Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

世界バスケ観戦記その1 手に汗握る......

2006-08-28 | バスケ ハンド
8月27日。さいたまスーパーアリーナに ”世界バスケ” 観戦に出掛けた。バスケットはサッカーや野球ほど興味は無かったが、世界選手権がさいたまスーパーアリーナで開催される事が決った、さいたま新都心が着工する前から、この大会を観戦するのを楽しみにしていた。2001年のヤングメン大会の時は処々の理由で会場に行けなかっただけに今回は..との思いがあった。本音は日本代表の応援だった。大会の開催を知ったときはさいたまスーパーアリーナで全ての試合が集中開催されると思っていたのだが….
会場のあるさいたま新都心駅に向う京浜東北線の車中でもバスケファンと思しき人々が見受けられたが、4年前のワールドカップ時ほどの混雑振りではなかった。駅に到着すると結構外国人が目に付き、世界選手権の雰囲気を醸し出してくれる。さいたまスーパーアリーナまでの通路には地元の小学生が描いた大会の絵が張り出されており歓迎ムードを感じさせる。こういう企画は日本ならではだ。アリーナの入り口でボディチェックと携行品検査を受けるがワールドカップの様にペットボトルや缶類の持込は禁止されていなかった。バスケの試合でも物を投げられる事はあるのかな? 座席は10,000円也のスタンドS席。本当はアリーナ席で観戦したかったが、Sold Out で入手出来ず。アリーナ席は12,000円、 だったが、着席してその 2,000円 の価格差以上の差がある事が解り、“何故もう数日前に、アリーナ席に空席がある事を知った時に買わなかったのだろう”と激しく後悔した。ワールドカップは結構良い席で見れたのだが世界バスケはそうでなかった。これも観戦歴の差が出たか?
お客の入りは7分程度。おそらく第二試合のアメリカ戦前にはもっと観客の入りは増えるだろうなと思っていると第1試合に登場するナイジェリアとドイツの国歌が始まった。“全員御起立の上、御脱帽にご協力お願い申し上げます。”との場内アナウンスに促されて起立をする。ドイツはグループリーグで日本とも戦っているので馴染みがあったが、ナイジェリアは少し“予習”が必要だった。そこで入場前に購入した大会プログラムを開いたのだが、そこには各選手の登録背番号と所属クラブが記載されておらず、有用性は先般購入した“月刊バスケットボール”の方が上を行っていた。これを持参すればよかったなぁ…。
これは後で判ったのだが、ナイジェリアはアイミ=ウドゥカが NBA でプレーする他、3名が NCAA 傘下でプレーする大学生(でいいのかな?) その他選手全員が国外のクラブに所属し200cm のムネオケは韓国の Seoul Knight でプレーする。日本と同じグループだったアンゴラとは対照的だ。 ナイジェリア国内リーグはチーム数等、どの様な機構なのだろう?人口1億人以上のナイジェリアは原油も採掘出来て、もっと豊かでインフラの整備された国になっても良いと思うのだが(と言いながら未だ言った事は無いのです。)登録12人中6人が 200cm 以上。だがドイツのノヴィツキー、ヤグラの様な 7 footer はいない。グループリーグでは強豪アルゼンチン、セルビア=モンテネグロが同居する(ワールドカップでもそうだったけど?) Group Aに所属するがワールドカップと異なりレバノンがフランスを破るなど大混戦。ナイジェリアは最終戦のレバノンを破り、レバノン、フランスと共に2勝3敗で3カ国が並んだ。そして得失点差で台風の目であったレバノンが涙を飲み、ナイジェリアは辛くも決勝トーナメントに進んだ。 一方のドイツはご存知、NBA選手のノヴィツキーがいる。7 Footer は彼を入れて合計3名。こちらも6名の2m 選手を擁する。だがドイツは日本戦でも明らかになった通り“ノヴィツキーの調子次第のチーム”。試合は開始早々はグレーネ、ノヴィツキーの得点で 4-1とリードするが、その後3連続得点を喫っしナイジェリアに 8-4 とリードを許す。しかしその直後にノヴィツキーが長身を生かしたプレーで得点。その後、ロシアでプレーする 203cm のPF オクラヤの Free Throw で 14-16 とリードを奪うと更にターンオーヴァーからノヴィツキーがダンクで18-14 と離しにかかる。しかし、ナイジェリアも特にリバウンドに強さを見せてムネオケのシュートで 21-21と追いつく。終了直前に NCAA でプレーするヘルベルが得点を決めてドイツが 25-22 とリードして第2Qに入った。この Quarter と Quarter の間はハーフタイム以外は2分間のブレイクがあるが、その間やタイムアウトの間にスタイル抜群の外人娘が節度と妖艶度抜群のダンスを踊り会場を盛り上げるが、果たしてベンチの方はこんなにがんがん音楽を鳴らされてコーチのアドヴァイスは耳に入るのだろうか? 第2QはトルコリーグのベシクタシュでプレーするPGデミレルの3ポイントで幕が開け 28-22 とリードを広げる。ここでナイジェリアベンチはアナゴエン、ムエルケを下げる。これが効いたのか?イスラエルでプレーするアウオショビの連続得点で 25-28 と迫る。しかしここでまたもやノヴィツキーが今度はオフェンス、ディフェンスに渡ってリバウンドを拾いまくりデミレルの FT ( フリースロー)、そしてギリシャのパナシナイコス・アテネでプレーする(なんだかサッカー選手みたい??)7 Footer のフェメルリンクの連続得点で 37-27 と点差を10に広げる。 しかしここでズルズルと行かないのがさすが決勝トーナメント(ドイツ語では Achtel Finale : 1/8 決勝戦 ) ポルトガルでプレーするセンターヌワンコの連続3Pで 39-41 とたちまち1ゴール差。 その後はノヴィツキーの得点もあり 48-44 ドイツリードで第2Q、前半を終えた。 後半、第3 Qに入ると両軍選手身体が冷えたのか?最初の2分はスコアが動かない。ようやくPGハマンがシュートを決めた。ハマンはFrankfurt Skylines 所属。高原を知っているかな?
そしてノヴィツキーが決めて 52-44とまた8点差に広げたところでナイジェリアベンチはタイムアウトを取った。その間、待機していたダンサー達が登場して踊りを披露するが、今度の Music は Nena の 99 Luftballon 思わず私も口ずさむが観客席に陣取るドイツサポーター達からはひときわ大きな歓声が。そしてダンサー達は赤、黄、黒の3色の風船を用いたドイツ国旗の人文字を作ってフィニッシュ。ドイツ人サポーターを中心にやんや、やんやの拍手喝さいが起こる。でもこれはもっとニュートラルな立場で無いといけないのでは? しかし、これに奮起したかナイジェリアが3連続得点であっという間に 49-52 と点差を縮める。ここはNCAAでプレーする 206cm のPFイペケが頑張り全得点に絡んだ。今度はドイツがタイムアウトを取る。その後両チーム得点を同じ様に重ねるが、ノヴィツキーをベンチに下げるやムネオケ、アウショビの両SFの連続得点でナイジェリアは58-58の同点に追いついた。ドイツベンチはたまらずノヴィツキーを戻す。するとノヴィツキーの連続FTで再び突き離し 62-58 で第3Qを終えた。この Quarter だけだと 14-14 、残り10分でナイジェリアは追いつけるのだろうか?第4Qはスペインでプレーする 205cm のPFアナゴンエの得点で 60-62 と2点差に迫るがドイツもノヴィツキーがFTを2本とも決めてまた4点差。そしてオラクヤノの3P、そしてバスケットカウント、ノヴィツキーの好パスを受けての3Pと一気に得点を加算し 73-64 と9点差にする。ナイジェリアもムネオケのダンクで 69-73 と4点差に戻すがノヴィツィーの得点とバスケットカウントで 69-76 と残り時間3分29秒で7点差に。ナイジェリアは第4Qこれまで与えられた4つのFTで挙げた得点は4点。2本とも入れられないのだ。残り2分28秒でドイツはPGデミレルのスティールからノヴィツキーがダンクで 78-71 と7点差にまた拡げた後にナイジェリアに与えられたFTもイペケは1本しか決められず 78-72 だがイペケはその後アナゴンエの素晴らしいパスを受けてシュートを決めて 74-78 そのシュートに観衆から“おぉぉぉ~ ”と歓声と拍手が沸く。そして残り1分2秒、ナイジェリアは与えられたF.T.を今度は NCAA でプレーする 196cm のチェンバレン=オグチがついに2本とも決めて 76-78 と1ゴール差に迫る。これからは文字通り手に汗握る攻防だ。ドイツは焦りからかシュートが入らないそしてリバウンドも取れない。残り35秒、ドイツは痛い5つ目のファールを犯し、ナイジェリアにF.T.が与えられる。しかしアウオショビは1本外し 77-78 とまだナイジェリアは1点ビハインドだ。しかしドイツは攻撃時間を24秒目一杯使ってもまだナイジェリア側に攻撃のチャンスが残されるので、ここはゴールを決めねばならない。残り13秒、ノヴィツィーのシュートが外れてエンドラインを割るが、それはナイジェリア選手に当たっての事で未だドイツボールだ。残り8秒、またもやノヴィツキーのシュートが外れる。そしてそれを拾ったナイジェリア選手が脱兎の如くゴールに迫るが最後のベルギールージュでプレーするエビ・エレのシュートが態勢に入る。それを阻むドイツ選手達の手が何本も出て来る。そしてそのシュートは決らずホイッスルが鳴る。 窮地を脱したドイツ選手達は大喜び。しかし、ナイジェリア選手は“ディフェンスファールがあったのでは。”と抗議を。主審が恐らくその確認に入ったのだろう、審判団と協議をしている。しかし“試合終了でございます。試合結果はご覧の通りに…..”と日本語のアナウンスが流れてドイツの勝利が確認された。 最後の1分半のスリリングな試合展開に私を含めた観衆は惜しみない拍手を送る。
ドイツは本当にノヴィツキーのコンディションというよりも存在が大きく左右するチームだ。一方のナイジェリア。個々の能力はサッカー同様に非常に高いのだろう。だが今大会の代表選手全員が国外でプレーする事に寄与するのかコンビネーションが今一で序盤はパスミスが目立った。そして F.T. がもう少し正確なら違った結果になったかもしれない。 
さて次はアメリカ対オーストラリア。恐らく日本中の殆どのバスケファンが日本戦の次に最も見たいであろう、アメリカ戦だ…