Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Grand Final が終わって......

2008-02-28 | Aussie & Kiwi
試合が終わり選手達のウィニングランが始まる。選手が近づいたスタンドではサポーター達が大歓声を上げる。 そしてこれから行われる表彰式が正面で見られる反対側のスタンドに向かって通路を駈けていると帰途に着くMariners のサポーター達も。まず敗れた Mariners の選手達にメダルが贈られたが最初に呼ばれたのが Tony=Vidmar だった。そしてようやく Jets の選手達にメダルが授与され最後は優勝杯が手渡される。そしてスクリーンにその姿が映し出されスタンドに残っていた Jets サポーター達から大歓声が再び湧き上がる。
しばらくその光景を眺めていたら、一人の男性が声を懸けて来た。私が来ていた Celtic の Nakamura のレプリカ(と言ってもタイ製なんだけど)を見て声をけたらしい。彼も Celtic の(こちらは本物そうだった)レプリカを着ていた。彼は5カ月前に家族でScotland からオーストラリアに仕事の関係で引っ越してきたらしい。一緒に写真を撮ったり、Celtic の話を数分間したら彼の方から“ビールでも飲みに行かないか?”と誘われた。特に断る理由もないので “OK, why not “ と応えた。話をしたのがスタンドの最前列。ピッチは手に届きそうなところだ。すると目の前に Joe Marston が。試合前のセレモニーで今は Central Coast に住んでいる Marston がこの試合の特別ゲストとして招かれた事が紹介され、この試合のプログラムである 90 minutes にも紹介されていた。 Joe Marston と言えば 1954年に Preston North End の選手としてオーストラリア人で最初に FA Cup の決勝戦に出場した伝説の選手らしい。 当時の年齢は28歳。今年で82歳になるが実際は 90 minutes の写真より若く見え、足取りもしっかりとしていた。彼にサインをもらおうと声をかけようとするがMarstonの周りにいた人達と話をしていてこちらを向いてくれない。すると私の意向を察した Celtic のレプリカを着た彼がすぐ近くにいた警備員に”すまないが、日本から来た友人の為にあそこにいる Joe Marston にサインをもらってくれないか?“と頼んでくれ、その警備員が 90 minutes とサインペンを持って Marston の所へサインをもらいに行ってくれた。 Marston は喜んでサインをしてくれ、そしてサインを頼んだのは誰かと警備員に尋ねている様子。警備員は私の方を指さすとこちらに歩み寄ってくれた。 Celtic の彼が”この友人は日本から Grand Final の為にやって来てあなたを見つけました….” と説明してくれた。 Marston はサインをしてくれた 90 minutes を直接手渡してくれ握手までしてくれた。日本の試合では考えられない快挙だ。警備員とCeltic の彼に丁寧にお礼を言う。
“ よしビールを飲みに行こう “ とCeltic の彼が言ったので競技場の出口に向かうと、何と昨年 ACL の Sydney FC 戦の時にさいたまスタジアム2002 で会って、7月のアジアカップではバンコックで再会したオーストラリアのジャーナリストとまた出会った、と言うか出会う事も期待していたのだけど。彼は日本人の奥さんを貰った事は彼の同僚から聞いて知っていた。“日本女性との生活はどうだぃ?”と訊くと日本語で “まぁまぁ…” と答えた。彼はサッカーダイジェストにも寄稿する程のオーストラリアのジャーナリスト。掲揚すべきはアジアカップ後のオシムジャパンの展望について彼だけがオシム氏の健康状態を案じ、悲しいかなそれが現実となってしまった。そのサッカーダイジェストの記事を読んだこともあなただけがその事に気が付いていたと言う事も話した。日本には年に何度か来るらしい。”なんでここにいるんだ?“てなことを訊くので”今日は A-League の Grand Final. That’s all “ と答えた。そして”日本に来るならいくらでも連絡してくれ。日本にはJリーグ開幕前からサッカーを知っているジャーナリストは少ないし、オーストラリアサッカーやA-League に興味を持つプレス関係は皆無だ。私ならもっと面白い情報を提供できる。“と話した。
このやりとにには Celtic の彼が今度は驚き、まずそのジャーナリストが地元テレビ局のSBSの関係者で、私がそんな人と親しく話した事に、”何で彼とそんなに親しい? You はジャーナリストか?この試合を取材に来たのか?“と訊かれたが”オーストラリアには仕事で来ているだけ。Just Football always drives me crazy “ と答えると、“ me too “ と言って肩を組んできた。そして先日の Champions League の事や Nakamura, Mizuno の事そして Scotland の事を話しながらパブに向かった。 

パブは”行きつけの“ Sydney Football Stadium の近くにあるパブではなく、同じ通りにある数十メートル離れた所にあるパブであった。 何を飲む?と聞かれたので “ Guinness “ と答えると?” Guinness ??? “ と言われてしまった。そうか、彼は Scotland 人だった。”ビールならなんでもいいよ“と答え注文をしてもらった。中には既に両チームのサポーター達が多く集っていたが Mariners の方が多かった。 Mariners サポーターの一団に”お前達はどちらのサポーターだ?“と訊かれたので Celtic の彼が私の肩を組み “ We are Celtic !! “ と答えた。試合の事をいろいろ話したが私が” Tony Vidmar を観に来た“と言うと1人の女性が ” 今日が彼の最後の試合 “と教えてくれ、彼の引退試合になった事を初めて知った。 あぁ、あの失点に繋がったプレー、2度目の Grand Final も結果に恵まれなかった事が彼の脳裏に一生残るかもしれない。 やがてバグパイプを吹く人が店の奥から出て来た。あの独特の音が私は好きだ。ここは Scottish Bar とでもいうのか? そうしているうちに Jets サポーター達も入って来る。 “ We ! Are ! Champion !! We are champion !!! “ と叫んだりしているが別に紛争が起こる雰囲気も無い。 Jets サポーターの一人が”お前は日本人か?ウラワレッズは来年も Asia Champions League に出るのか?来年はウラワレッズと試合をするぞ。“ と声をかけて来る。昨年、 Sydney FC と試合をした事が広く REDS の名前を知らしめる事になっていた。そして奥の方に一人 Sydney FC のレプリカを着た男性がいたので声をかけた。昨年3月に REDS が来た時は彼もスタジアムに行ったらしい。あの応援をもう一度見たいと言っていた。
Australia や Scotland のサッカーの話など話題は尽きない。しかしやがて潮時と店を出ることにした。 Celtic の彼が”ユニフォームを交換しよう“と言ったがこちらはタイ製、あちらはどうやら本物なので悪い気がした。私が NAKAMURA のユニフォームを脱ぐと下に来ていた Asian Cup の Japan の青いTシャツを見て、”それも替えてくれ。“と言われたので脱いで上げることにした。NIKE製だったがそれでも値段のバランスは取れないんじゃないかな…と思っていたら同じテーブルにいた女性が NAKAMURA のユニフォームを欲しがったので Celtic の彼が彼女に上げた。あぁそっちに渡ったか。でもそれ本物じゃないしそろそろプリントが… と思うも彼女はよっぽど嬉しかったのかCeltic の彼と私に抱きついて来た。皆と握手を交わし、 Celtic の彼とも何度も握手と抱擁を交わしその場を離れた。 あぁ日本でも試合後にこう言う雰囲気を楽しめるところがないかな……. 

 

翌日の新聞を見ると試合の結果もそうだったが最もこれから話題になりそうなのは Mariners GK の Danny Vukovic の処遇。1年かそれ以上の出場停止処分が下る事は免れないと言った報道。そうなると来季のリーグ戦はおろか今夏行われる北京五輪の出場も危ぶまれる。結局翌々日の新聞で Vukovic は9ヶ月の出場停止で次に同じ様な事をすれば6か月停止処分が下されるとの決定がFFA から発表された。これは A-League の試合に限ってという事だが、五輪代表を含めた代表レベルでも適用される可能性が大いにあり、試合の翌日に五輪代表候補チームがメキシコ五輪チームとの試合の為にサンフランシスコに旅立ったが Vukovic の姿はそこにはなかった。昨年の五輪最終予選6試合フル出場を果たした Vukovic がいなくなる事はメダルを狙う Olyroos としても痛いと思われるのだが……. ただレッドカードが出された原因となった終了直前のプレーと Mark= Shield 主審の判定もこれからも論争は続くと思われる。テレビのリプレィを見ると James=Holland が肘でボールを押し出した様に見える。ここでPKが与えられるかどうかは試合を大きく決定付ける判定だっただけにその判定にも議論が向く事は必至だろう。

 

 

また Grand Final を勝利した Newcastle Jets の方も来季に向けての選手との契約更改がどれだけ進むか懸念されている。決勝ゴールを決めた Mark=Bridge は来季 Sydney FC への移籍が決まっており、DF の要 Andrew Durante は Wellington Phoenix への移籍が濃厚と言われている。また来シーズン開幕までではあるが Joel Griffiths, James Holland がアビスパ福岡に移籍。心配なのはこの二人が Jリーグを気にいって戻らなくなる事。 Griffiths は Socceroos はSocceroos との兼ね合いもあるけど。さらに Adam D’Apuzzo は Adelaide United へ移る事が確実視されている。そして Noel Spancer は新チーム Gold Coast Galaxy と契約が締結すると思われている。 そして JEF 千葉に移籍が決まった事で知られている Eddie Bosnar は当初 Jets が狙っていたとの事でもあった。折角優勝したのに選手が残らない、これもサラリーキャップ制度の弊害と Gary van Egmond 監督は頭を抱えているらしい。 このあたりが難しいところなのだろう。でももっと日本に来てくれないかなぁ…………