五輪以降4回五輪予選が日本で開催されたが関東地区で開催された事は無かった様な…….
関東地区でメジャーな大会が開催されないからそのスポーツがメジャーで無いという判断をされるのなら関西出身の私としては少し腑に落ちないが…….. 

                       

1月29日。ハンドボールの北京五輪再予選の第一ラウンド。女子の日韓戦。もちろん仕事なんかすっ飛ばして代々木体育館に向かった。しかしゴール裏のアリーナ席に向かう途中で国歌が始まってしまい着席出来たのは試合開始数秒前だった。自分の遅刻グセには我ながら呆れてしまう…. やっと着席するも試合は始まってしまい落ち付く暇なく開始20秒呉成玉 右から洪延昊のパスを受けて中央から先制ゴールを決めた。あぁやっぱり韓国はちゃうわ、この日のメンバーはアテネ五輪メンバー8人を含んでいる。このチームを相手に..と思っているとこのシュートはサイドネットに入ったとの事でノーゴール。ほっと胸をなでおろすも。その後攻撃に転じた日本はゴール前で田中美音子がキャッチミスでシュートが撃てず、1分11秒ポストに入った呉成玉からボールを受けた金且妍のシュートで韓国が先制するがその直後東浜裕子が同点シュートを決める。女子は男子以上にチーム力に差があり、昨年カザフスタンのアルマトィで行われた五輪予選では日本が“歴史的な勝利”を挙げた事になっているがこれはカザフスタンを勝ち抜かせる為に、候補の韓国を追い落とす為に“中東の笛”が結果的に日本に優位に働いたもの。 この日のメンバーでもGKの呉令蘭を始め、金且妍、呉成玉、 李尚恩、文弼姫、明福姫、朴貞姫、そして禹仙姫 がアテネ五輪メンバー。そして6位に終わった昨年末フランスで開催された世界選手権のメンバーがほぼそのままこの試合に臨んでいる。また2006年12月ドーハでのアジア大会金メダルメンバーは9人含まれている。この時は予選リーグで日韓は対戦しエースの呉成玉抜きで 28-21 と日本を降している。
一方の日本は世界選手権19位。五輪には32年間8大会御無沙汰。2006年のアジア大会では禹仙姫、金且妍そして明福姫に4点ずつ決められている。日本は長身185cm の谷口尚代が4得点そして金城晶子が7得点と頑張ったが力の差は歴然だったらしい。この実力差を埋めるには戦術もさることながら、GKが奇跡的なセーブを連発する事、ミスをしないこと。そしてホームの大歓声に乗る事と思った。

同点に追い付き、何とかリードを奪いたいと思うが1分58秒、李尚恩がシュートを撃ちに強引に東浜、谷口の間に割って入ってファールを貰い 7m Throw を得る。これを明福姫が決めて韓国がリードを奪う。3分34秒にもエリア内ファールで7m Throw を献上し連続して明福姫に決められる。韓国はさらに得点を重ね、9分13秒に李尚恩に決められ時はもう 1-7 に点差が開いていた。この間日本もスペインでプレーする早船愛子のシュートがGK 呉令蘭に止められたり、水野恵子のシュートがサイドネットに行ったり、藤井柴諸のシュートがポストを叩くなど得点に結び付けられず、また攻撃時のミスから失点に結びつけられたり。1-4 とされた後の6分12秒にはエース呉成玉が退場になるなどの好機を生かせない。 1-6 とされた7分47秒にたまらずバウアー監督がタイムアウトを取るがその後の日本の速攻で最後は東浜がハンドリングミスをするなどリズムに乗れない。私の座席の左手に陣取る韓国からの大応援団は序盤からリードを広げる自国の攻勢に応援のボルテージは上がりっ放しだ。 
李尚恩がチーム7点目を決めた直後に日本のリスタートを邪魔して退場に。その後日本がようやく東浜のシュートが決まり、その後も主将の佐久川ひとみが右から左に流れて決めて3-7 とする。すると韓国のイムヨンジョル監督は4点リードしていながらこの早い時間にタイムアウトを取る。ここで何か感じたのだろうか?タイムアウト明け、呉成玉が右に流れて撃ったシュートが決まり、その後の安貞花の連続シュートも決まり3-10 と日本をまた突き放す。安貞花が得点を決める度に安貞桓が決めた様な錯覚におちいるけど….今韓国では安貞花と安貞桓のどちらの名が通っているのだろう….
日本は攻撃が中に中に入りそこを固められシュートを撃てない。そこで13分を過ぎると長身の谷口が右に流れてシュートを決め、14分27秒には田中がポストに入った東浜とのパス交換からシュートを決め15分54秒には谷口がまた右に流れて放ったシュートが決まり3連続得点。この間も韓国の攻撃をGK勝田洪延昊、呉成玉のシュートをファインセーブを防ぐなどリズムを作るが韓国のGK呉令蘭も谷口のシュートを防ぐなど目の前で繰り広げられるGKのファインプレーも堪能する。
前半の約半分が過ぎ、これからの巻き返しを…と期待するがここからまたも韓国の連続得点が始まる。16分42秒には左サイドから安貞花が決め、17分30秒には呉成玉が決める。ここで日本ベンチはミドル、ロングシュートも撃てる藤井、植垣暁恵を入れるが18分20秒の藤井のシュートはゴール枠を外れる。18分30秒には禹仙姫に決められ、この禹仙姫のシュートにチャージに入った坂元智子がファールを取られて退場に。19分9秒、藤井が明福姫へのチャージで 7m Throw。これを明福姫がそのまま決める。19分55秒、藤井のシュートが外れた後の韓国攻撃から洪延昊が決めて5連続得点で 6-15 と9点差がついた。
タイムアウトは既に使っているので何とか流れを止める術は無いかと思うが、20分20秒に右サイドに流れた谷口が決めて連続失点を5でやっと止めた。21分9秒には東浜のシュートを止めに入った洪延昊がエリア内ファールを取られて 7m Throw を貰う。ここで韓国はGKを呉令蘭から李姫に替えるが田中が 7m Throw を決める。するとGK がまた呉令蘭に戻る。このまま李姫が続けてゴールを守ってくれたら良かったんだけど…….. しかし、日本はその後連続得点が挙げられず前半は 12-18 、6点差で終わった。 25分過ぎから日本もようやく動きが良くなり攻守にわたって韓国と対等にやれるようになったが、韓国の様にもっとサイド攻撃を使えないものか…と思う。そして期待の早船愛子がなかなか得点を挙げられず26分11秒になって決めた1得点のみ。またシュート数も韓国31に対して日本は26。シュート数の半分も得点に出来なかった。

                     

ハーフタイム中に韓国応援席から歓声が上がる、どうやら”私達生涯最高の瞬間”に出演している韓国のモン・スリ、キム・ジュヨン両女優が韓国の報道陣のインタビューに答えている。それから一般のサポーター達と写真も撮っている。俺もあっちで観戦したら良かったかな……. チアガールもいるし…….

後半に入って日本は何か現状を打開するだけの方策はあるのだろうか??開始21秒、田中が前半で見せた様なポストとのパス交換から後半最初の得点を決めて 13-18。その後両チームとも速い展開で攻撃に転じるが1分41秒早船のシュートは外れ、1分26秒洪延昊のパスを受けた金且妍のシュートはGK勝田がストップ。すると今後は呉令蘭が坂元のシュートをストップ。3分9秒にはまたも早船のシュートが今度は李尚恩がブロック。先に日本が後半2点目を入れてくれよと思うが4分22秒から安貞花が決めてまたも6点差。それでも5分4秒には田中が金且妍をかわして放ったシュートが決まる。だが5分41秒今度は金且妍を青戸あかねが倒して退場になり 7m Throw を与え、明福姫が決めるとそこから1人少ない日本は禹仙姫に連続得点を許し14-22 と8点差に広げられる。8分5秒にようやく植垣のシュートを止めた韓国DFがラインクロスを取られて7m Throw を貰い田中がこの日6点目を決めて連続失点を3で止めた。 7点差とは言え時間はまだ20分以上ある。ここは1点ずつ詰めてと思うも日本には連続得点が生まれない。攻守の切り替えが遅いのが原因なのだが、攻守の際に選手を一人ずつ入れ替えるのが原因。オフェンスに移る時はそのまま速攻を生かす事を優先させても良くなかったか? その中でも日本はGK勝田が10分24秒明福姫、14分52秒には李尚恩の 7m throw をストップする。

                     

攻撃では長身の谷口が連続得点を決める。18分56秒には早船が”らしさ”を見せて正面からシュートを決め19-26 とするがそこからまた韓国の連続得点が始まる。それも日本のミスから速攻を許しての失点。格上の相手にはミスは禁物なのだが….. 

                        

15分を過ぎると韓国ベンチは呉成玉をベンチに下げる余裕を。その呉成玉は21分39秒にベンチに下がった時には李尚恩と談笑する余裕も…….
22分00秒田中がこの日7点目を決め連続失点を止める。33歳ベテランの田中美音子の五輪挑戦はアトランタ大会から始まり4回目。これが最後の挑戦か。何とか晴れの舞台にと願うが…. 24分36秒、22歳のサウスポー藤井が決めて 21-31 とするが残りの5分は韓国の連続得点で試合を締められた。 もう最後は試合よりも韓国サポーターの方ばかり見ていた。

                                        

ワールドカップ日韓大会でよく耳にした”テ~ハミングッ!! “ “ オ~ピルスン ( 必勝 ) コレアッ !! “ のリズムに合わせてチアガールの娘達が器用に踊っている。韓国が得点を重ねるに連れてボルテージも上がり、彼女達の踊りも躍動感が上がって来る。そしてタイムアップ。彼女達を含めた韓国の大応援団から一際大きい大歓声が沸き起こる。悔しいなぁ……..こうなる事を予想していたけど負けるのは悔しいなぁ……..
おそらく韓国の選手達は勝って当たり前、嬉しいと言うよりも安堵している事だろう。

                       

日本は序盤から攻撃時のミスが少なくなかった。これは韓国のプレシャーがきつかったからだろう。守備に回っても特に試合開始直後は韓国の力強い攻撃に後手を踏む様だった。呉成玉4点、禹仙姫が7得点、そして安貞花6点、要注意選手達にやられている。

                     

日本は田中が7点、谷口が5点。しかし早船が2点と抑えられたのも痛かった。2年前のアジア大会の韓国戦でも早船は1点に抑えられた。 

                     


3月にルーマニアで開催される最終予選では昨年世界選手権 4位ルーマニア、9位クロアチアそして11位ポーランドが相手だ。この3カ国もアテネ五輪は出場出来なかっただけに最終予選での意気込みは想像できる。さらに厳しい予選となるがハンドボールも魅力的なスポーツだ。もっともっとスポットが当たるべきだ。昨年12月に世界選手権に出場しているのだがそのことを知っているマスコミ、”スポーツジャーナリスト”はどれだけいるのだろう?? 

原宿駅に向かう途中多くの韓国人が嬉しそうに試合を振り返っていた(と言っても私は韓国語を理解できないが…..)体育館を出たら雨が降っていた、雨の中翌日の男子の健闘を願った……….. ハンドボールをブームで終わらせたく……この再予選をきっかけに多くの人が立ち上がる事を願う。