Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

A3 Champions Cup ジェフ韓国から勝利......

2006-08-31 | Football Asia
ジェフ先制から4分後、李天秀は左サイドを早いドリブルで駆け上がり右の崔成国へ。崔成国は水本を落ち着いて外して右足を一振りし同点ゴールを齎した。たった2人のプレーで1点を挙げるあたりさすが代表選手と言ったところか? その後も李天秀のドリブル突破からレアンドロがシュートに持ち込む等、他の選手との格の違いを見せる。蔚山のスーパースター李天秀はドリブルの速さ、上手さに加えてパスを出した後の動き出しも素早く“パス & ゴー” がきちんと出来ている。一方のジェフも楽山が左サイドを突破してチャンスを作ろうとするがペナルティーエリア付近での蔚山DFも硬い。特に巻が近づいてくると必ず誰か1人が付き、クロスが送られるともう1人が競りに来る。これで前半は 1-1 かな?と思われた43分、今度は崔成国が右サイドを突破して中に入れる。そこには李天秀がおりそのままジェフゴールに蹴り込んで 2-1 と逆転をした。この崔成国のドリブルも高速で相対する水本、結城が振り切られる場面が目に付く。蔚山サポーターは大喜び。女の子も含めて数人が左右に動いて歓声を上げる。2得点とも人気、実力でもチームの中心選手の2人が絡んでいるのだからその喜びぶりも想像通りだ。あぁやっぱり韓国は強いなぁ。と思ったときに今度は反対側のゴール裏に陣取るジェフのサポーター団が大歓声を上げる事に。左から突破して来たクルプニコビッチの入れたクロスに巻が頭でなくスライディングで飛び込み蔚山ゴールに押し込み同点とする。うぅぅぅんやはりジェフは違う?のか、日本サッカーが進歩しているのか? そして更に1分後またもやクルプニコビッチが左から侵入し、フリーの佐藤勇人へボールが佐藤の足の間に挟まってしまい佐藤は転倒。するとボールはフリーの羽生の前に転がり、そのまま羽生がシュート。蔚山GK金志赫を破りあっという間にジェフが再逆転してしまった。この2分ほどの間に3ゴールが生まれた。1996年マレーシアで開催されたアトランタ五輪決勝戦の日韓戦を思い出す。ただあの時は韓国が2点を入れたが。 前半だけで5点も入ったが後半に入っても両チーム共選手交替は無いが動きは落ち無い。53分には李天秀が連続してスルーパスを出す。ドリブルだけでなくパスも出せるのか。55分に蔚山、金正男監督はDFビニシウス、FWレアンドロのブラジル人2人を下げてもう1人のブラジル人FWマチャドそしてユース代表候補の李相湖を入れて攻撃を厚くする。この金正男監督。確か1986年韓国が32年ぶりにワールドカップ出場を果たしたときの代表監督。その前年、ここ国立競技場で行われた日本との最終予選の試合を指揮している。この試合の作戦は何だろう? この時間帯から韓国の選手の当たりが更にきつくなる。58分には柳京烈の肘が巻に入り巻はピッチの外に運び出される。審判はカードを出さないのでジェフサポーターからは大ブーイングだ。62分にジェフのアマル監督はMF水野に替えて181cm のMF山岸を入れる。これはロングボール対策か?この山岸が70分にナイスクロスを巻に上げるが、どフリーの巻はこれを外してしまう。その直後、今度は蔚山が直接FKのチャンス。李天秀の放ったFKはGK立石がパンチで防ぐ。72分、1999年 U-21代表、そして韓国代表歴もある FW朴圭善を下げてMF金英三を投入。 中盤を厚くしてマチャドをトップに張り付かせる。しかし、ここでシュートの雨を降らせるのはジェフ。73分左から持ち込んだ巻がフリーで、76分には佐藤勇人のミドルが79分には更に巻がフリーでそれぞれ蔚山ゴールに迫るがGK金志赫が神がかり的なセーブで追加点を許さない。ジェフは80分FWクルプニコビッチを下げて坂本を、83分には羽生を下げてハースを入れる。坂本の投入は崔成国のマークか?しかし83分蔚山は絶好の同点機を迎える。李天秀へのタックルがファールに取られPKが蔚山に与えられる。キッカーは李天秀。 蔚山サポは“ リ!チョンスッ~ リ!チョンスッ~”と悲鳴に近い声援を送る。あぁ巻よだから決められる時に決めておかないとぉ...と思うが、これをGK立石が足でストップ。静まり返る蔚山サポーター達。そして対面からジェフサポーターの雄叫びがこだまする。 結局3分あったロスタイムも両チーム得点を挙げることが出来ず、ジェフが逃げ切りA3杯で初めて日本チームがKリーグクラブから白星を挙げた。 試合終了後、淡々と旗や太鼓を片付ける蔚山サポーター達。 みな韓国語で話をしているので韓国から来たのだろう。大連実徳と異なり、日本に居る韓国人との“融合応援”は見られないのは、同じ韓国人でも韓国に住む韓国人と在日の間に溝があるからだと後で判った。それでもこちらからリーダーらしき人に握手を求めると彼も笑いながら握手に応じて肩を叩いてくれた。こんなとき韓国語が話せれば色々サッカーの話ができるのになぁ……
帰りの地下鉄の中で友人に亀田の世界タイトルマッチの結果をメールで訊ねたが驚いたことにようやく始まったばかりだった。明日のスポーツ紙の朝刊は亀田だろうなぁと考えながら大会プログラムに目を落とした….

結局この大会は最終日にジェフがガンバに敗れたため蔚山現代が優勝をさらった。MVPは大会6得点の李天秀。ガンバとの試合はテレビで見たが、宮本が簡単に振り切られていた。李天秀のすごさもさることながら宮本のモチベーションを心配していいたら後日代表からの引退を示唆するコメントが。 まだまだやれると思うのだが。 蔚山の実力は優勝にふさわしいものだ。だが残念な事が。大会公式ホームページの書き込みに“独島は…. “ とか”韓国は… “とハングルで何か書き込まれていた。 こんな事を書くところじゃないのにね。 スポーツと喧嘩は別にしていただきたいものだ。 

A3 Champions Cup 日韓対決

2006-08-31 | Football Asia
誰でも、どこにいても自分の隣には負けたくは無いものだ。例えば学校時代の隣のクラスや同級生がいれば隣の家。自治会対抗で運動会があれば“隣の自治会には負けられねぇな。” これは国同士での同じだ。オランダ対ベルギー1970年代初めにヨハン=クライフの出現によってオランダが世界サッカー界の列強として名を連ねるまで、ベルギーはオランダをリードしていた。しかし1974年大会にオランダがトータルフットボールを掲げて準優勝を収めて以来、世界のサッカーファンは今でも“オランダなら何か華麗なプレーを見せてくれる。”と期待する様になった。しかし、オレンジ色のユニフォームを纏った選手達の進撃に歓呼するベルギー人はいただろうか? 
日本と韓国。隣国とは言えない。日本海(彼らから言わせれば東海)を隔てた対岸上の両国。歴史的な背景も大いにあるだろう。お互いに“あいつらだけには負けたくない。”と思っているだろう。スポーツでの日韓(韓日?)対戦で言えば、“負けたくない気持ち”は韓国の方が強いだろう。それは歴代の男子サッカーでの直接対決での勝敗に現れている。 だがスポーツの世界ではライバルをつくる事は大切だ。最近の日韓対決を見ると、サッカーではようやく互角に近い戦いが出来るようになったが、その他のスポーツではどうだろう?韓国女子ハンドボールは世界でもトップクラスでアテネ五輪では銀メダルでソウル、バルセロナ五輪は連続金メダルだ。 男子ハンドボールもソウル五輪以降、韓国がアジア王者の座を守っている。(最近は中東諸国が台頭しているが。)男子バスケット、男子ホッケーそれから男子バレーボールは現在、韓国が上だ。しかし、女子となるとそれらは日本がリードしている。それから女子ソフトボールに、女子サッカー。男女そろってリードするのは水球くらいか?あぁ大事な事を忘れていた。 WBCで日本のプロ野球が World Champion になった事を。 
8月3日(もう1ヶ月近くも前になってしもた…. ) A3 Champions Cup の開幕日。ガンバ大阪対大連実徳の試合に続いて韓国王者の蔚山現代が登場した。 対するのは前年ナビスコ杯王者のジェフナイテッド千葉。ワールドカップ終了後、ジーコ前代表監督の後任として当時未だ JEF の監督だったイビチャ=オシム氏が内定してからこのチームにスポットが当りだした。 このA3 大会も大会自身の展望よりもオシム監督が“愛弟子達”を見に来る、来ないの方に話題が集中していた。 だが私から言わせると、前身の古河電工はかつてアジアクラブ選手権の王者。ずっと前からクラブレベルではアジアでの戦いを経験している。そう言う事にもマスコミは言及すべきだ。 対する蔚山現代。AFC Champions League では東京ベルディを軽く一蹴して準々決勝進出を決めて9月17日にはサウジアラビアの Al Shabab との試合が待っている。韓国勢ではもう1つの全北モータースも準々決勝に進出している。 蔚山はワールドカップには2人の選手を代表に送り、予備メンバーに柳京烈が入っていた。 だが韓国代表の李浩は大会後ロシアのゼニト・サンクトペテルスブルグに移籍してしまった。しかし代表での中心選手李天秀は健在。そしてもう1人の私のお目当ては崔成国。一時は柏レイソルでもプレーし、2003年 UAE で開催された FIFA U-20 では日本相手に先制ゴールも挙げている。もう少し調子がよければ今年のワールドカップにもメンバー入り出来ただろうに。 70~80年代、代表レベルや学生選抜レベルでは韓国に歯が立たなかったがクラブレベルではどうなのか非常に興味があった。 1979 年に韓国農協がフジタ工業と対戦したがこれはこの年からクラブレベルでもリーグ戦優勝者同士で定期戦をしましょう、と言う催しが始まった第1回目であった。しかし、私はこの試合結果を覚えていない。むしろフジタ工業との試合の後に行われた日本リーグ選抜との試合の方が印象に残っている。釜本を初め、ラモス、ジャイロ、ジョージ与那城、小見、GK瀬田のいたテクニック溢れるチームが韓国王者を圧倒し釜本のゴールなどで勝利したのを覚えている。 しかし翌年にマレーシアで開催されたモスクワ五輪代表には韓国農協からは選ばれなかった。韓国銀行や軍隊所属の選手が多かった。そしてこの五輪予選が終わりプロチーム、ハレルヤが誕生する。それ以降このクラブレベルでの定期戦はどうなったのだろう.. 
最近の対戦では代表はほぼ互角に、学生選抜はむしろ日本の方がリードしているがクラブチームは本当に分が悪い。A3杯ではまだ日本のクラブは韓国勢に勝った事が無い。私が日韓対決を観戦するのは1988年の日韓定期戦以来2度目。そのときもここ国立での観戦。私はジェフのサポーターでは無いがここは是非頑張ってもらいたかった。 
第一試合終了後観戦場所を移動し、蔚山サポーターの陣取る“アウェー”側に移動した。中段下のフィールドが良く見える位置に来るが、ゴール前を拡声器が邪魔してよく見えない。しかたなく少しゴール裏側による。そこには蔚山のサポーターがちらほらと。反対側には織田記念ポールがある。このポールは織田記念ポールと言う名でアムステルダム五輪にて日本陸上競技史上初の金メダルを勝ち取った織田幹夫氏の栄誉を記念して立てられその長さが当時の優勝記録と同じ 長さ15.21mだ。大学時代インカレ出場したときにこのポールの手前で先行する選手を抜き去り予選通過を決めた事を思い出す。国立競技場に試合観戦に来られた人はこのポールが邪魔で試合が見づらいといわれる人もいるが、陸上競技経験者の私はこの前に平伏すべきだろう? この試合を観戦した韓国や中国の人はこのこと知っているかな? 
さて試合が始まるとジェフと数は少ないが蔚山の両サポーターが歓声を上げる。蔚山は、趙世権、柳京烈。朴東赫の3バックで趙と朴の2人はシドニー五輪メンバー。朴東赫は少々遠めでもシュートをよく撃ってくる。ジェフは巻がワントップ気味で左から楽山、右から水野が上がってくる。開始9分から連続してCKのチャンスを得たが得点にはならなかった。こういうセットプレーの時には巻が何処にいるか目で追ってしまう。その巻へのマークはワールドカップメンバーと言う事がよく知られているのか、やはりきつい。12分には巻が倒されるがその前に蔚山の選手が倒されており、さらにその直前にはジェフの選手が倒されている。特に3番の朴炳圭がきついマークをする。韓国はロングボールを多用。その標的となるのは 187cm 長身ブラジルFWのレアンドロ。韓国特有のキックアンドラッシュに対してジェフも走るサッカーで対抗するので攻守の切り替わりが早い。この高温多湿の状況下、これは持久戦になる。先制点が大事かなと思っていた21分、クルプニコビッチの上げたFKをドンピシャのタイミングで中島が頭で捕らえてジェフが先制点を上げた。きついマークを続けていた朴炳圭も完全に競り負けていた。私の近くにいた蔚山サポーターは黙ってしまった。しかし、彼らをすぐに元気付けたのはワールドカップの得点者李天秀だった...