Mr.コンティのRising JAPAN

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ASIA は UEFA につづく事が出来るのか??

2007-05-06 | Football Asia

アジアサッカー界の“背景”にいる“Money Man “ はいつの日か Asian Champions League が UEFA Champions League の様に成り得る事を信じている。 ACLが今のフォーマットになってから4年目になるが2009年には大幅な見直しが施されることになると思う。 シンガポール人で世界のスポーツビジネスに関わっている Seamun O’Brien 氏は“今後20年の間にビジネスから見たアジアのサッカーは欧州地区に次いで世界で2番目の市場となると信じており、AFCは ACLの参加クラブ数を現行の28から2009年のシーズンに32に増やしその中から16チームが決勝トーナメントに進出し優勝賞金もUA$1億(約118億円)にまで引き上げられる事を検討中だ。そして大会エントリーの締切も替えられるであろう。それは現行の A- League の日程と日本の天皇杯の日程が年をまたいで行われており前の年の優勝チームが ACL に参加すると言う現状が“改善”され様としている。現状であると今年 ACL に参加している A League に Sydney FC は昨年度2005-06 の優勝チームで Adelaide United は 同じ年のA League のレギュラーシーズンの首位チームだった。これが2009-10のシーズンから優勝チームがそのまま ACL に出場できる様に検討しようと言う事だ。今年2月に終わった2年目 A-League の2006-07 シーズンは Melbourne Victory がレギュラーシーズンを独走で優勝し、Final Series でも Grand Final で Adelaide United を 6-0 で粉砕し見事な優勝を飾ったのだが彼らが ACL に出場できるのは来年3月開幕の2008年度のシリーズから。それをそのまま Grand Final 終了から中1カ月程度で ACL に臨ませようと言う事だ。 今年ACLに参戦している Sydney FC のDF Nicolay Topor Stanley はACL1次リーグ終了後は Perth Glory への移籍が決まっており、Adelaide United はACL期間中にチームの重鎮であった Ross Aloisi が怪我の為に退団を表明したにも関わらず新生 Wellington Phoenix と契約をし周囲を驚かせたり MF Matthew Kemp も期間中に 来シーズンからのMelbourne Victory との契約を締結したり、“健康的で無い”事が大会中に起こっている。それに Branco Clina Sydney FC 監督、Aurelio Vidmar Adelaide United 監督、共にACL開始当時は“暫定”監督であり、大会期間中に来シーズン以降の契約が締結されている。それも“昨年度”の成績を基に出場クラブが決められているからで、その様な事態も改善しようと言う事だ。しかし大会エントリーに就いては現状のままでは A League からの出場枠を増やす事は出来ないだろうと O’Brien は語る。今年からACLに参戦している A-League の出場権利を増やすのはいかに League の Expansion が成功するかにかかっているであろう。 “イラン、サウジアラビア、中国、日本、そしてうまく行けば韓国そしてオーストラリアが出場枠拡大の恩恵を受けられそうだが、オーストラリアに就いてはA League のチーム数が現状8チームのままだとこれ以上出場枠は増やし辛い。リーグ内の4分の1以上のチームに出場権は…..と言う事だ。 韓国K League は現状14チーム。それを16~18 チームにまで増やす計画であるが、興味を引くのはこの国に存在する兵役制度。光州尚武フェニックスと言うチームがリーグ参加しているがこれは韓国軍隊のチームでここに所属する兵士は国家を代表するスポーツ選手として特別扱いされ、身分は兵士でありながら、軍事訓練はほとんど行わず練習に打ち込める。尚武はサッカー以外にもさまざまな個人競技、団体競技のチームがあり、野球チームは韓国プロ野球の2軍リーグに参戦している。李東國、金度勲、崔成勇、崔龍洙、宰榛そして洪明甫らが所属したが。尚武は選手枠が少ない為に入部の為に入隊する前から国家代表レベルの実績を上げておかねばならず、未来あるスポーツ青年の芽を兵役が妨げにしないと言う役割を充分に果たしているとは言い難い。そこでKリーグには陸、海、空軍のチームも参戦させてほしいとの意見もあるが、もし軍隊のチームが海外遠征となれば…興味があるなぁ。 70年代は陽地と言う韓国中央情報部 KCIA 直轄のクラブチームがあり金正男、丁炳卓、金基福と言った国家代表の選手達がいた。そして海兵隊や陸軍所属の代表選手達もいた。

ただACLが肥大していくと予算が潤沢に準備できるチームでないと上位進出出来ないのではと言う懸念が広がるがそれに就いて O’Briuen 氏は “ PSV Eindhoven や AS Monaco の様なクラブが欧州で実績を残している。“と言うがそれは外れていると思う。欧州大陸が潤うのは東西南北にだだっ広いわけでなくインフラも発達しており、隣国や隣々国くらいなら大型バスで移動出来てしまう。アジアでバスを使って移動しようとすれば山賊が出て来て大変であろう。その他、インフラの不整備からかえって費用がかかると思われる。そして大陸間での経済格差はUEFA 内の比では無い。国家代表よりもつぎ込む事が容易と言うところのオイルダラーが潤沢にある中近東諸国のクラブチームとベトナムやタイ、インドネシアの ASEAN 諸国とのチーム力の差を想像するとすぐにわかる。同様の事は現在、今はリーグ存続が優先されサラリーキャップ制度を施行している A League にも当てはまる。

そのA-League は来シーズンの Marquee : 観客動員力 選手として白羽の矢を立てているのが PSV Eindohoven の Philip Cocu だ。PSV は4月29日の EREDIVISIEの最終戦でVitesse Arnhem を5-1 と降しライバルの Ajax Amsterdam を同勝点ながら得失点差で上回りリーグ優勝を飾った。その最終戦で5得点目、シーズン最終得点を決めたのが Cocu だ。

そして36歳の Cocu は今シーズン限りでの退団を決めておりその後の去就が注目されている。“来シーズンもプレーをするつもりだが PSV のユニフォームでは無く海外のユニフォームを着てだけど..” 巷では Cocu がQatar リーグへ移籍するのではとも言われているが Sydney FC の Branco Culina 監督は Cocu 獲得への自信を隠さない。実現すれば36歳とは言え2大会のワールトカップ、3大会の欧州選手権に出場し、PSV, バルセロナと名門クラブの中心選手であった Cocu がSydney FC と言うよりも A-League 入りすれば様々な作用が働くであろう。 しかし Plan B も準備されているらしい。現在カタールでプレーする33歳のナイジェリア人Jay-Jay Okocha, 35歳のトルコリーグGalatasaray でプレーする35歳のHakan Sukur そして Cocu のチームメイトでもあるオランダ代表でも中心選手であったPatrick Kluivert そしてEngland のストライカーRobbie Fowler。そしてCulina 監督は今回ACLで対戦したインドネシアPersik Kediri のフルバック28歳のErol Iba, の獲得も前向きに検討しているとの事。これはアビスパ福岡に移籍してしまったフルバックのAlvin Ceccoli の穴埋めと言われている。 発足間もない A League は人気を定着させる為にスーパースターの導入が必要なのだろうが1993年の J League 発足時にジーコやリネカーそしてリトバルスキーらが来日した時とは少し様相が違う気がする。リネカーを除くと彼らスーパースター達は日本サッカー界の発展に尽力をしジーコは(J League 発足する前に来日したけど)代表監督にまでなり、リネカーも(離婚してまで)横浜FCの監督に就任した。それは日本に外地からの“先生”を受け入れる土壌があった為でオーストラリアはどうなのだろう?? ただ人気獲得無くてはA League もクラブ数が増えないと言う事もある。

ACL の拡大、そして定着は楽しみだ。70年代に UEFA Champions Cup の様子を専門誌で知った時に“アジアでもこう言う大会は無いのかな?アジアの国にはどんなクラブチームがあるのだろう?ヤンマーディーゼルや東洋工業と戦ったらどうなるのだろう?と想像したものだが30年近く経った今その一部が現実化している。そして近い将来は北朝鮮のクラブチームも参加出来ないかな?今の政治情勢だと対戦チームも限られ、1次リーグから日本や韓国とは同組にはなれないだろう。1980年代までの東西冷戦時代は東西ドイツクラブチームが早い段階で当たらない様になっており、チェコスロヴァキア、ハンガリー、ルーマニアと言った実力的には欧州でも中堅クラスの東側陣営同士が(またはオーストリア勢と)1回戦で当たる事がしばしばあった。しかし平壌4.25 と浦和レッズが真剣勝負をするなんて想像するだけでわくわくするではないか?

アウェーゲームでは平壌に1,000~2,000 人のレッズサポーターが乗り込み試合開始前はお決まりの観光コースに赤いシャツの集団が闊歩し、試合時には一角を赤く染める…… しかし、赤色は共産主義の色、逆に平壌4.25 を勇気づけるかもしれないなぁ… そして平壌は急遽他のクラブチームから国家代表選手を集めメンバ-を構成するかもなぁ…そして韓国の尚武や陸、海、空軍のチームは受け入れられるのだろうか…..こう言う想像もすぐに実現するかもしれない…..
しかし愛する京都サンガがこの様な晴れ舞台に出れる日は...想像で終わらない事を祈るよ....