Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

5月23日 浦和 vs シドニー  REDS ACL ベスト8 進出決定

2007-05-26 | Football Asia

ハーフタイムの間、息子とSouvenir Shop を覗くが特にこの試合の記念グッズの様なものは無いとの事。シドニーでもアデレードでもACLマッチ関連の記念グッズはなかった。“ACL”ブランドが確立すれば関連グッズの売上げからAFCも収益が稼げるのではと思うのだが、中国なんか簡単にコピーグッズを作ってまうやろなぁぁぁ。結局 Match Day Program を数冊応援に来られなかった社内の REDS サポーターにお土産として買う事に….

後半開始直前、REDS大サポーターが陣取る北スタンドが御馴染の大弾幕いっぱいに覆われる。このホームの声援があってこそ REDS だ、と言う見出しがJ リーグ発足時に専門誌に書かれていたなぁ。そして選手が出て来る。両軍メンバーの交替は無いが浦和はDFラインに山田、坪井、堀之内、ネネと並ぶ。前半はREDS ゴールが遠方にあったのでDFラインはよく解らなかったけどこの試合は最初から4バックだったのか?
開始早々約30秒、ワシントンから相馬に渡り後半最初のシュートが飛び、47分にはポンテが Talay に倒されてFK。50分にはカウンターから小野に渡りゴール前でワシントンにヒールでラストパスを送るがタイミングが合わなかった。序盤は浦和の攻勢が目立ったが、50分を過ぎたあたりから Sydney はCorica が左右に動いて起点になり中盤でボールが繋がりだす。 また右サイドバックの Zadokovich のドリブル突破が顕著になり、啓太がかわされるシーンも。最前線でも2トップの Zdrilic , Brosque のパス交換でバイタルエリアでのキープ率も上がってくる。坪井や阿倍の頑張りで決定的に崩してシュートが撃てないとなると、ミドルレンジから Ufak Talay が連続ミドルを放つ。 62分にオジェク監督が両軍通じて最初の交替選手、長谷部を相馬に替って投入する。これで阿倍が最後尾に下がり4バックを形成し山田が一つ前のポジションに。
しかし、 Sydney がボールを支配する時間は減らず、試合開始時からSydney がボールを回すたびに REDS サポーターから大ブーイングが起こるが、それが途切れる時間が少なくなって来た。それでもペナルティーエリア内からのシュートは許さず、攻撃時は小野が前節の Persik Kediri 戦で見せた様な運動量でワシントンとからんでシュートチャンスを作る。オシム監督小野を Asian Cup に連れてかないんですか?
65分を過ぎると試合も激しさを増してくる。阿倍が Brosque の突破をファールで止めるとその直後、今度は Brosque が阿倍を倒してファールを受ける。エキサイトした Brosque はホイッスル後のこぼれ球を思い切り蹴飛ばして主審から注意を受ける。77分には Colina 監督がベンチから指示を出し Brosuque , Zdrilic がポジションを替えて、2列目の右にいた70分に Ufak Talay に替って投入された Adam Carsey が上がり、左から Zdrilic , Brosque そして Carsey の 3トップに。 Brosque のヘッドそしてCarsey の得意なウィングプレーを生かす布陣だ。更にボールが浦和コート内で回り出した81分、Sydney は絶好の位置でFKを得る。堀之内がペナルティーエリアのすぐ外でしかもゴール真正面で Corina を倒しファールを取られたのだ。しかし、この判定は Sydney に甘い様に見えたが…. セットされたボール付近に Corina とCarney が駆け寄ると大サポーター陣からは “ We Are REDS ! We are REDS !! “ の大コールが起こる。これが Sydney Aussie Stadium ならそのリズム合わせて “ Who are You ! “ と Sydney サポが連呼するところだがここのアウェー席を見ると皆祈るような表情でそのFKがセットされたポジションを凝視している。 We are REDS の大コールの中 Corica が蹴ったFK は壁に当たってコーナーに。ペナルティエリア内には Mark Rudan, Topol-Stanley らの長身DFが入ってくる。そしてそのCKに Rudan が飛び込んだがキーパーチャージを取られた。 85分小野が下がってシドニーのゲームで同点ゴールを“入れた”永井が投入される。前線からプレスを掛ける為か。
“永井、前から掻き回してやれぃ” と近くにいた浦和サポから声援が。

 

“よし、あっちのサポーター席に行こう”

子供を連れてビジター用サポーター席に移る。中の通路はそこのゾーンとの間にゲージが閉められ遮断されていたが、試合開始前に“遠慮なくどうぞ”と言ってくれた場内係り員の方が来てくれてドアーを開けてビジター席に招き入れてくれた。目の前では数十人の青いレプリカを着たサポーター達が必至の声援を送っている。中にはワールトカップでみたカンガルーの人形を打ち振る人も。浦和はポンテが下がり岡野が入る。ピッチをみると Sydney がこちらのゴールに迫ってくる。ミリガンが ミドルを放ちそこに Corica と Zdrilic が詰めるがGK都築がしっかりとキャッチ。そして90分が過ぎ前半は無かったロスタイムがここでは3分と発表される。まだゴールチャンスはどちらにもある。浦和はもうリスクを冒さずゆっくりとボールを繋ぐ。それでも右サイドでボールを受けた岡野がドリブルで上がり最後はCKを取ったに見えたが主審の判定はGK。ワシントンが“俺が中フリーで中にいるのに”とばかりに両手を広げる。そのワシントンもその後フォールで倒された後は時間をかけて立ち上がろうとするがそれを Corica が駆け寄り手を引いて立ちあがらせる。さすが国際舞台を何度も経験しているベテランだ。91分30秒頃、浦和が決定的なチャンスを。ゆっくりとしたボールを回しから、啓太から受けた長谷部が突如中へドリブルが切れ込みワシントンに。ワシントンが飛び込んできた Fayfe をかわしてTopol-Stanley がタックルにはいる直前に完全にフリーで放ったグラウンダーのシュートはスローモーションを見ているようにポストのやや左側に転がっていき、後に陣取る浦和大サポーター達から大きな溜息が。 Sydney はその後のゴールキックから浦和ゴールにまた迫ってくる。シドニーからのサポーター達も必死の声援。このまま彼らをシドニーに還すのが可哀そうになって来たが隣の息子も心配そうな様相に…. Milligan がコーナーキックばりの超ロングスローを浦和ゴールに“投げ込む”が、阿倍がヘッドでクリアー。そしてタイムアップ。大歓声の上がる場内、ほっとした表情の浦和の選手達、浦和REDSが川崎フロンターレに続いてACL1次リーグ突破を決めた瞬間だった。



何人かの Sydney の選手は座り込んでしまった。しかし、彼らよりも早く立ち直ったのがサポーター達。ブルーのマフラーを掲げてピッチの選手を称える。 Sydeny の選手達は日本での“習慣”に従い、試合後の整列に。そして万雷の拍手の中両チームの選手が握手を交わす。Sydney のサポーター達から合唱が始まる。涙ぐむ人も数人。そして Sydney のイレブン達がこちらにやって来る。Corica を始め2~3人の選手が着ていたジャージを投げ込む。 Corica のジャージは最前列で声援を送っていた女性サポがゲットした。そして前日に知り合った3人組と握手を“あのサポーター達は素晴らしい”とその中の一人が反対側のスタンドを指し、みな異口同音に同意する。

 
“これが私の11歳の息子です。”と彼らに紹介するとそこから皆に我々を紹介してくれて記念撮影のオンパレードが。私の着ていた Johnny Warren のシャツに感激する人々も、そしてこのあと“ウラワステーションの近くで呑むんだ。”と言う人も。私も誘われたが今夜は子供が一緒なので…. その中の一人のサポーターが着ていたレプリカを息子の持っていた永井のユニフォームを交換した。そして周りのブロックの REDS サポ達から温かい拍手と “ シドニー! シドニー !! “の声援に送られてSydney サポーターの集団が出口に向かいだす。息子よこれが異文化交流だ。
試合内容はともかく、 0-0 と言う試合結果が傷つく人が一番少なく、平和的な結末では無かったか……

“次のACLの試合はいつなの?“
“9月だなぁ”
“どことやるの?”
“6月13日が抽選だからまだわからない。シード制がないからいきなり川崎と当たるかもなぁ。”
“へぇ、でもこの前負けたからまずいじゃん。でも優勝したら今日やるミランかリバプールと日本でやるんでしょ。”

こんな会話をしながら帰途に着いた。 でもこれからは Sydney FC よりもずっとずっと強いチームが相手だから Easy には行かないぞ。でもアジアから世界への挑戦も可能だ。パパがお前くらいの時は想像も出来なかった事だ。でもそう言う時代からの積み重ねがあって今の時代があるんだ。それを後世にも伝えてくれぇぃ……


 御支援のワンクリック宜しくお願い致します。