Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

なでしこ達の戦い その2 対マチルダス 後半

2006-08-01 | Women's Football
後半攻め見せるが….
後半のなでしこは中岡、宮間に替えて酒井、坂口を投入、ただ宮間は使って欲しかったけど。風上に立って攻勢に出たいところだ。52分、沢穂希がショートコーナーからヘッドを放つがGKがキャッチ。身長164cmの沢だが乱立する長身のマチルダスの間をくぐってヘッドを放った。15歳の時から代表入りを果たしている沢はアトランタ五輪のメンバーでもあった、文字通り今の女子サッカー界の牽引者だ。この大会のなでしこ20人のうちプロ契約選手は5名のみ。しかし女子プロサッカーの存続危機は悲しいかなグローバルサイズで起こっておりアメリカではプロリーグ解体の危機に瀕している。したがって中国や北朝鮮の様な“ステート・アマ”がまだまだ優位なのか?
マチルダスの事情も日本とそう変わらないと思う。主将の Salisbary はかつて日本の宝塚でプレーをした事も。
58分マチルダスが決定機を逸する。逆襲から右サイドを破られ、上げられたクロスに Shipard が合わすがボールは左にこぼれる。そしてそれを拾われ入れられたクロスを再び Shipard がフリーでショットを放つがゴール枠を外れた。ほっと胸を撫で下ろすと共にまだ幸運は残っていると感じる。マチルダスは2点差を着けたのでラインを下げてゴール前を固める。なでしこは沢、大野のドリブル突破に活路を見出すが大型のマチルダスDF,MFはファウルすれすれの当たりで防戦。先制ゴールを決めた Munoz もハーフウェィライン付近まで引くが彼女も長身でその体格を生かして日本の攻撃を抑えに来る。61分にマチルダスは北朝鮮戦で先発起用された Mcshea を Slatyer に替えて投入。守備固めに入ったか?日本の大橋監督は75分にDF安藤を下げてFW大谷を入れてFWの数を増やす。こういう交替、ZICOはしなかったなぁ?そしてマチルダスSermanni 監督は3得点の De Vanna を投入してきた。彼女のスピードにカウンター攻撃の効果を上げるつもりだろう。それにしても Palmqvist 主審はなかなかファールを取らない。特に何度かマチルダスDFが仕掛ける後方タックルにはノーホイッスルで下小鶴がしかけた DeVanna へのチャージはあっさりとホイッスルが吹かれた。これが世界レベルの戦いなのか?それともワールドカップで中村が何度もサッカールーDFのチャージに倒れるのを “ RESPECT が無いプレー“とオーストラリア新聞紙上に酷評されたのが影響しているのか?線審達からクレームがつかないのは言葉の問題か?それとも日本を勝たせたくないのか?と見ていて審判に矛先が向いてしまう。その怒りは83分、ゴール前に出されたボールが弾んでペナルティーエリア内のマチルダスのDFの手に当たってもお咎めが無かった時に爆発した。この判定に沢が激しく抗議、すると主審は沢にイエローを示す。次の試合もあるのでここは気を取り直して、と思う。86分には大野のシュートが右に外れる。この時間帯になると日豪間の体格の違いから放たれるシュートの威力の差が目立つ。91分にはFKを沢がヘッドで捉えるがGKの正面。 そしてタイムアップ。日本のワールドカップ出場決定は先送りとなった。1対1では日本がむしろ優位だったが、マチルダスの攻守に渡るフィジィカルを生かした戦術の前には及ばなかった。 マチルダスはやはり強かった。ホームゲームと言うアドヴァンテージを割り引いても強かった。 30日に行なわれた決勝戦では6月の上海遠征で連敗を喫した( 1-2, 0-2 ) 中国代表にPK戦で敗れたものの前半に2点を先取した。 なでしこはワールドカップ進出を掛けて30日に北朝鮮戦に臨むことになった……..

なでしこ達の戦い その1 対マチルダス 前半

2006-08-01 | Women's Football
なでしこ、マチルダスを破れず
オーストラリア南部。 South Australia 州最大の都市アデレードは著名な大学が多くあるらしく、留学生で賑わっている。またこの地方は葡萄の産地で良質のワインが土産物で有名だ。ここで売っている赤ワインの SHIRAZ はたまらない。またオーストラリア南北縦断鉄道がここを通って開通する(もう開通したのかな?)ので物流も含めて街が発展するきっかけになると期待されている。仕事上でも最近ではここからの引き合いが増えてきた。 このアデレード。憶えている方もおられるだろうが、2000年のシドニー五輪、サッカーの準々決勝で日本がアメリカにPK戦で敗れた地だ。そして今日7月30日は来年北京で開催される女子のワールドカップの出場権を賭けて北朝鮮と対戦する。 北朝鮮はGKを含む主力3選手が出場停止。その展望はまた詳しく述べるとして7月28日に行われた準決勝のオーストラリア代表との1戦を振り返ってみましょう。

AFCがオーストラリアの加盟を承認後、最初のAFC公認の大会が来年北京で開催される女子ワールドカップ予選を兼ねたアジア選手権。中国を除く上位2カ国が自動的に出場権を獲得し3番目の国は北中米地区の代表国とプレーオフで代表権を争う。準決勝のオーストラリア女子代表、通称マチルダスを破れば5大会連続でワールドカップ出場が決める事が出来た。マチルダスとは“オーストラリア国民の歌”といわれている、“ワルチング・マチルダ”にちなんだものである。数年前、当地を訪問した時に Wallabies が All Blacks とテストマッチをシドニーで行い、ハーフタイム中に観客が合唱しているのをテレビで見た事がある。シドニー五輪前、当時サッカーはこの国では人気が無く、選手達が文字通り一肌脱いでヌードカレンダーを作って強化資金を集める程に。彼女達はのちに日本でカゴメトマトジュース(だったとおもう)のCFに採用された。だがその時はヌードでなくビキニ止まりだった。残念?!  一方の我、なでしこジャパン。男子の仇は女子がと言う訳では無いがこの試合に勝ってワールドカップ行きを決めたかっただろうに。サッカーは取り巻く環境が劇的に好転し日本サッカー協会は他のスポーツ競技協会と異なり資金には不自由しなくなくなったが、これは男子のワールドカップ等の経済効果によるもの。残念ながら女子は国内景気の低迷から女子サッカーリーグのLリーグから撤退する企業が出て来て人気もジリ貧。ベスト8入りを果たしたアテネ五輪以降“なでしこリーグ”と名称を変更し、巻き返しを図る。その為にもこのアジア選手権は重要だ。ただし、世界への進出は男子よりも女子の方がずっと先立った事も我々は留意すべきだ。

強敵 Matildas
オーストラリア代表ははっきりいて“アジアレベル”を抜きん出ている。まず体格が違う。(またヌードにならないかな?) この大会に備えて18ヶ月間で22試合の国際試合を消化した。その中には世界女王ドイツ戦との勝利、それから黒星続きだった対アメリカ戦と初引分がある。この好調の要因は12ヶ月前からチームを指揮する Tommy Sermanni 監督の手腕に因るところが大きい。 この大会の1次リーグでも準決勝進出の争点となると言われた韓国を 4-0 であっさりと一蹴している。優勝候補の北朝鮮とも 0-0 で引分けた。 攻撃の鍵を握るのは大会3得点の Lisa De Vanna。ミャンマー戦では貴重な2点目を上げた後に81分にベンチに下がり以降北朝鮮戦、タイ戦は途中出場。そしてタイ戦ではゴールを上げている。日本戦もベンチスタートだ。GKは26歳の Melissa Barbie 一旦は代表から離れたがこの1年半ポジションを不動のものにしている。Thea Slatya を入れて5人のDF選手を入れて 北朝鮮戦先発のFW Kathlyn Gil をベンチの置き Caitlin Muzou と 2得点のSarah Walsh の2トップに。中盤を厚くして日本のテクニックのある中盤を抑える先方だ。 しかし Sally Shipard は攻撃力のあるMF。本当にオーストラリア女性はでかいなぁ。

立ち上がり押し込まれて先制を喫す。
風下のなでしこイレブン。しかし開始早々宮間のミドルが飛び、8分には大野が裏に走りこみ左に張り出た柳田に回し永里に繋ぐがそこからはマチルダスの高い壁に阻まれる。その高さから10分に先制点を挙げる。左サイドを抉られいれられ Peters にクロスが入るのを二人がかりでクリアー。しかしそのクリアーを拾われ再び中に入れられ一旦は矢野がヘッドでクリアをするが、そのこぼれダマをまたペナルティーエリアの少し外で拾われてそのままシュート。そのシュートを Munoz がコースをかえるように引っ掛けてゴールを割られてしまった。その直後も左からのハイクロスをGK福元がよく弾いたがそのこぼれダマを Shipard にそのまま撃たれるなどマチルダスは身長差を突いて来る。それは攻撃だけではない。13分宮間が持ち込んだところを Slatyer に倒されて得たFKを宮間自身がゴールを狙うがまたも”高い壁” に阻まれる。この日のテレビ解説をしていたアトランタ五輪の代表選手大竹奈美(字はあっていたかな?)は“これだけ高い壁は(宮間は)国内では経験出来ないのでは?”と的を得た解説。しかしこのチャンスを境に日本が攻勢に出る。14分CKから下小鶴、大野と渡りシュートに繋がるがGK Barbier にあたりCK。それをショートコーナーから安藤が惜しいミドルを放つ。放送席の松木安太郎のボルテージは上がりっぱなしだ。日本は1対1のボール裁きは役者が1枚上手だ。当たってこられてもうまく体を入れ換えるなどしてかわして行く。20分に Walsh に逆襲を許すが最後は矢野がシュートコースを切って事なきを。マチルダスはリードしているせいかやや引き気味のポジショニングで時折 Walsh, Shipard が前線に出てくる。28分には Walsh のカウンターからペナルティーエリア内でボールを繋がれピンチを招いた。しかし日本も好調の宮間がミドルを放ったり、沢、永里がボールキープからチャンスを作る。彼女達がボールを持つと何か起きそうな予感を与えてくれる。しかしマチルダスもサイドはファウルに近い当たりでタイトなマークだ。従って中にいる選手のボールキープとセットプレーが頼りなのか?42分は沢のFKに矢野が飛び込むが惜しくもゴールにならない。しかし44分、痛い時間に更に痛い追加点を許す。右からのCKを一旦はGK福元が掴んだに見えたがSalisbary と交錯し落球。そこを Peters が押し込んだ。 福元は 164cm, Salisbary は179cm長身DFそしてマチルダスの主将だ。スウェーデン人 Jenny Palmqvist 主審、キーパーチャージを取らなかったのはワールドカップでの中村のゴールを憶えていたのかな?南北朝鮮の両副審、金線審(韓国)洪線審(北朝鮮)からも旗は揚がらなかった。 後半に続く